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ライブに緊急事態宣言は関係ないと思う

また一部の都道府県に緊急性と抑制性のない形だけの緊急事態宣言が発令された。

緊急事態宣言が発令されるとなると心配なのはライブの開催可否である。

東京のボス・百合子が無観客開催でお得意のお願いをしているイベントだが、現時点で国や都道府県からは大した補償金は出ない。それなら従来のライブの通りやってしまえば良いと思っている。これは私の思っていることだし正解不正解のないことではある。

ライブをやって欲しいのは私欲が大半だが、私が緊急事態宣言中で行ってきたライブもあるので実体験を元に「感染防止対策にライブなどの無観客は無意味」だということを解説したい。

①コロナ禍以降ライブでの新規感染者が出ていない


私は2回目の緊急事態宣言が発令されていた1/8~3/21まで凛として時雨、秋山黄色、[Alexandros]の3本のライブに行ったのだが、いずれとしてそのライブもコロナ感染の報告は無かった。

ちなみにキャパは凛として時雨のKT yokohama、秋山黄色のZepp Tokyoは最大キャパ3000人のうち600人、[Alexandros]の幕張メッセは最大キャパ2万人越えのうち5000人の収容人数だった。

凛として時雨は全国5か所のツアーを無事終了、秋山黄色は全国ツアー中だが現時点で無し、ドロスの幕張に至っては2日間で1万人を動員、コロナ禍でのライブでは成功と言えるだろう。

一通り他バンドや別界隈のイベントの様子を見てみたが、感染者が出たという報告は見受けられなかった。

②今のライブスタンスを終息まで続ける

緊急事態宣言が発令されてもライブが決行出来る様に予め座席の販売を制限したり、その他対策を取っており、そもそもライブハウス側も政府に言われる前にライブの感染症対策は終息までやると思う。

今のライブハウスは座席指定やマス目を設けて距離を取るというのがスタンダードとなっており、それ以外にも検温、アルコール消毒、マスク着用必須、ライブ中は声出し禁止の拍手のみはしばらく続くだろう。

先ほど記した上記3つのライブは座席指定50%だったのだが、両隣前後が空席なので非常に快適だった。

もちろんスタディングでもみくちゃ、頭上を人が転がり大声で歌うライブやMC中にメンバーと客が受け答えするライブも大好きだが、単純に事態が終息するまで従来のもみくちゃライブを行わなければいいだけの話だし、逆に特に激しいバンドでのこうした快適なライブは今しか体感できないスペシャルライブである。

それより私の好きな音楽はそれらが出来なくてもカッコいい。音楽が、バンドがカッコイイ。フェスの風物詩であるモッシュダイブサークル合唱なんておまけなんだ。

終息したらまた大声出して、大きな声で歌って、タオル振り回して、もみくちゃになって、サークル作って、ダイブして、ダイブしてきたら支えて、思いっきり走って、ヘドバンして、知らない人と肩組んで、そんなことしようや。

③いい音楽にお酒はいらない

そして何故か政府が問題視しているお酒だが、結論アルコールの提供なんてなくてもライブは出来る。(ただ脱水症状などの対策でお水などの飲み物はあった方がいい)

本当にいい音楽にお酒なんていらない。ライブハウスで飲むお酒はもちろん美味しい、だけどライブハウスにおいてのお酒もおまけである。

④まともな金額補償がない

最初にも言っているが、私は何より音楽業界に限らず舞台やミュージカル、個展など含めた文化全体に対して補填が無いのが気に食わない。

「イベントを中止または延期してください、条件付きで一回のライブに費用を免除または半額補助します。無観客配信ライブに切り替える場合は機材など無料で貸し出します」などスタッフの人件費とグッズの売り上げなどでトータル黒字になるほどの補填出来るほどの補償があれば良いが、今のオリンピックで精一杯のケチ政府はするわけがない。

