飛行機に乗り遅れてもライブに間に合った話【2019.1.11 [ALEXANDROS] 高松fest halle】
[ALEXANDROS]年始一発目のライブを見に初上陸の四国へ。この日はとても大変な思いをした、ある意味一生忘れられないライブになったので一部始終を書き記す。
ライブ当日入りなのに飛行機を乗り逃した
簡単な経緯を説明すると、筆者は関東在住で成田空港から高松空港に向かう途中の電車が遅延し、成田空港に搭乗締め切りの一時間前までについている予定が乗り換えが2、3本あり遅れに遅れ、搭乗手続きが間に合わなかったのである。
便は10:30発でとりあえずスタッフに尋ねるとこの便に乗ることはどうしても無理なので次の便に振り替えようと思ったらまさかの
「次の成田空港から高松空港の便は夕方17:00出発になります。」
ライブは平日の通常通りOpen 18:00 Start 19:00。
ライブに間に合わない。どうしよう。
頭が真っ白になった。頭が白紙になったのは人生で初めてだ。ライブのチケットは持っている。もちろん帰りの飛行機は取っている。友人が四国で待っている。ここで諦めるわけにはいかん!と別の空港のスタッフに羽田空港から高松空港の便を探していただいた。
だがしかし、当日券購入なのでANAもJALも余裕の3万越え。
飛行機代が高い。高すぎる。
とりあえず東京に引き返そうと成田空港から東京方面への電車に飛び乗ったが焦っていたので何線に乗ったのかは覚えてはいない。キャリーケースを持ちながら冷や汗をかき、どうにかして高松まで行けないかとスマホで模索。
東京駅から新幹線なら間に合うのでは?
頭は白紙とは言いつつも脳みそはどこか冷静だった。私は運の良さで生きているので今までの勘から「なんとかなる」としか思っていなかった。
飛行機がダメなら、新幹線で検索をかけると成田空港を11:00に出たとして2時間あれば東京駅に着くことが判明しひとまず東京駅へ向かった。降りてすぐ新幹線の窓口に駆け込み、駅員さんに高松に行きの一番早い新幹線を取ってほしい旨を伝えた。駅員さんと話しつつ高松何とかして行こう作戦は完全に作り上がった。
13:10の新幹線に乗り、岡山駅でマリンライナーに乗り換える。JR高松駅で降りたらダッシュでタクシーに飛び乗り、隣駅のfesthalleのある瓦町駅で降ろしてもらう。それなら18:00頃会場に到着し、ライブも間に合うはずだ。
駅員さんが手慣れた様子でサクサクと「この新幹線でどうですか?指定席でしたら窓際がいいですよね。岡山で降りたらマリンライナーに乗ってください。まとめてマリンライナーの席もお取りいたしましょうか?」とスムーズにチケットの手続きをしていただいた。名札を見そびれてしまったがその駅員さんのおかげでとても助かった。
それで行こう!だめだったらライブ見ないで友人と酒でも交わしてうどん食べて観光して帰ろう!と思いとりあえずヒレカツの駅弁を買って鮮やかな着物がお似合いのマダムの集団をよそ目に新幹線に乗った。のどかな街並みで爆睡をかましながら車内放送で「右手に富士山が見えます」と一瞬だけ飛び起きて富士山を横目に静岡を後にし、スイスイと関西を抜けて岡山に到着。
すぐにマリンライナーへ乗り、帰宅ラッシュ時だったので学生やサラリーマンに混じり夕焼けが落ちる瀬戸大橋を私を乗せたマリンライナーが駆け抜ける。あっという間にJR高松駅へ到着!
目の前のタクシーに飛び乗り「festhalleまでお願いします!」と運転手のおじさんに言っても伝わらなかったので瓦町まで!とお願いし帰宅ラッシュで若干混み合っている道路を安全運転でゆったり進み作戦通り18:00過ぎに会場到着!まずついてからは会場から約10分のところのゲストハウスを取っていたのでチェックインがてら荷物などを整理し、再び会場へ。この時点で見た時計は確か18:20。
ライブに間に合った!!!
