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自身の人生の充実のために、素敵な音楽を鳴らし続ける人達へ。

去年(2020年)の2月頃、僕のバイト先で一緒に働くバンド好きの女子高生(当時)が、バンドマンについての持論を話していたので、そのことについてツイートしたところ、ちょっとバズったことがありました。

「バンドマンは音楽に身を捧げるべきであり、仕事しながらの余暇で音楽をやるなど言語道断」というあまりの極論だったため、当然ながら非難ごうごうのリプが多数届き、そのたびに「まあ若気の至りということで」と諌めたものでした。

まあでもその気持ち、僕は解らないでもない。
かの忌野清志郎も、RCサクセションがまだフォーク・グループだった不遇時代には「芸術家は働いてはいけない」と頑なに考え、ヒモ同然の生活をおくっていたんだとか。
音楽を愛するあまりの、純粋なロマンチシズムとでも言いましょうか。
むしろ、10代の音楽好きとしてはそういう理想を持つことが健全なのかな、と思ったりもします。

でも、僕としてはやはり、会社勤めをしたり家族を養ったりしながら、素晴らしい音楽をプレイしている人達を、強く支持したいと思うのです。

僕が足繁く通うK.Dハポンブラジルコーヒー鑪ら場といった場所は、一般的なライブハウスとは違い、着席して食事をしながら生演奏を楽しむ事のできるお店で、それに相応しくじっくりと聴かせるスタイルのバンドやミュージシャンの出演が多い。
そして、そこに出演するほとんどのミュージシャンは、前述の通り職業として音楽活動を行っているわけではありません。
にもかかわらず、耳の肥えた音楽好きを唸らせる感動的なライブを披露したり、メジャーアーティストに勝るとも劣らないオリジナル楽曲を制作したりと、その音楽活動のクオリティの高さには舌を巻くばかり。
そういうミュージシャンには30~40代の方も数多くいて、恐らく会社では役職など持っていたり、育ち盛りのお子さんがいたりと、音楽活動をするにも時間とお金にかなりの制限がかかっていることは想像に難くない。
その努力を考えると、全く頭が下がる思いです。

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冒頭の女子高生(当時)の話、一見極論にも聞こえますが、実は芸術に対する理解の乏しいこの国の一般的な考えだったりもします。
「バンドをやってる → 夢はメジャーデビュー」みたいな、90年代初頭のバンドブームの頃の価値観が、いまだに世間にまかり通っているフシがあり、30~40代でバンドやってたり弾き語り活動してたりすると「その年でまだ夢を追いかけてるの?」なんて嘲笑される、という話もよく聞きます。
僕に言わせればそれは偏見の極みであり、音楽活動をすること自体が目的である、ということに理解が及ばないのでしょう。
ゴルフの打ちっぱなしに行く人が全員プロゴルファーを目指したり、麻雀をやる人全員が雀士を目指したり、行列に並んでラーメンを食べ歩く人全員がラーメン屋の開業を目指したりするとでも言うのでしょうか?


マイクロソフトとアップルによるパソコンとインターネットの普及は、音楽データの扱いを容易にし、結果としてCDが売れなくなってしまいました。
その反面、アプリケーションの充実とSNSなどコミュニケーション・ツールの発達により、音楽制作と発表、宣伝やマネジメントのハードルは大幅に下がり、充分な資金が無くてもインディペンデントな活動はだれにでも可能となりました。
むしろ、メジャーデビューして大きな組織に活動を委ねるより、自身のアイデアや行動力を駆使してインディー活動を行う方が、今の時代には合っているのかもしれません。
ただ、そういう素晴らしい音楽活動を行っている社会人ミュージシャンの多くが、それに見合う正当な対価を受け取っているとは、僕は思えません。
食事をするように睡眠をとるように、人生の充実のために素敵な音楽を鳴らし続けるミュージシャンの皆さんが、れっきとした複業として努力に見合った収入を手に入れてほしい。

『珈琲マインド』の営業を通してその手助けができれば、と僕は考えています。

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