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【コラム】株で不労所得は得られるか

こんにちは。かけだし社長の小寺です!

最近、世間ではFIREという概念が流行っているようですね。

FIREとは「Financial Independence(経済的自立), Retire Early(早期退職)」の頭文字で、端的にいえば「早期退職して、お金のためにヘトヘトになるまで働く縛りから自分を解放する」というライフプランや概念を指します。

引用:https://miraisozo.mizuhobank.co.jp/money/80216

FIREは、昔のような莫大な資産を築きリタイアするものとは毛色が違い、質素にでも、労働収入から徐々に抜け出していく、という要素も含まれています。

そんなFIREを実現する上で、誰もが一度は思うのが、
「株の配当だけで生きていきたい」
という願望ではないでしょうか。

不労所得を得るには色んな手段がありますが、中でも株の運用は、初心者でも取り組みやすい方法のひとつです。

うまく運用していけば、高望みはしなくても、月20万くらいあれば、FIREにだいぶ近づくかもしれません。

では、月20万を株の配当だけで稼ぐには、実際いくら必要なのか?
今回は株で不労所得を得る方法について、実際にシミュレーションしてみました。

まずは株の利益の種類を知る

株には3種類の利益があります。

■キャピタルゲイン(売買差益)
株を売却することで得られる利益。安く買って高く売る、または高く売って安く買い戻す(信用取引)によって利益を生み出していきます。

こちらはトレンドの勉強、チャートを終始チェックするなど、完全手放しというわけではない(見方によっては労働収入ともいえる)ので、今回は不労所得という観点からは外します。

■インカムゲイン(配当金)
こちらは株を保有している場合に、決算に応じて、年1〜2回配当金が配られるというもの。長期保有することで、収益が得られるため、不労所得になりやすいです。

■株主優待
こちらは商品券だったり、実際の製品だったり、企業によって取り組みも様々です。好きな企業の製品がほしい!その企業のファンだ!という場合には良いかもしれません。
こちらも今回は除外します。

株の平均利回り

今回は、不労所得になりやすい、インカムゲイン(配当金)による配当利回りに絞って考えていきます。
配当利回りは以下の計算式で求められます。

配当利回り = 年間の配当金 ÷ 株価 × 100

例えば、100万円分の株を保有し、年間の配当金が5万円だとしたら、配当利回りは5%ということになります。

配当利回りは、ランキング上位の高配当だと4〜5%になりますが、全体でみれば東証一部で平均2.61%、東証二部の平均は1.66%という数字がでています。
(参照:https://gentosha-go.com/articles/-/27286

配当金で20万を得るには

仮にかなりの高配当、配当利回り5%で運用したとしましょう。

毎月20万の配当金を得ようと思ったら、年間で20万 × 12ヶ月 = 240万の配当金を得る計算になります。

そして、そのために必要な元本は、

4800万 × 5% = 240万

となり、4800万円の運用資金が必要な計算になります。

会社員でコツコツ貯金して、という運用を考えていたとしたら、この金額はちょっと現実的ではないかもしれません。

複利という仕組みを活用する

ただ、複利の力を借りれば、現実味が少し出てくるかもしれません。

複利とは、「元本だけでなく、利子にも利子がつく」仕組みのことをいいます。逆に元本だけに利子がつくのが単利です。

実際に計算してみると、わかりやすいかもしれません。
100万円を単利と複利でそれぞれ5%で運用した場合がこちら。

1年目
(単利)100万→ 105万 (+5万)
(複利)100万→ 105万 (+5万)
2年目
(単利)100万→ 110万 (+5万)
(複利)105万→ 110.25万 (+5.25万)
3年目
(単利)100万→ 115万 (+5万)
(複利)110.25万→ 115.76万 (+5.51万)
・・・

複利のほうが、利子にも利子がつくことで、少しずつですが利子が膨れ上がっていることがわかります。これが複利の力です。

ちなみに「複利」に関しては、かの有名なアインシュタインが、人類最大の発明と称賛しています。

彼がなぜそんな発言をしたのかはわかりませんが、ある種の爆発力を複利の仕組みに見出したのかもしれません。

複利で計算してみる

さて、本題です。

毎月配当20万を得るために、今すぐに4800万用意できなくても、複利の力を借りたらどうなるでしょう。

複利を実現するために、配当で得た利益を、すべて株に再投資していきます。

例) 元手1000万を複利5%で運用した場合

1年目 1050万
2年目 1102.5万
3年目 1157.62万
10年目 1628.89万
20年目 2653.29万
30年目 4321.94万
33年目 5003.1万