急ぎすぎて嬉しい感情なんて覚えてないが、ライブハウスについてからとにかく大変な思いをしたなっと思ったのは物凄く覚えている。そんなホッとして間も無く新年1発目のドロスのライブはスタートしたのだ。
お待たせしました!2019年一発目ドロスのライブレポートです
個人的な大問題発生でようやく本編のレポート。
今ツアー初参戦。照明が落ちると早速メンバーが登場し、センター分けで登場したVo洋平がマイクを取ると1曲目は最新アルバム[Sleepless in Broocklyn]より「LAST MINUTE」からライブがスタート。続いて代表曲「ワタリドリ」「Famous Day」「Starrrrrrr」と爽やかなナンバーを連発。
「Starrrrrrr」の際にラストサビでダイバーが出て雪崩が下手前方で起きてしまったが曲が終わるとBaヒロが「みんなで助け合っていいライブにしような」とロイヤルに場を和ませるとすぐさまボンゴを引っ張り出し「I Don't Believe In You」「spit!」「GirlA」とドロップ#Cチューニングのトラックを次々投下。
特に「spit!」のライブ映えには驚いた。絶対カッコいい!と思った曲だったので案の定だったが聴けて嬉しかった。
そして「Come Closer」でブラックミュージックを心地よく挟むと「PARTY IS OVER」 「SNOW SOUND」と続けてアルバム曲を演奏。
ここで洋平のMC。
「改めまして[ALEXANDROS]です、新年一発目高松でよかったーー!」
と初っ端から愛を叫ぶ。
「今年一発目のライブです。四国とかってなかなか来れないから来れて嬉しいです。各地回ってますけどさっきやった[SNOW SOUND]雪降ってる時にやりたいんですけど全然雪降ってないんですよね。高松は雪降った?降ってない?北海道とかならできるかな。
「年末はフェスにたくさん出させていただいて何万人のも前で演奏していたんですけど、ライブハウスは近くて程よい緊張感があっていいですね。後ろの方まで見えてますからね。まだまだこれからなんですけど、ライブハウスなんで自由にしてください。あ、前の方のひと気をつけてね。後ろからひと転がってくるから。転がってくるひとも後ろでみれるひとも好きですから。今日、暴れに来たひとーー!」 (観客)「はーい!」
「思ったり少ないな...マイノリティだぞお前たち!なんかさ、よくバンドがやってるこういう、(グータッチする仕草)のもいいよね。ライブハウスならではでいいなって思います。まあ俺はダイブとかしないけど...っていうか俺が転がったデカいでしょ?」
ヒロ「よく「city」のBメロでダイバーが上がってくるじゃん?ピョコッピョコって、トトロみたいに」
洋平「トトロ?あー、あのシーンね。みなさんトトロだと思われてますよ」
ヒロ「俺はそれと被るんだよな」
洋平「ってわけでこれから激し目の曲が続きますが、ってカバーからなんですけど、AC/DCってバンド知ってる?ヒロさん、どうぞ!
ヒロ「AC/DCのBack In Brack」
洋平「エー、シー、ディー、シーの、バックインブラックね」
とベラベラ喋る洋平。言い方があれだがこの日の洋平はめちゃくちゃ機嫌がよかった。新年一発目、どうやらめちゃくちゃ盛り上がって欲しいらしい。
ダイブをそんなに煽るなら飛ぶしかないのでは....!?とダイブするつもりなんて無かったが私のライブキッズ魂に火がついたようだ。
後半戦は和風なサウンドとヒップホップが融合した「Kaiju」を皮切りに「MILK」→「KABUTO」→「 Mosquito Bite」とブルックリンで製作したアルバム曲を連発したと思ったらシンセサイザが特徴的な[Champagne]時代からのぶち破りキラーチューン「Kick&Spin」へ。
川上洋平と交わしたグータッチ
洋平に付けられたライブキッズ魂はキクスピで爆発!
