現在の当たり前は否定されていく

シェイクスピア『ヴェニスの商人』では、キリスト教徒がユダヤ人をひたすらこけ下ろす。ユダヤ人はキリスト教徒に貸した7000万円が返ってこない上に、宗教の自由を奪われてしまう。しかしこの脚本は喜劇として成立している。

こんな非人情な脚本が受け入れられるなど、現在の世の中では考えられないことだ。現在に生きる私たちは『ヴェニスの商人』を見て当時生きていた人々を否定する。

こうした現象は世の常なのだろう。
校舎の中で竹刀を持ち指導していた教師。かつての当たり前だ。現在に生きる私たちはこの時代の教師を受け入れられない。こんな教師がいたらすぐに懲戒免職だ。

亭主関白、家事育児は全て妻にお任せ。こちらもかつての当たり前だ。現在に生きる私たちはこちらの感覚も受け入れられない。20〜30代男性は仕事も育児も両方やって当たり前という価値観の中で生きている。

では現在に生きる私たちの当たり前は?

あの時代の人たちはなんであんなに仕事に押し潰されていたのだろうね。年休取るのに周りの目気にするとかウケる〜。

そう言われる社会になっていることを願う。

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