33年目で、目標の4800万を超えることができました。
さらにシミュレーションしてみます。

例 ) 元手2000万を複利5%で運用した場合

1年目 2100万
2年目 2205万
3年目 2315.25万
10年目 3257.78万
18年目 4813.23万

今度は18年目で4800万を超えることができました。

複利5%で運用した場合、
10年で元本が1.62倍
20年で元本が2.65倍
30年で元本が4.32倍

になるわけです。まさに雪だるま的に膨れ上がっていきます。

仮に、
30歳で貯蓄1000万をつくり運用すれば、63歳で目標達成。
40歳で貯蓄2000万をつくり運用すれば、58歳で目標達成。
ということになります。

自分の目標とするライフプランにもよりますが、複利の力を使えば、元本×時間のあわせ技で、配当金生活を狙うことも夢ではないかもしれません。

海外投資まで視野を広げれば、配当利回りが5%以上の銘柄もあります。
そうなれば、目標達成はより早くなるかもしれません。

高配当株のリスクも考える

ただ、現実はそううまくもいってくれません。


なぜなら、高配当株は、なぜ高配当なのか?を考えておく必要があるからです。


先程も登場した、配当利回りの計算式。

配当利回り = 年間の配当金 ÷ 株価 × 100

配当利回りが高いということは、
配当金が高い!と思いがちですが、
配当金に対して株価が低い、とも言えます。

株価が低い、ということは、評価が低く、みんなが欲しくない株、いうことになります。
そしてその実態は、業績が悪く評価が低い、もしくは、不祥事で株価が暴落している会社の株になります。(例外もありますが)

配当金を得られるからといって、業績不振の会社に投資することになれば、株価が下がり元本割れするリスクや、配当金の減額という事態にもなりかねません。

中には、配当金ばかり配って、肝心の事業投資に全然お金を回せていない、じり貧状態の会社もあります。

高配当だけに目がくらみ、
会社の業績や実態を見ていないと、痛い目を見ることになるかもしれませんよ、ということです。

株で不労所得は得られるか?

結論、元手があれば十分勝負できる世界だと思います。

銀行などの利率に比べれば、株は確かに魅力的な投資案件のひとつです。
あとは、その元手をどう捻出するかです。

元手を得るために、これから上がりそうな銘柄に投資をして、キャピタルゲイン狙いで積極的に運用していくのもひとつの手でしょう。

ただ、いずれにしても、にわか知識で飛び込むのは得策とはいえません。

僕の知人で株の運用を専門に、生計を立てている人がいます。

彼曰く、

「どんなに理屈をおさえても負ける時は負ける」
「株の運用で必要なのは、金融知識よりも強いメンタリティ」

と語ってくれました。

株の専門家でも負ける時は負けます。
大事なのは損切りラインを的確に判断し、損益を最小限に留ることです。

ただ実際には、身銭がかかると、冷静に判断していられなくなるようですね。その点で強いメンタリティが必要、と語ってくれたのでしょう。

個人的には
・まず正しい金融知識を身につけること
・元手となるお金を稼ぎ出す力をつけること

に尽きると思っています。

金融知識を持ち、資産運用をしている人は、世の中を見ても、まだそう多くはないと思います。
まずは基礎となる金融知識を身につけること。

そして、どこからでも元手を生み出せる「稼ぐ力」をつけることが大事だと思います。お金に対する自信が、心に余裕を持たせ、メンタル強化にも繋がります。

その点、メンタルを鍛え、努力で数字にできるビジネスの世界は、個人的に好きだったりします。

今回は株の配当にフォーカスしてFIREへの道を考えてみましたが、道はひとつではないです。

広い視点を持ち、生きる術を複数身につけておくことは、これからの不安定な時代を生き抜く力になるのではないでしょうか。

以上、株で不労所得は得られるか?についての、個人的な見解でした!

※素人意見ですので、細かな話や正当性についてはご容赦ください

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