1日1.5回だけ自炊をする異常独身男性(24)が生ごみ処理機を買った話 ~自炊するなら買いなさい~
前置き
コドンです。まさかの2本目の記事を書くことになるとは思っていませんでした。今回は企業案件のように見えて全然そういうことはない、ただの家電レビューになります。以下、常体。
適当な自炊生活
私は料理が好きだ。食べたいもの、美味しいものを自分の好きな味付けで錬成できる。それも大抵の場合は店舗で購入・飲食するよりも安価で済む。
とは言っても料理する元気がなければ外食もするし、揚げ物や餃子などはお惣菜や冷凍食品に頼りきりだ。それに昼食は勤務先の売店で弁当を買っている。そう、自炊率100%を目指す気は毛頭なく、少々楽をしながらも自炊を続けることを重視しているのである。
そんな私の一般的な平日の食生活は以下のようになっている。
朝食: 釜玉うどん、牛乳(自炊?)
昼食: 勤務先で購入した弁当
夕食: 自炊
(朝食は自炊と言えるか怪しいほど簡素なので、0.5回分としている)
最近は自炊にも慣れてきて、お財布事情や自分のやる気、食材の旬に合わせてレシピを選択できるようになっている(かもしれない)。幸運なことに、夕飯に同じ料理が1週間くらい続いても問題ない性格なので、クックドゥなどの大皿料理を作って数日もたせることも可能である。
そう、「その程度」の自称自炊人間(男性/独身/24)がこの記事を書いていることは充分に留意してもらいたい。魚は捌けないし、飾り包丁を入れたり出汁をひいたりもできない。弁当を作る技術もない。その程度のものだ。
自炊での気づき
そんな適当な自炊をやっていて、気づいたことがある。
野菜こそが重要なのだ。
肉や魚は1つの料理に1種類、せいぜい頑張っても2種類だ(刺し盛や焼き肉などの例外はあるが)。それに比べて野菜は2~3種類あるのが望ましい。
カレーやシチューの例を挙げると分かりやすいだろう。
そして肉は様々な部位が既にカットされた状態で売られている。手羽などを買わない限り、捨てる場所は基本的に存在しない。魚については、私自身は捌かないしサバ未満の大きさの魚は買わないので、小さい骨くらいしか捨てない。
一方で野菜は、カット野菜というものは存在しているものの、それは一般的な野菜炒めや肉じゃが等に使うためのミックスになっているものが多い。単一の種類で包装された冷凍カット野菜もあるが、その種類は限られる。そうなると生野菜・キノコ類を使う必要性を否定できないが、それらは皮や根や石づきが付いたまま売られている。
つまり、調理の生ごみは野菜がほとんどを占めることになる。そして野菜は水分が多く(ほとんどが含水率90%以上)、ゆえにゴミ箱の中で腐敗しやすいのである。
特に料理で便利なネギ類は硫化アリルを多く含み、腐敗した時の臭いが凄まじい。これをどうにかしないことには、生ごみの日は毎回臭気を全身に浴びてから出勤しなければならない。これは大問題である。
ならばこまめに捨てればいい。確かにそのとおりだが、私が住む地域の燃やすごみの収集は週2回だ。夏場はどうしようもない。さらに割と大容量の指定のゴミ袋を使わねばならず、どうしても生ごみをある程度まとめて捨てることになる。
そこで私は生ごみ処理機の購入に踏み切った。
邂逅: P(購入場所・サイズ感)
向かった先は最寄りの家電量販店。その場でズバッと現金何某というフレーズが有名な店舗だ。トースターや温泉卵用電気鍋、炊飯器にホームベーカリーといったキッチン家電が並ぶ棚の近くに"それ"が堂々と鎮座していた。
生ごみ処理機パリパリキューブライトアルファ(島産業株式会社)である。購入価格は20000円くらい。温風を当てて短時間で乾燥させるタイプの処理機になる。
生ごみがパリパリに乾くことから、パリパリ→パリ→フランスのような連想で決めたのだろう、挑戦的かつシンプルなデザイン(なお、構造上仕方ないことではあるが、青白赤の横縞はユーゴスラビアの国旗である)。