1サビで目の前にいたお兄さんが上げてくれそうだったのでお兄さんの肩を叩きリフトさせてもらい、間も無くステージに向かって転がっていった。ぶち上がっているので飛んでる時とか覚えてないが、今でも脳裏に焼き付いている映像がある。
そろそろ落ちる頃かな、とセキュリティーさんにキャッチしてもらおうとステージに振り向いた瞬間に待ち構えていたのはVo洋平だった。
身長180cmと抜群のスタイルを持つ洋平が右手拳を突き出し、拳を合わせやすいようにかがんで待ち構えていたのだ。
私、ひとの上を転がっているのにも関わらず突然の川上洋平が理解できず動揺、表情固まる、体ごとフリーズ。
それでも洋平さんの厚意であるその拳に応えたくて、反射というか咄嗟に出た左拳でグータッチを交わした。
今までの記憶上、ハイタッチはあるけどグータッチは初めてじゃないかな。動揺しつつも交わした一瞬のグータッチだったが物凄く覚えている。上げてくれたお兄さん、送ってくれた人たち、セキュリティさん、ありがとう。
「やっぱり[Kick&spin]は最高ですね。みんな怪我とか大丈夫?知らないうちにでき出た痣も勲章ですからね。俺もこないだ名古屋でダイブしたらあんなところやこんなところを触られて...(大事なところも触られたらしい笑)まあ、減るもんじゃないしいいんですけど。今日みたいな日でさ、あーライブ楽しかったー、ってお風呂入ろうとして服脱いだ時あれ、こんなところに痣がある!あ、昨日ライブだったからって気づいたりしてね。」
「そういえばうちらのお客さん、セットリストとか流さないんだってね。
俺映画好きなんですけど、ストーリー性を考えてセットリスト作ってるからライブ終わってからここがこういうことだったのかあ、とか考えて欲しいんだけどさ。本当はうちらのセトリ拡散して欲しい!」
と気がつけばまたおしゃべり洋平が1人でステージに立っている。
「懐かしい曲をやります」と歌いだしたのは「Kids」。洋平の弾き語りかと思うと徐々にメンバーが曲に加わりバンドアンサンブルに仕立て上げる。
続いて「明日、また」「ムーンソング」「RunAway」「FISH TACOS PARTY」「Your Song」「Adventure」「アルペジオ」と流れるように美しく演奏し、本編は終了。正直、「Kids」の直後からは覚えていない。グータッチしてもらってからポーーーっとしてた。けど、曲が次々入ってっくるから感覚だけ覚えている。
おしゃべり洋平、熱気に満ち溢れたアンコール
ドロスの入場曲「Buger Queen」で再登場するとすかさず「Dracura La」に繋ぎマスロック的な要素を含めた変則的なクラップで会場を一体化させると再度おしゃべり洋平が登場。
「今回から新たにグッズを作りました。なんかツイッターとかでうちらのグッズダサいとか言われてるみたいだけど、そんなこと言う前に自分の服を見てもらいたいですね。」
「昨日高松についてすぐうどんを食べました。美味しかった〜、○○さんだっけ?さっきも言ったけど、年明け一発目がここで、正月は家族としか喋って無かったから久しぶりにメンバーに会っておお、メンバーだあってなりました。」
「そういえば俺愛してるぜとかいうじゃん?あれにはルーツがあるんですよ。初めて喋るかもしれないけど。」
ヒロ「え」
洋平「夏木マリさん主演の[ピンポン]っていう映画で夏木マリさんが演じてる役の台詞なんですね。まだまだ売れてない頃愛してるぜ!なんて言ったらキザいしシラけるからやらなかったんですけど、ちょこちょこお客さんが入るようになってから言えるようになりました。愛してるぜって照れ隠しなんですよね。」
ヒロ「俺初めて知って動揺してる」
洋平「あとこれ(ちょりっすみたいなポース)もルーツがあるんですね」
ヒロ「それもあんの???」
洋平「そうなんだよね、、、って俺今日めっちゃ喋ってるけど大丈夫!?」