これぐらいしてもらえれば大人しくチケットは払い戻すし、払い戻したチケット代は次のライブのチケット代なりグッズなり寄付なりに使う。

開催してコロナ感染者を出していないという結果を残している結果を残しているにも関わらず、雀の涙のような手薄い補償ばかりに頭がくる。

そしてとにかくスピード感がない。申請してすぐ補助金が出るわけではない。

ライブ関係者ではないとはいえ他人事とは思えない。個人で寄付をするにしても限界があるし、ただただ彼らにも真っ当な生活をして欲しいだけなのだ。

⑤フェスが出来ていないのにオリンピックをやろうとしている

緊急事態宣言を発令する理由はキッパリとは言ってないが見え見えのオリンピックの開催が背景だと思う。

私が音楽関係の偉い人なら無名のアーティストにちまちました補償しかしないのに「オリンピックやるんで毎年フェスで使ってるこの場所は使用禁止ですオリンピック用に曲作ってください!パフォーマンスに出演してください!」なんて言われたらクソくらえと言うと思う。

彼らは生活できるほどの補償をしない=カルチャーを見捨てている=日本の文化は素晴らしいと言う資格などない。

まずフェスが出来ないのにオリンピックをやろうとするな。

でかいフェスは一回で20万人も動員する。他のイベントの動員数はそれ以上あるだろうし、某巨大テーマパークは年間で3000万人も動員するらしい。そもそも嵐の国立競技場でのライブで動員数を見計らうと言っていたような気もするが、それすらできていないのに全世界から国の代表をお迎えするなんて失礼だ。何がおもてなしだ。おもてなしは表面だけでは出来ない礼儀だ。

青春の思い出となる学校の文化祭や体育祭、音楽フェスやその他大型イベントができた上でのオリンピック開催ではないか?

自分の無力さを知る

正直コロナになるまで政治に無関心だった。選挙にいっても形だけで投票は適当だった。今となってはとても恥ずかしい。

音楽業界だけじゃなくても、保育士さんの給料アップとか、医療従事者への特別手当とか、そういうことに対して税金を払っていると思ってた。

結果は見ての通り政治家の私欲を満たすための詐欺金やオリンピック開催に向けてもがいた無駄金となった。

私、こういうときのために高い税金を払ってると思ってた。

先日石井麻木さんの写真展に行った。東日本大震災と今のコロナの状況が重なってぽろぽろ泣いた。

震災の様子を見て、ライブをしているキラッキラしたバンドマンの写真をたくさん見て、私は音楽が大好きなだけで、音楽を救えない。なんて無力なんだろう。そう思った。自分の無力さを強く惨めに思った。

音楽を止めるな

3回の"緊急"なんて効力なんて既に失ったようなもので「オオカミ少年」そのものである。様々なメディアでも報じられているが、私も今回の緊急事態宣言は意味がないと思ってる。

意味のない緊急事態宣言に従うなら構わずやってしまえば良いと思っている。何故ならライブは今までのやり方で新規感染者は出ていないし、中途半端な補償のためにライブを中止するより彼ら彼女らに取って利益も多いだろう、そしてそのライブ一回でどれだけの人間が救われるか底知れない。

今まで失われていた音楽の未来をミュージシャン全員が繋いできた。一個一個のライブを厳重にした結果、今もなお新規感染者という素晴らしい功をなしたんだ。

MONOEYESの武道館無観客ライブの配信でTOSHI-LOW(BRAHMAN)が言ってた。

「命を落とした奴もいたけど、少し先のライブを目標に生きている人がいっぱいいると思う。そうやってみんな生きてきたはず」

本当にそうなんだよ。今でもこの言葉を思い出してはあたたかくなる。何も悪くないライブが悪者にされて、そうなると観客ありきであったスポーツもそうならざるを得なくなって、楽しみが失われて、ただただ悪循環が生まれるだけだ。

私なら評判が良くとも効かない薬を3回買うよりも、リスクはあれど確実に救われる方を選びたい。

音楽を潰してオリンピックをやる意味って?まともにプロ野球やサッカーなどが出来ていない状態でオリンピックをやる意味って?もしオリンピック選手が感染してしまったらどうするの?私は分からない。

何もかもを犠牲にしてやるオリンピックなんて、自ら歴史に泥を塗りにいくようなものだ。

その犠牲にされている文化の1つである音楽を、私たちの心を救う音楽は、絶対に止めさせない。

音楽を止めるな。

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