発達障害の情報、その情報は根拠を示しているのか
発達障害児とそのご親族を取り巻く環境の中で、さまざまな情報が入ってきます。ルートとしては、身近な同じ境遇の方、役所の方、子供の定期検診の際に会う保健師、医師、そして、医師の指示により判定を行う臨床心理士。このルートに、各種SNSや情報サイト、あらゆるチャネルの情報が瞬時に入手できる現在、これらの情報を精査し、判断し、取り入れるべき情報が何かを決断する、というアクションがとても重要です。なぜならば、情報一つで不安になりマインドが低下することや、アクションを躊躇することもありうるからです。情報をいかに有効活用するか、そして当グループで、発達障害児判定をどのように扱うのか、について説明します。
SNSは、個人や資格保持者、メディアなどさまざまな立場の人たちが情報を発信しています。これらの情報は、大きく分けると、根拠を示している情報と示していない情報、肯定している情報と否定している情報があります。中立の立場で情報を発信しているメディアもありますが、中立の根拠が曖昧な場合があり、情報をよく見ると先ほど示したどちらかに属しているケースが多くあります。このように各情報源を良く理解し、自身に必要な情報を正しく入手することがとても大事です。
しかし、自分の子供が発達障害児判定を受けた場合の動揺と、周りに相談できる人がいない不安で、入ってくる情報に目を向けてその情報を信じてしまう気持ちはよく分かります。ここでは簡単な情報の精査方法について書いてみます。
先ほど示した4つのパターンをマトリクスにすると
根拠を示している 肯定している
根拠を示していない 否定している
このマトリクスを作っておいて、情報が入ってきたらそれぞれを入れてみます。
非常に判断しやすい要素ですので情報源を調べます。その情報は誰が言ったのか、事実なのか事実ではないのか、そして、肯定している記事と否定している記事をマトリクスに入れていき情報の精査をします。これにより、情報一つで焦ったり、不安になったりすることはなくなります。
発達障害児判定を受ける、という情報もマトリクスに入れてみるとどうなるか実施してみると良いです。そもそも判定を受けるということはどういうことなのか、誰が決めたのか、判定を受けた場合、その判定の根拠は何か、判定結果に妥当性はあるのか、を考えてみるのも良いと思います。
当グループでは、発達障害者を200名雇用し毎日支援データを記録し才能開花を進めていますが、雇用したときに最初に実施するのが「基礎アセスメント」です。
育成プロジェクトの3つの取り組み
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000069159.html
この基礎アセスメントでは、47項目の独自開発したヒアリング項目を中心に障がい者のポテンシャルを確認します。そのアセスメントの中には、診断結果について触れている項目があります。この項目では医師にどのような診断結果を示されているのか、あるいは診断結果は出ていないけど、医師や保健師から発達障害の傾向があると言われているなど、グレーも含めた判定情報についてヒアリングします。
その診断結果とヒアリングを元に、過去のその方の生い立ちから成長に至る過程を順番に確認します。確認項目としては、出来事、その時の感情、この2点を確認します。これにより、診断結果の内容が本人の状況と合っているのかをみることができます。これらのアセスメントの過程で、診断されたことに対して「自分には発達障害の症状があるのか」や、「自分には精神障害の症状があるのか」といった思い込みで自信を判断していることが多くあることがわかりました。
当グループのアセスメントでは、診断結果とは異なる「独自の判定」を行います。具体的には、精神障害者と判定された方の場合、アセスメントでは発達障害者の傾向に似た能力があることがアセスメントでわかることが多くありました。当研究所では、このように判定結果を鵜呑みにせず、独自のアセスメント視点でその方の能力に着目したアセスメント結果を導くことで、その後の育成で重要になる、インサイト分析、才能開花アセスメントで、スキルを確定させます。
これらは、目的を設定していることで実施できています。ビジネスの現場で障がい者の方々がどのような職種でどのように才能を発揮するか、それを実現するためには、どのような判断結果によりどのようなサポートが必要なのか、それらの根拠を証明するためにはどのように定量的にデータ化していくのかを徹底的に実施しています。これこそが当研究所が進めている障がい者をビジネス視点から一気通貫で道筋を示す、そのための情報を提供することにつながっています。
発達障害児を育てているご親族の方には、出口としてのビジネス視点の情報が必要です。なぜならばいつか仕事をする日が来るからです。そこをゴールに設定する、ということが重要で、それができた後は逆算して今何をすべきかを定義していきます。子供の育成の過程でさまざまな情報に触れ、権威のある人に判断されるケースがあると思いますが、目的を見失わないよう進めていけるよう、当研究所がこれからも根拠のある一次情報を発信していきます。
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