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「ニートマガジンVol.1」を読んで

 こちらの冊子版ニートマガジンVol.1を読ませていただきました。

 以下、簡単に感想を述べていきたいと思います。どれもそれぞれの味がでていて、とても読みごたえがありました。絶対損はしないので、未読の方はぜひ読んでみてください。

ホモ・ネーモ 「ニートへの賛歌」

 トップバッターにふさわしい、「ニート宣言」的文章です。読みやすくて面白いです。

屁理屈だからといって間違っているわけじゃない。誰も反論できないけど、誰もが笑い飛ばしたくなる理屈を、人は屁理屈と呼ぶんだからね。


ゆるふわ無職「ニートマガジン始まりました」

 ニートの、とくに気持ちの上での(実存的な)苦悩が伝わってきました。ゆるふわさんはニーマガの発起人ですが、孤独などのテーマからこうして活動を広げているのは、とてもすごいと思います。

しかし、彼らだってそういった「孤独な自分」や「世界のクソさ」を他者と共有したがっているではないか


下宿人「ニートの食卓」

 コンロがないというかなり過酷な条件のなか、最大限簡単で美味しそうなレシピを紹介しています。電子レンジだけでこれだけやれるのかと勉強になりました。

⑭果物 通年で購入するのはバナナやキウイが多い。これを書いている現在は冬なのだが、りんごやみかんをよく買っている。冬は鬱っぽい気分になりがちだが、果物を食べると少し改善されるような気がする


仲 陽介「レンタルニート生活」

 陽介さんは、レンタルニートという、いわば何でも屋的なことをしている、かなりアクティブなニートの方です。個人的にはゲーム代行をしていたのも気になりました。ぼくもむかしやっていたソシャゲで、いっぱい課金はしてるんだけど遊ぶ時間がしっかり確保できない人が、ゲームプレイを代行してもらうというケースを見たことがあります。こうなってくるとゲームなのか仕事なのかわからない気もしますが……。

これまでの経験で人々にはいろんな趣味があり、人間関係があり、事情による悩みがあることがわかってきた

 当たり前の話ではありますが、説得力があります。


安眠計画「ニート禅のすゝめ」

 ヴィパッサナー瞑想の表面を撫でただけのぼくにはわからないところもありましたが、とにかく座って「今ここ」に戻るのが良いようです。

さて、いきなり結論から書くと、ニートは今すぐに座禅をすべきだ。俺(と一般に了解されている現象の総体)が、この限られた字数の中で言いたいことはそれだけ。以上。


レモン「虚無ニートと生存戦略」

 「生きているだけでいい」コミュニティの崩壊が進んでいるというのはその通りだと思いました。その中を、ではどうやって生きていくのかという一つの戦略が提示されています。

犬の候補となった狼たちは、群れの中で狩りが下手な落ちこぼれだった。食べていくために「愛嬌」を身に付けたのである。
仕事(狩り)が苦手で大嫌い、上手くいかなかったという点で、ニートは犬に似ている。つまり、愛嬌、愛される人になることを目指せば良いのだ


ろっさん「死、俯瞰的冷笑、ニート」

 ニートの(さらに究極的には生の)ニヒリズムを認識しつつも、ポジティブに視点変更しています。「エンジョイニート」というような印象を受けました。

労働なんてものはビールをうまくするための運動、外気浴を気持ちよくするためのサウナと水風呂みたいなものだ


 参加できるタイミングがあれば、今度はぼくも書きたいです。がしかし、それにはもう少し、ニートやらなにやらへの認識を深める必要がありそうです。


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