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走ること、りせッとたいむ

 3キロ、5キロ、8キロ...走ることは胸に穴が開き、足が崩れそうな苦痛の連続です。

しかし、です。運動することでSNSの海に漂っていた身体が現実に戻ってきます。

 なぜなら、走ることは五感で苦痛を味わい「いる」ことを確かめられるからです。絶えず並ぶ街路樹。排気ガスと乾いたアスファルトのにおい。エンジン音とタイヤが地面を走る足音。舌に残る鉄のような味。地面をつかみ、蹴る、そして風を纏い、きる体。

 体を動かさず追体験に流されるスマホ時間。対照的な行為です。現実を五感で味わうために走る。それはお皿洗いが終わるような、本棚を整理するような晴れる感覚があるものです。リセットタイム。


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