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「クリニックの監査対策 続き」

今週もお疲れ様です!

Rehacon365の土曜日担当、氣田(けた)です!


今週は先週に引き続き、「クリニックの監査対策」に関しての内容をお送りいたします。

先週は「厚生局の監査」内容に関してのボリュームが大きくなってしまいましたが、

今週は「保健所の監査(立ち入り調査)」を中心にお送りいたします。

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▶保健所の監査(立ち入り調査)に関して

先週の内容を少し振り返っていきましょう。

クリニックを立ち上げた際、もちろん保健所に申請をします。しかし、立ち上げ時は書面での申請で、実地の監査(立ち入り調査)は遅れて行われるのが通例です。


通常は、クリニック立ち上げ後1年で初回、その後5年毎に実施されます。


ここまでは前回までの流れですね。


▶ 保健所の監査(立ち入り調査)の内容・準備

さて実際、立ち上げから1年経過した際の監査(立ち入り調査)では、どんな内容がみられるでしょう。

クリニックの所在地となっている自治体にこんな資料があると思います。


※例:つくばでのケース

茨城県つくば保健所 医療機関立入検査使用様式

診療所(助産所)用様式

閲覧書類一覧

https://www.pref.ibaraki.jp/hokenfukushi/tsuho/chiiki/tsukuhc/documents/shinryouzyoetsuuran.pdf


事前にダウンロードしなくても、監査(立ち入り調査)の数カ月前に日にちの指定の連絡と共に、このような書類が送られてきます。

正直、ここに挙げられた書類をしっかりそろえておけば、ほぼ問題はありません。

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診療録などは、日々の診療中からしっかりと残すのは当たり前だと思います。

この一覧にはない内容としては、「院内掲示物」に関しては、しっかりと準備しておいた方が良いです。

掲示物の内容としては


・施設管理者/医師名の掲示
・診療時間/休診日の掲示
・届け出のある施設基準の掲示
・自費項目の掲示
・防災責任者の掲示
・手洗いの仕方の掲示(水道まわりに)


といったところでしょうか。

▶ 特に長期的にしっかり準備しておいた方が良い内容

前述した閲覧書類一覧の中でも特にみられる項目としましては

●医療安全
●感染対策

これらに関する内容です。


マニュアル関連の準備ももちろん大切ですが、このあたりは開院時には方針として当たり前にあるべきものでしょう。


長期的に準備がおろそかになりがちなのは、以下の項目です。

●ひやり・はっと/アクシデント報告書
●各項目における研修記録

このあたりは日頃から記録として残すように心掛ける必要があります。

・医療安全に関する研修
・院内感染対策に関する研修
・医薬品に関する研修

このあたりは、製薬メーカーさんが研修資料(DVD)など持っていますので、お昼休みのお弁当会…(!?)、いや、勉強会などを企画していただき、それを記録に残しておくなどが効率的かと思います。


ひやり・はっと/アクシデント報告書は、日頃から些細なことでも書く癖が大切です。ハインリッヒの法則にのっとり、1つの重大事故の背後にある29の軽微な事故、その背景の300の異常(ひやり・はっと)を日頃からスタッフ間で共有することはサービスの質を向上させるためにも大切なことです。

報告書に合わせて、以下のようなレベル・分類も記載すると保健所の評価は高いです。


※インシデント・アクシデントの分類基準~患者への影響レベル基準~

https://www.tondabayashi.saiseikai.or.jp/common/pdf/bekki12.pdf


その他の項目としては、

・防災訓練の記録
・レントゲンの照射録

など、このあたりも大切になってきますので、事前からの記録、準備は必要ですかね。


▶まとめ

以上、クリニックへの保健所の監査(立ち入り調査)に関する内容をお送りしました。

いくつかポイントはあるにせよ、なんというか…


決められたルールにのっとり、日頃からきちんと記録を残しておけば何も問題ないということです。


あとは、100点満点の結果を求めないでもよいかもしれません(最低限は努力、準備しましょう…)。不足している点は保健所の方が教えてくれます。それに真摯に向き合い、指摘された点を追加・修正し、再度日頃より記録を残し続けていけばよいと思います。


本日は以上です。

ではまた!よろしくどーぞ。


Rehacon 氣田和希@Kazuki Keta

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