修学旅行事件簿 ~特別編~
はじめに
GWも終わり、早くも修学旅行シーズンの幕開けとなった。
いや、遅くも、と言うべきだろうか。実に3年ぶりの本格シーズンだ。
最近は1年生の冬や2年生の春という高校も多いらしい。
私は高校の修学旅行は秋の台湾だったが、もう10年近く前のことだ。
今回は、その修学旅行での貴重な経験を紹介しよう。
事前準備や"映え"関連などは割愛する。
また、一般的に起こり得る体験は下記の記事にしている。
事件: 未知との遭遇
八田與一という人物はご存知だろうか。
台湾の発展に貢献した日本人なのだが、実は地元出身の偉人である。
その縁もあって、彼の数ある功績の代表例である烏山頭ダムを訪れたのだ。
事件はその帰りに起きた。
修学旅行は台湾北部を主に訪問するルートで、烏山頭ダムは南西部にある。
バスでは到底辿り着かない。
台湾高速鉄道、通称(?)台湾新幹線の出番である。
300 km/hで台湾の大地を突き進む高速鉄道。乗り心地は最高だった。
滞りなくダムを見学し、八田與一像に献花後、我々は駅まで戻ってきた。
帰りの新幹線の到着まで40分ほどかかる。改札前で20分ほど解散となった。
そして生徒集団が我先にと向かったのは……Starbucksである。
店内に入らず、近辺でFree Wi-fiにタダ乗りする電波乞食集団と化していた。
一方で当時スマホを持っていない私はその場に留まった。
インターネットに接続できないガラケーを使っている変人だった。
現地ガイドと教師も同じく留まり、色々喋っているのに混ざっていた。
日本からの修学旅行は多いのか、どういった場所を巡るのが定番か、
個人旅行のおすすめスポットは、ガイドになったきっかけは……
他愛もない雑談が弾む。
と、ガイドがいきなり教師の話を遮った。
「アレ見て、アレ」
ガイドは改札からちょうど出てきた初老の男性を見ていた。
派手ながら上質そうなスーツを着こなし、SPのような集団に囲まれている。
「政治家ですか?」
何の気なしに尋ねたところ、予想の斜め上を行く答えが返ってきた。
「アレね。台湾のヤクザの親分。経済も政治もあの人の掌の上」
海外マフィアのトップとの距離、10メートル。
齢16にしてこの体験は衝撃だった。
ガイドは小声で続けた。
「あんまり見ちゃダメヨ。顔を覚えられたら大変」
なるほど、確かに目をつけられてはいけない……
ってガイド!!!!!!!
お前が一番ガン飛ばしとるやないかい!!!!!!!!!
てかいつまでガン見するんや!!!!!!!!!!!!
台湾人は顔覚えられたら余計にマズいだろ!!!!!!!!!!!!!!
これを体験したのは、教師とその場に留まった3名の生徒のみ。
電波乞食共はSNSとソシャゲに全てを吸われていた。
まとめ
高校生がこのnoteを読んでいるとは到底思えないし、高校生だったらこんな駄文よりも教科書や新書を読んでいた方がよっぽど有意義だ。
だが敢えてここで言っておこう。
Wi-Fiはいつでも繋がるが、ガイドの話はその時にしか聞けない。
よい修学旅行を。
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