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自分の機嫌を取る日

『「可愛い」の威力』の後編に登場する予定だが、私には大好きなYouTuberがいる。それは

そわんわん

である。彼女との出会いは覚えていない。いつの間にかハマって今ではほとんどの動画を観た。

彼女がよく言う事の1つとして

「自分の機嫌は自分で取る」

というのがある。
これは私の体感としてかなり流行っている考え方だが、そわんわんは初めて私にこれを実践しようと思わせてくれた人だ。

彼女はよく自分にご褒美を与える。美味しい物を食べたり、欲しい服を買ったり、欲しいコスメを買ったり。

彼女がご褒美として自分自身に与えたものはすべて、彼女を輝かせているように見えた。

好きな物を食べて好きな物を身につける。そのことが人をこんなにも魅力的に見せるのか。

これは一瞬で得た気づきではなかった。動画を継続的に観ているうちに、見た目も中身もどんどん綺麗になっていく彼女が羨ましくなった。

父親への嫌悪感で頭がいっぱいになったとき、ふと思った

今が自分の機嫌を取るべき時だ…!

行動の早さは私の取り柄である。次の日を
自分の機嫌を取る日
にすることにした。

まず、朝いつも通り予備校に開館と同時に入り、自習する。私はソワソワしながら時を待った。

10時57分。手際よく荷物を片付けて自習室を後にし、気になっていたラーメン屋の開店時刻、11時ちょうどに店に着いた。

醤油ラーメンと半チャーハンを注文する。

10代の女子が1人でラーメン屋に行くのはちょっと変わってるんじゃないか、と思い、ウキウキしながらラーメンとチャーハンをバランスよく食べ進める。

ラーメン屋を後にし、近くの薬局に向かう。最近パックに凝っている私は、透明感が増すという10枚入りのパックを買った。

橋本環奈になっちゃうかもな〜などとくだらないことを思いながら、薬局を出た私はマックに向い、アイスカフェラテを飲みながら春期講習の時間までマックで勉強した。

春期講習、去年とは違う予備校で初めて習う先生。正直去年からこっちにしておけばよかったと思うほど、基礎が固まっていない私に向いている授業で、目からウロコが沢山落ちた。

授業を受け終え、スマホを開くと嬉しい知らせが。父親はもう寝たそうだ。

よっしゃあああああ!!!

これで家に帰っても父親と顔を合わせずに済む。自分で機嫌を取る日のはずが、神様も私の機嫌を取ってくれるらしい。思わぬラッキーが訪れて気分は最高潮である。

帰宅後、チーズを餃子の皮で包んで焼いた私の大好物と、アップルパイを母親と2人で食べた。久々に2人で食べる夕食は、とてもバランスのいい献立とは言えないものの、それがまたおいしく、楽しいものだった。

入浴後はかなり前に新大久保で買った、韓国のパックを付けた。このストックが無くなったら今日買ったのを使おう。ワクワクしながら今日のパックを丁寧に貼る。パックを付けていると自分を大事にしている気がして暖かい気持ちになる。これもそわんわんが言っていた気がする。

寝室の電気を消した後、母親は私が最近ハマっている藤井風の曲をピアノで弾いた動画を、小さめの音で流してくれた。「優しさ」という曲が流れた時、なんだか涙が出てきていつの間にか顔がびしょびしょになった。

こうして私の、

自分の機嫌を取る日

は終わった1日自分の機嫌を取ってみて、すごく満たされた気持ちになった。

ボーボーと燃えていた父親への怒りは、いつのまにか線香花火のように小さくなっていた。

生きてて良かった。人生は楽しい。久々にそう実感した日だった。

きっかけを与えてくれたそわんわん、ありがとう。また心に余裕が無くなった時は、こうして自分の機嫌を取る日を設けようと思う。

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