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●くるりとビールと足りない心●

私たちの心には足りていない部分がある。
生まれつきもともと足りていなかったり、成長するにつれ足りなくなったり、生きることで欠損し足りなくなったりする。
それはへこみのようだったり、ぽっかり空いていたり、刺したような傷だったりする。
多かれ少なかれ、浅かれ深かれ、誰しもきっとある。

くるりの音楽は、私の足りない部分にぴたっとはまる。
やわらかく塞いだり、水を注いで満たすようだったり、まるでなくした形と同じかと思うくらいカチリと合致したりする。
歌詞やメロディや声や演奏が、へこみや傷や琴線に、触れて埋めて染み込んで消えていく。
それだけでなく、足りない部分を建設するかのように喜びや希望や力にだってなる。

音楽とは、人にとってそういうものなのかもしれない。
足りない部分を埋めたくて埋めたくて、補完したくて補強したくて増強したくて、それぞれがそれぞれの音楽を選び取って聴くのかもしれない。

なんてことを、ARMY、永遠、WORLD'S END SUPERNOVAというエモーショナルな流れからの花の水鉄砲という大エモーショナルな音を浴びながら思っていた。

ありがとう、くるり。頑張るよ。

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