ヒロ「過去最長のMCですよ」
洋平「そそ、そのルーツっていうのがドラゴンボールのさあ〜〜〜悟空が(ベラベラベラベラ)」
どうやら久々にひとに会えて嬉しかったようだ。
ずーーーーっと洋平が喋りちょいちょいヒロが挟むが、Gt白井はクールにどスルー。一通り喋り終わるとライブに戻り「city」をワンコーラス歌うと「ハナウタ」で儚く美しいメロディーでしっとり魅了。
と思ったら洋平がジャズマスターを手に取るとお馴染みのアルペジオ「city」へ。ここでも数人のダイバーがステージに向かって転がると最後はサトヤスのドラムで一気に会場が跳ね上がり「Waitress,Waitress!」でヒロの炸裂スラップとともにライブは終了。熱気を残してメンバーはステージを後にした。
終演後はかえりみちをBGMにいつもステージの撮影タイムを設けてくれるドロス。友達やカップルでステージバックで写真を撮ったり、ライブハウスではぐれた友人たちと再会してわちゃわちゃとロックバンド好きならではの素敵な時間が流れる。...と5分ぐらいすぎた頃だろうか。
ライブ終了後、川上洋平がステージに再登場
「撮っていいよ!」
ライブ終了したばかりの洋平が1人だけステージに帰ってきた。
このフロアにいた人全員が訳のわからないままスマホを片手にあたふたしていると洋平から「撮っていいよ!」と自ら撮影許可を下すと、1人でかえりみちを歌ってくれたのだ。URLを貼っておくがライブハウス、様々な位置からの動画がTwitter等にUPされているのでぜひ様々か角度から見てもらいたいと思う。
https://twitter.com/yuixandros/status/1083709560815116294?s=20
洋平が「今日はありがとうございました、またね」と優しい口調でステージを後にすると珍しくサトヤスも「ありがとうございました、また会いましょう」とお礼の言葉を述べてくれた。
ロックスターが魅せたアットホームなライブ
初めて四国という土地を訪れたが、ライブの空気もファン層もとても良かったように思う。ベラベラ喋る洋平の話をうんうんと頷き、必要以上にレスポンスもせず、たまにいる変なタイミングでのダイバーも一切おらず全員が作り上げた程よい距離感で激しくもただただ幸せな空間だった。
この感想はめちゃくちゃ個人的だし勘違いだと思われてもいいが、スノサン後のベラベラMCで前方のモッシュゾーンにいて「暴れに来たひとーー!」て言った返しで思いっきり手をあげたら手をあげたひとがちらほらしかいなかったんだけど、その時洋平さんと目が合ったような気がして。
それもあり私目掛けて拳構えてくれてたのかなーって後から思った。
追加の余談だがその後、後半戦で私の周りに洋平さんが投げたピックが3、4枚飛んできて(そのひとりの近くにいたお兄さんにピックを見せてもらった)1枚は偶然私の右足付近の落ちてきたのだがピックに気がついた瞬間探し回っていた女の子に取られてしまった。が、やっぱりピックも投げてくれてたのだろうか。と考えたらちょっと嬉しかった。
飛行機に乗り遅れても間に合う私さすがじゃん
関東に帰って「香川どうだった?」とお土産のお菓子を渡す時に聞かれることもまず飛行機に乗り遅れた話からしないといけないのだが、改めて当時を振り返って書いて見たらこれってもはや伝説じゃん!正直ライブに間に合わなかったらって思ったけど高松に行かないっていう選択肢は無かった。それが正しかったのかな。
こんなにも素敵なライブが観れてとても幸せだ。ありがとう、[ALEXANDROS]!
彼らはきっと、まだまだ走り続けてくれると思う。
p.s 帰りの飛行機はちゃんと乗れました。(空港行きのバスでcity聴いて自分頑張ったなって思って泣いたのは内緒です)
最後までお読み頂きありがとうございます!頂戴したサポート代はライブハウス支援に使わせていただきます。