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おしょろさあ(お精霊さま)

9日は 長崎原爆の日 そして 私事で恐縮ですが 父の命日でもありました。 
平成16年 夏の暑い日に逝きました。 


8月は鎮魂の月 


広島原爆の日 長崎原爆の日 そして父の命日 御巣鷹の峰 終戦記念日、、、 

日航ジャンボ機墜落事故や先の大戦で亡くなったおびただしい数の御魂と共に帰り来る父の魂を思うとき 
幼いころの迎え火の記憶がよみがえるのです。 

私が幼い頃、母は、お盆が近づくと軒下に提灯を吊るしていました。 

「おしょろさあが道に迷わないように」 


「おしょろさあ」とは 「お精霊様」という意味の方言です。 
火が扱える年頃になるとそれは私の役目になりました。 
ろうそくに火を点けて提灯を伸ばすときがむずかしいのです。 
ちょっとでも周りに触れようものなら燃えてしまうから 
細心の注意を払ってといえば聞こえがいいかもしれませんが 
おそるおそる へっぴり腰 ほんとにこわかったです。 

「飲まず食わずであの世からやってきやっから(お越しになるから) 
ひもじい思いはさせられんが」 
と言いながら 心づくしの料理で仏膳を準備していた母。 

ままごとに使うようなかわいらしい椀に、こんもりとご飯をよそって。 
「仏壇に供えるときは仏さまが食べやすいように 
仏壇と向かい合うように置いてね」と箸の置き方を注意されたり。 


近しい人の魂が帰りくるひととき 
精霊たちの気配に静かに耳を傾けてみませんか。 



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