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腹部膨満感

ストレスを感じることの多い現代社会、胃や腸の調子がよくないという方が大勢います。

食欲不振にともなう膨満感とは、お腹が張った状態のこと。みぞおち辺りの胃膨満感と、お腹全体が張る腹部膨満感とがあります。

みぞおち辺りの膨満感は胃炎や胃液の分泌不全に伴い、これは胃の蠕動運動が低下しているときなどに生じ、胃下垂の人がなりやすい。腹部膨満感は、結腸内に溜まったガスであることが多く、腫瘤や腹水が認められることもあります。

脈拍、呼吸、体温、血圧、意識レベルに問題があれば、イレウス、腹膜炎、腹腔内出血なども疑われ、医療機関での受信は必須となります。

膨満感が増したり、放屁の量が増えたりする呑気症があります。食事の際にあまり噛まないということ以外に、無意識のうちに歯をかみしめてしまい、そのときに通常より多く分泌された唾液と一緒に飲み込んだ空気が腸内に溜まる、というのが呑気症のメカニズムです。ストレスによって歯をかみしめることから、ガス型過敏性腸症候群の一つとされることもあります。

横行結腸から下行結腸への移行部にガスが溜まりやすく、ツボでいうところの天枢から大巨に当たるこの部位は、局所の治療点となります。

膨満感の治療は、胃液の分泌を正常にし、蠕動運動を更新させることも目的に行います。膨満感とは東洋医学的に考えれば、気の停滞にともなう脾胃の機能低下です。治療は、脾胃を中心に全身の気機を正しくすることになりますが、それだけでなく、肝、心、肺、腎などの他の臓腑との関りを見ていかねばなりません。また、体が冷えていたり、疲れていたりすると治癒力が低下します。効果的な治療のためには、脾胃に対してのお手当と合わせて、いわゆる冷えや、全身の疲労を取ることも非常に重要です。

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脾とは五臓の中心にある臓腑です。消化機能の中枢を担い、五行の土に辺ります。「木火土金水も土あらざれば生ぜず。四季に土用なく、五行に土なきは、天にまことなきがごとし」という言葉があるように、非情に重要なところです。



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