実際に購入したものがこちら。バリバリキューブの直径は21~22 cmといったところだろうか。家庭用100 V交流電源で作動する。
青と白の部分は一体の乾燥ユニットとなっており、生ごみが入るのは赤い部分。
赤い部分の中に一回り小さなカゴが入っていて、そこに投入する形だ。大きめの三角コーナー1杯分とほぼ同じ容積である。カゴを三角コーナーに使っても良いが、丸くて大きいのでシンクを圧迫しがち。
開かれる、処理機の蓋(使用感)
脱臭炭フィルターをセットしてプラグを挿し、30分ほど試運転すればセッティングは完了。いつでも生ごみを放り込んで乾燥できる。操作自体もボタン2つだけの至ってシンプルな仕様。
そしてラップやアルミホイルなどは前もって除去する必要が……ない。三角コーナーにネットを張っている人も多いだろう。そのネットもろとも乾燥処理にかけられるのだ。スプーン等の食器類が混入しても問題ない。
もちろん、ラップなどは取り除いたほうが乾燥効率は良くなる。
そして気になる稼働音はというと、冷蔵庫のヒートポンプのほうがうるさいくらいである。かなり上質な静音サーキュレーターと同等以上の静音性ではないだろうか。
そして排気はというと、その風を直接吸ってもまったく臭わない。無臭の温かく湿った風が排出される。
最大運転時間は約9時間なので、私は寝る前に運転を開始するようにしている。そうすれば起きる頃に運転がちょうど終わるか、動いていても運転を停止すれば乾燥が終了しているという算段だ。
ここで驚きの生ごみビフォーアフター!と洒落込みたいところだが、絵面があまりに汚くなってしまったのでその画像はお蔵入りにさせていただく。
効果のほどが気になる方は、是非製造元の公式HPで動画を見てほしい。
誇張なく、本当にこのレベルで生ごみが小さくなるのだ。
処理後の生ごみの臭いはどうかと言うと、無臭ではない。
しかし、生ごみ特有のあの臭いは一切なく、乾燥させた野菜本来の匂いだ。
体積も一気に減少する。
パリパリキューブライトアルファを導入したその日から、私は生ごみの重さと臭いと水分から完全に解放されたのである。
私はまだ食べ残しを出したことがないが、残飯の乾燥処理も可能らしい。
ソノ費用、一部出します(助成金)
確かに便利な家電だが、20000円となるとやはり高額である。ファミリー向けの大容量の製品はさらに高い。正直、20000円だったら私は買っていたか怪しいのだが……
なんと購入にあたって各自治体から助成金を受け取れる。
(自治体ごとに異なる。例えば東京都北区は助成金を出していない模様)
私は購入価格の半額分の補助を受けることができた。
まだ承認の書類が届いただけだが、そのうち口座に振り込まれるはずだ。
実質10000円で生ごみの臭いと重量から解放されるなら、"買い"だろう。
申請方法は、購入する前に印刷した書類のうち、1枚を家電量販店の店員さん、3枚を自分が書いて、残り1枚に購入を証明する書類を貼付して市役所に郵送するだけだった。
もちろん自治体によって異なるので、そこは各自で確認してほしい。
なお、予算は年度ごとに区切られているので、そろそろ「予算切れで助成金を支給できない」ということも多くなってくることが予想される。事前に市役所等に電話で訊いておくと確実だ。また、来年度も同じように予算が組まれるとは限らない。購入を検討しているのであれば、急いだほうが良い。
注意点
以上、良いことばかり書いてきたが、もちろん注意すべき箇所はある。
1. 脱臭フィルターの定期交換
乾燥中の臭いを除去する脱臭フィルターは定期的に交換する必要がある。
フィルターの活性炭の細孔が埋まると臭いが部屋中に広がってしまう。
目安は半年程度だが、使用状況によって±3ヶ月くらいの幅がある。
なお、脱臭フィルターは助成金の対象外となることが多いようだ。
そして忘れてはならないのが、使用済みの活性炭の処理。フィルターを廃棄するために分解する際、粉塵が舞う。捨て方は自治体に確認しよう。
2. 相性が良くない・処理できない食品の存在
