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眠るために鍼灸やマッサージを受けるのはどうか?

「弁証」とは、心身の状態や体質を見極めること。

その上で行う、理論に基づいた治療が「論治」。

合わせて「弁証論治」といいます。

東洋医学では、「急なれば標を、緩なればその本を(治す)」という言葉があります。

これは、急性期は症状を治めることを第一とし、慢性期にあるものに対しては根本に働きかける治療が大切であるという意味です。

誰でも眠れないことはあります(そんな経験は一度もないといううらやましい人もいます)。

眠れるようになるためには、まずは眠れない原因(多くは精神的ストレス、運動不足)を排除することですが、思い通りにいかないことも多々あります。

ということで、心身をリラックスさせるためにマッサージなどを受けたりするわけですが、

マッサージを受けることで眠れ、かつ、体調も良好というのであれば問題ありません。

が、うまく眠れない状態が長期に渡っている、マッサージの効果が以前ほどではなくなってきた、というのであれば、やはり弁証をした上での治療「弁証論治」が必要です。

就寝時間になれば自然と眠れるようになるために行うのが、弁証論治による不眠治療です。

李世珍氏(1928~2005)が次のように述べています。

不眠は、気血を調和させ、陰陽のバランスをとり、臓腑の機能を正常に回復させれば治癒する。

つまり弁証論治が大事。

不眠だからといって、すぐに鎮静(弁証を行わずリラクゼーションのみに終始すること)や安眠穴を用いるのはよくない。とくに薬物は安易に服用すれば不眠が治らないだけでなく、精力倦怠、記憶力減退、食欲不振を起こしたりなど、日増しに身体が衰弱していくこともある。

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