Schoo教育ラボ「指導者がプログラミング教育を成功させる鍵」受講レポ

今吉@コドナスです。
2019年4月10日にSchooがLive配信した講義「指導者がプログラミング教育を成功させる鍵」を受講しました。
ビジュアルプログラミング言語「Viscuit-ビスケット」開発者の原田康徳さん(@viscuit)と「Springin’-スプリンギン」開発者の中村俊介さん(@nkmrshnsk)の各プロダクトの解説と対談が主な内容です。
https://schoo.jp/class/6022?ref=tw
受講レポをアップします。

お二人は1時間の講義の中で「もう話したいことは話せた」とおっしゃっていましたが、それはあくまでユーザに対してのチュートリアル的な話であってプロデューサの立場での各プロダクトに抱く想いはこの時間では語りきれなかったのではないでしょうか。
また『「Viscuit」と「Springin’」はレイヤーが違う』とおっしゃってましたがそれはbranch(枝)の話で、trunk(幹)は「これからプログラミングを学びたい。でも難しそう。何から始めたらいいかわからない。」そういった声に応える優れたプロダクトです。
「Viscuit」「Springin’」共に直感的なプログラミング言語で「考えるよりやってみる。そして一周回って考えてみる。そしてまたやってみる。」という狙いが内包された印象を受けました。

ー 二つの言語の特性

「Viscuit」は意図的にプロダクトそのものがコンピュータ内部の動きを表現しているように感じました。
「メガネという媒体を通してワークフィールドに配置されたオブジェクトが命令を実行」=「メガネの中のオブジェクトを操作することで、ワークフィールドの中のオブジェクトが動作」しますが、この「メガネとワークフィールドがあえて分けられている意図」は少しプログラムを理解してきた頃、改めてその意味と価値が腑に落ちてくると思います。

一方「Springin’」はViscuitに比べてデザイン思想が強く、よりユーザへUI/UXに対する意識を促す、視覚や感覚などの五感で「モノを創るココロ」を刺激するもので、作品をブラッシュアップし「trial and error」を促すような、良い意味で中毒性を持ったプロダクトだと感じました。

二つの言語に対する所感

ITエンジニアによく「プログラミング」が「手段ではなく目的」となってしまう人を見かけます。
それ自体は否定しませんが、ただサービスを享受する人=ユーザにとって中身がどうなっているか、なんの言語で書かれているかはあまり意味はありません。
よくプログラミングに初めてトライする人に「何から始めればいいか」と質問されますが「目的がなければ最初に始めるプログラミング言語なんてなんでもいい」と伝えています。
何の言語を覚えるのか、その言語にどれだけの費用対効果があるのかを考えるよりも、たとえExcelのマクロでもいいので「自分で作ったものが動くことの楽しさと喜び」を感じることが学びにとって最も大切だと思うからです。
そういう観点で「Viscuit」や「Springin’」は「直感的」であり「創造的」であり「楽しさ」を兼ねていて子供たちが最初に手に取るプログラミングツールとしては理にかなっていてとても素晴らしいと感じます。

プログラミング教育の課題

この講義中に生徒から挙げられた「プログラミング教育」に対する問題提起も興味深いものでした。
特に印象的だったのは「プログラミングという存在をどう日常に浸透させるか」、そのためにも「子供と共に大人もプログラミングを学ぶべきでは?」といったものです。
恐らく今このまま2020年に「プログラミング教育」がスタートしても子供たちが学校で一過的に学ぶだけで成果はほぼ無いのではないかと感じています。
その根拠は「子供を育てる多くの親や学校がプログラミング教育の意義を明確に理解できてない」からです。
そのためにも「Viscuit」や「Springin’」を介して大人がプログラミングに触れてみる。子供と共に学んでみる。そういう機会を増やしていくことが大切です。

また日常に浸透させる打ち手として「プログラミングそのものにリアリティを出す」ことも重要です。
そのために「日常に感じる問題を自ら提起して、それをどう解決するか」を考える教育は価値があるように感じます。
「子供達にいきなりラズパイを触らせるのもいいのでは?」という具体的なご意見もありましたが、実際にラズパイを使って日常のちょっとした問題を解決してみる。
こういう発想はとても共感できます。

最後に

授業の内容もさる事ながら何よりお二人が本当に楽しそうにプロダクトに向き合われていることがとても印象的でした。実際にモノを作った(ている)人の言葉にはやはり魅力がありますね。
「Viscuit」と「Springin’」は引き続きコドナスでも取り上げていこうと思います。

ありがとうござました。



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