見出し画像

当グループで活躍している障がい者がどのようなルートで入社に至ったのか。ゴールを見失った障がい者の新たなチャレンジ。

*********************************************** 
【2021年11月4日の投稿】
発達障害研究所こころとのオンラインサロンで閲覧フリーになった過去記事。最新記事はサロンでほぼ毎日公開中。是非入会して応援お願いします。https://cocorotolab.jp/ 
***************************************************

入社後、アセスメントで記憶力がとても良いこと、多動性があるが一つのことにハマった場合、その瞬間からとてつもない集中力が持続することがわかり、高度IT系業務の方向で育成プログラムがスタート。入社3ヶ月で主要プログラミング言語をマスターし、簡単な業務システムを担当できるようになる。

━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼ そのケアが終わった後、どのようなゴールを目指しますか。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
私はこの仕事を始めた2016年、一つ決めていたことがあります。それは、現在の位置から過去を振り返って検証できるよう、全ての情報を記録する、ということです。これはどういうことかというと、例えば、今リアルタイムで高度IT系の仕事をしている障がい者の方は、どういった経緯で才能が開花し、どのような支援を経てその仕事で活躍しているのか、を文字で証明できるようにする、ということです。

これからお話しする事例を先に紹介すると把握できると思います。

特別支援学校では清掃系の仕事をマスターし清掃系の会社へ入社、その会社を3ヶ月で退職、理由は会社に行きたくない、その後別会社の工場勤務を目指し障がい者雇用枠で入社したがまた3ヶ月で退職、理由は仕事が嫌だ。さらに別会社工場勤務で入社するもまた3ヶ月で退職。とうとう「もう仕事はしたくない」、となり引きこもりになる。4年後の23才の時、支援員からの声がけで当グループを見学、当グループを見学する経緯は自宅でPCゲームをやっており、PCも自作していたことから支援員がパソコンの仕事がある当グループを紹介。見学に来て目が輝いたようにいろんな質問をし、面接を経て入社。

入社後、アセスメントで記憶力がとても良いこと、多動性があるが一つのことにハマった場合、その瞬間からとてつもない集中力が持続することがわかり、高度IT系業務の方向で育成プログラムがスタート。入社3ヶ月で主要プログラミング言語をマスターし、簡単な業務システムを担当できるようになる。

今紹介したことは、創業当初からデータを記録してきたことで、今現在から過去までを文字で説明できるのです。これは我々から見ると「カスタマージャーニー」であり、過去の歩みと当グループが引き継いだ後からの育成をマージさせ、一人一人の障がい者のストーリーを完成させていく取り組みです。

本日は、この記録の中で分かりやすく2つの分類に分けて紹介していきます。今子育てをしている方、障がい者を支援している方にとっては非常に有益な情報を惜しみなく提供します。

当グループに入社する障がい者のパターンは大きく分けて2つです。

一般学校を卒業した方
特別支援学校を卒業した方

この二つのパターンは、内容が大きく異なります。それぞれ具体的に説明します。

まず、一般学校を卒業した方。この方々は、卒業までにとても辛い思いをしているケースが多いです。具体的には、発達障害の症状を親御さんに理解されず、親の一言でマインドが低下し、生涯かけて両親を恨む、家庭内暴力、学校での孤立など、18歳までに非常に多くの負荷がかかった状態で過ごします。

幼少期から学童期にかけ、先天性である発達障害の症状を身の回りの方々が理解せず、根性論での対応になることで、マインドがどんどん低下、卒業間近には精神疾患を誘発し、医師の診断により精神障害の認定が出る、あるいは、なんとか卒業はするが、企業へ就職後、他の社員との摩擦が起き社内で孤立状態になる、効率性を考え意見したことが、「この人空気が読めないの?」という具合で除け者扱いにされ、退職することに。それを2、3回繰り返した後、引きこもりになる、という感じです。

このとき、本人は2つの困難に向き合っていることになります。一つは親御さんとの摩擦、いつまで家にいるの?みんな仕事しているのだからあなたも早く仕事しなさい、あなたは発達障害だから人の気持ちがわからないのよ、20代半ばになって家の世話になっている人はいないよ?あなたも早く稼ぎなさい、という言葉を浴びせられます。

もう一つは、コミュニティーの摩擦、友達、会社などで、自分を受け入れてもらえずに、友達がどんどんいなくなっていく、会社のために改善策を意見することが大衆には受け入れられず、誰からも気にかけられない存在となります。

