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【初めまして#03】コーヒー農園との出会い

コーヒー農園との出会い

手網焙煎珈琲焙煎舎のはじまり

2011年の夏、わたしはそれまで全く思いもしなかったのに突然、「店をやろう」と思い立ち、それまで勤めていた会社を9月に辞め「2011なら11月11日にオープンだ!」と勢いのままに府中市美好町1丁目で珈琲自家焙煎店「手網焙煎珈琲焙煎舎」を始めた。

右も左も分からず、お店の立ち上げを手伝ってくれた人に珈琲のイロハを教わりながらの1年目。独り立ちをしたら全ての事が空回り、そうしたらお客様に「ゆっくりでいい」と言ってもらえた2年目。

多少の余裕が出てきた頃、周りが見えるようになって自分のお店と「他所のお店」が違って見えて、何が正解なのか、このまま続けていいのか分からなくなった時期もあった。そんな時にお客様から掛けてもらった言葉は「自分を信じられないという事はあなたの珈琲を美味しいと思って来ている私たち(お客様)を信じていないという事」だった。その時はハンマーで頭をかち割られたかのような衝撃でした。で、かち割られた中から出て来たニュータイプのワタクシは、見事にヨソを気にせずに自分を貫き、他店ではなく自分と向き合うようになりました。
それからは、憧れだった“農園へ行く”を目標にわたしのお店を続け、オープン6年目に念願のニカラグアの珈琲農園に行ってきました。


あっという間の11年のような気もします。ですが振り返ると毎日が色濃く様々な経験を積み重ねてこられました。

寂しいことに今年10月、ずっとお世話になりっぱなしだった私にとっての府中の父母である、お隣のお肉屋さんが引退され、ご自分の手で55年という長い歴史に幕を閉じられました。わたしのお店がそこまで出来るかどうかはさておき、今後ともどうぞ宜しくお願い致します

2022. 11 飯島里沙(手網焙煎珈琲焙煎舎店主)


飯島里沙 店主/焙煎人

2011年に手網焙煎珈琲焙煎舎を東京都府中市にオープン。開店より手作業による焙煎を続けている。生豆が届いたら状態のいい生豆を見極め傷んだ豆をより分る作業から始まる。小ぶりな手網の持ち手から伝わる感触と、目と鼻でお豆が焼けていく煙の香りと弾ける音の変化を見定めながら、浅煎りから深入りまでの焙煎を行っている。オリジナルのコーヒーフレーバーを追求し続けている独創的な珈琲豆焙煎で注目される焙煎士。

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