取扱説明書によると、数ある食品の中に相性が良くないものもあるらしい。
例えば、肉と魚。
これらは乾燥中の臭いがフィルターを通り抜けてしまいやすいとのこと。
また、油脂や糖を多く含んでいたり、ペースト状だったりする食品(カレーやチョコレートなど)はそもそも乾きにくい。これらは乾燥処理前に流水に通すと改善することもあるようだ。
もちろん大きな食品も乾きづらい。小さく(私の感覚では大雑把な乱切り程度で充分だが)切ってから乾燥させるとベスト。一度に処理できる量もそんなに多くない。
そして粉体の食品(加水+加熱をしていない小麦粉や片栗粉など)は絶対に乾燥処理をしてはならない。恐らく内部で粉塵爆発が発生する恐れがあるのだろう。小麦粉は鉄粉よりも爆発しやすく、製粉工場等では実際に事故も起きている(リンクでは死者ゼロの事例を挙げているが、小麦粉やその他穀粉が原因の粉塵爆発による死亡事故は歴史上複数発生している。それらの事故はこの製品とは関係ないので詳細は割愛)。
小麦粉が使われている食品ではなく、あくまでも粉がアウトなだけ。
こうしてみると、やはり水分を多く含む野菜や果物の処理に最適である。
3. 電気代
やはり気になるのが電気代だ。消費電力は150 Wで、一度稼働すれば9時間動きっぱなしである。
ドライヤーと比べると瞬間的な電力は少ないが、毎日・長時間の稼働となればそれなりの消費電力量になる。これは避けられない。
しかし、いくつかの対応策はある。
まず節電モード。乾燥が終了したら自動で止まってくれる便利な機能だ。
そしてタイマー機能。3時間後開始にすることで、深夜電気料金で使える。
最後に生ごみの入れ方。生ごみの風通しを良くすると乾燥しやすくなる。
これらの方法でいくらかは消費電力・電気代を節約できるだろう。
4. 処理機のタイプ
1口に生ごみ処理機と言っても、実はいくつかタイプがある。
この記事で紹介したのは電気乾燥式だ。
生ごみ処理機は大きく乾燥式とバイオ式に二分される。
そして乾燥式の全てとバイオ式の大部分は電気を使う電気式、バイオ式の一部は電気を使わない手動式となっている。
バイオ式は微生物に分解させるタイプで、いろいろと大がかりだったり強い臭いが発生しやすかったりする。一方で、消費電力は低く抑えられるし、分解物を堆肥として使うには優れているものが多い。
乾燥式の処理後のゴミも堆肥の材料に使えないわけではないが、そこそこ手間がかかる。
バイオ式を使ったことはないのでどうとも言えないが、私のような団地やアパートに住んでいる独身のサラリーマンなら、電気乾燥式のものを選ぶのが確実だと思う。
まとめ
この記事では、電気乾燥式の生ごみ処理機について実際に買って感じたことを書き連ねてみた。
特に野菜の生ごみが出やすい人にはうってつけの家電だと思う。自炊における最も大きな課題の1つ、生ごみ関連の問題をほぼ全て解決できるのだ。
稼働時の音や臭いは一切気にならないし、乾燥後の生ごみは本当に軽い。
一方で、いくつか問題もある。相性の悪い食品が少なからず存在するし、処理能力も大きさの割には低く感じられるかもしれない。また、工夫次第で緩和できるとはいえ、それなりに電気代もかかってくる。
そもそも、この家電の存在や利便性、そして購入時の助成金制度を知っている人はあまりいないように思われる。この記事を読んで、ちょっと自炊に便利な小型家電がある、ということを知っていただければありがたい。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。ではまた。
追記
自炊0.5回分の朝食レシピ大公開!
冷凍うどん(電子レンジ調理可能)を器に入れて指定時間レンチンする
袋を箸で突いて穴を開け、そこを起点に袋を剥いて除く(やけど注意)
醤油・白だし・みりん風調味料を適量、生卵1個を割って入れる
よくかき混ぜて刻み葱・いりごま・刻みのりなどをお好みで振って完成
レンチンの間に沢庵や納豆を用意すると良いかもしれない。