こういう困難な状態にもかかわらず、彼らは必死に改善策を考えチャレンジを続けます。しかし、大衆から見ると自分自身は異質な存在、考え方が全く異なるのです。例えば、大衆は全員ではありませんが「サボる」ことをします。今日やらなくても良い仕事は明日や来週に回したりします。退勤時間の1時間前くらいになると、仕事は店じまい、仕事終わりにどこにいこかなどを考えて過ごしたりします。そんな時、彼らは明日やれば良い仕事を、今時間があるのだから片付けましょう、などという訳です。

経営者から見ると、彼らの意見は正しいし、経営者目線で評価に値します。逆に大衆はサボっているとみなされ、それを経営者が知ると指導に入ると思います。

この2つの困難を何年も乗り越えた後、彼らは身も心もボロボロになります。誰も自分を認めてくれる人はいない、身近な支援者も、自分が不得意な仕事をさせようとする、自分のことを誰も気にかけていないし、本当の自分のポテンシャルを見抜いてくれる人なんて誰もいない、となり、最終的に自宅に引きこもることを選択します。

次に特別支援学校を卒業した方のケースです。

先ほどの一般企業のケースとは全く異なり、幼少期、学童期からとても恵まれた生活を送ります。親御さんもとても理解があり、生涯かけて自分のことを守り抜く、という決意のもと育成をしてくれます。

学校側も、全面的に受け入れ体制が整っており、障がいの種別ごとに手厚いケアが提供されます。また学校、親御さんのコミュニティーも充実しており、いろんな相談ができる体制が自治体レベルで確立され、地域ごとに議員を巻き込んだ支援体制が整っています。

就職も各企業の障がい者雇用枠を最大限に活用し、工場勤務、清掃、ピッキング、農業など、規模が大きな企業の受け入れ態勢が整っています。

このようにとても充実しているケア体制の中、軽度の障がいの方、発達障害傾向の方は事情が異なります。卒業までは充実した時間を過ごすわけですが、卒業後の就職で失敗が続きます。発達障害傾向の方であれば、興味本位で工場の機械を操作し商品を破損する、それによりケガをするなどでその担当から外されます。また、社員との摩擦が起き、問題が大きくなることで退職してしまいます。

特別支援学校を卒業した方の中で、与えられた就職先で何年も頑張っている方も多く存在します。しかし、その仕事に面白みを感じない、多動によりそもそもその環境で受け入れることができなくなってくる、などで退職を繰り返す発達障害傾向の方々が、近年発達障害の増加とともに増え続けています。

今ご紹介した内容は、私が全ての障がい者を面接した中でヒアリングした内容です。この2つのケースは内容が全く異なりますが、共通する部分は、現在彼らは当社で大活躍しているということです。

2つのケースが交わるポイントに当グループの存在があります。当グループは、各地域の特別支援学校、支援機関、自治体機関へアピールをしており、高度IT系業務の実績と、本日ご紹介している障がい者が活躍している情報を定期的に伝えていることから見学希望が多く集まります。この活動により、状態が悪くなった障がい者の方々に光を当てることができます。

当グループに集まった障がい者は、今までの辛い思いをヒアリングした後、才能開花の特別プログラムを実施し、200種類以上の仕事の中で大活躍することになります。

この結果は、いろんなところへ活かすことができます。特に、特別支援学校では、早期に才能開花できる環境であると考えており、進路指導の先生にさまざまな提言をしております。しかしこの事実に目を向ける方はほとんどいません。その理由は、今、目の前の支援で精一杯である、ビジネスの世界で活躍するイメージができない、と思っております。

過去がどうであれ、当グループに入社後は、全員活躍している事実、これをどう見るかです。当グループが光を当てられる方々は全体のほんの僅かということです。つまり、ほとんどの方々は光を当てられることもなく、チャンスを奪われ、先の見通しができない状態で暮らしているということです。

我々だけが成功すれば良いとは思っていません。我々が支援できる方々は僅かだという事実に対し、さまざまな活動を進めています。「こころとアシスタントサービス」「こころとアノテーション」などは、障がい者の才能を社会へ証明する活動であり、「障がい者人材マネジメントサービス」は、企業の中に入り、障がい者が能力発揮できる体制づくりであり、「オンラインサロン」は障がい者が輝けるよう、障がい者の商圏を作り、企業、大学研修者などがその才能に早期キャッチアップできる仕組みを作っています。

本日ご紹介したような情報を今後も惜しみなく提供します。みなさんはこの事実を見て、何を考えるか、どう行動するか、私と一緒に社会の仕組みを変えていきましょう。

▼発達障害者の能力をビジネスに活かす取り組みを行うオンラインサロン(ほぼま毎日投稿)はコチラ↓

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?