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#1 コドリーム(CO-DREAM)が育みたい、こどもの「生きるチカラ」とは?

コドリームはNPO法人アクションが運営しています
コドリームを運営するNPO法人アクションは、1994年に設立されたフィリピンと日本のこども達の「生きるチカラ」を育む国際協力団体です。活動を始めた当初は、武蔵野市境南町のアパートに事務所をかまえ、フィリピンのストリートチルドレンや孤児院のこども達の支援を行っていました。
 
武蔵境でのこども達との出会い
2005年からは、より多くの方が国際協力に参加できるように、フェアトレード雑貨を販売するお店を始めました。お店を開いてからは、多くの方がお店を訪れてくれるようになったのですが、地域のこども達が放課後の居場所を求めてお店に遊びに来るようになりました。
フィリピンへのボランティア派遣も行っているアクションの事務所には、大学生のボランティアも多くいることから、こども達は少し年の離れたお兄さん、お姉さんに遊んでもらうことが楽しかったようで、毎日のように顔を出すこどももいました。
 
そんなある日、普段からよく遊びに来ている小学2年生の女の子の体に傷があることに気が付きました。「転んだ」というこどもの言葉をそのまま受け止めていたのですが、それから注意してみていると、他の場所にも傷や痣を作っている日があることに気が付きました。その時初めて「虐待」という言葉が頭をよぎりました。
 
また別のある日。その日は土曜日だったのですが、3時頃に遊びに来た小学5年生の男の子が、朝から何も食べておらず、ぐったりしていることがありました。「家に食べるものが何もなく、朝から何も食べていないけれど、いつものことだし大丈夫。」と話すこどもを見て、日本の「こどもの貧困」に初めて出会いました。
 
フィリピンのストリートチルドレンや孤児院のこども達の支援活動を長年行ってきた中で、虐待を受けたこどもにはたくさん出会ってきました。また、経済的貧困により、厳しい環境で生活するこどももたくさん見てきました。そして、日本にも「虐待」や「こどもの貧困」という問題があることも知っていました。
 
しかし、恥ずかしながら、どこか遠い場所で起こっている出来事として捉えていたように思います。こんな身近に虐待が起こっているとは思ってもいなかったため、相談先をインターネットで検索し、虐待を受けていたこどもの通う小学校にすごく緊張しながら電話をしたことをよく覚えています。また、お腹を空かせるこどもを見て、一時的な支援は根本的な解決にはつながらないと思いながら、コンビニにおにぎりとサラダを買いに走った時のやるせない気持ちと、ごはんを受け取ったこどもが嬉しそうに食べていた姿が今でも忘れられません。
 
コドリームを始めた想い
アクションはフィリピンで28年間、ストリートチルドレンや孤児院のこども達がどうすれば自立できるか、どうすれば貧困から抜け出せるかという問題と真剣に向き合い活動してきました。
こうした活動を行ってきたアクションだからこそ、日本のこども達に対してもできることがあると考え、日本でこどもの「生きるチカラ」を育む活動であるコドリームの運営を始めました。
 
現在、「虐待」や「貧困」に限らず、日本のこども達は日々様々な問題に直面しています。「いじめ」「家庭内暴力」「不登校」「引きこもり」など、こどもだけで解決するのはとても難しい問題ばかりです。そして、こうした問題に直面するこども達は総じて自信を無くしてしまっています。
生まれてまだ10年ほどしか経っていないこどもが、「どうせ私なんか」「どうせ僕なんか」と自分の人生を諦めそうになってしまっています。
 
しかし、どのような境遇、どのような環境であっても、自分の人生を自分のチカラで強く生き抜いていけるこどもを育てることは、私達大人がこども達にすべき使命だと思います。
 
こども自身が諦めそうになっている人生を、諦めずに寄り添う大人がいる場所を作り、共に夢を思い描き実現していけるように、「共に」という意味の「CO-」を付けて、「CO-DREAM」という名前を付けました。
 
私は、「生きるチカラ」とは「自分を信じるチカラ」だと思っています。
自信を無くしているこどもの自信を取り戻し、自信をつけてきたこどもの自信はもっともっと伸ばす、そういった場所になるように、日々こども達と真剣に向き合っています。

コドリーム 
長田