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才能開花には「国語力」と「数学力」と言っているのに「国語力」がない発達障害者の方が能力発揮していることについて

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【2021年10月21日の投稿】
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この方をMさんと呼びます。答えから言います。Mさんは仕事をする喜びを求めているのです。仕事ができるだけで嬉しい、自分を求めていることに感謝、自分を必要としていることが嬉しい、そして、自分のやりたい、能力が発揮できる高度IT系の仕事ができている、これにより先ほど書いたようにどのような状況になっても、怒ることはなく、常に前向きに進めることができるのです。

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▼ 自分がやったことを否定されても、それを楽しめる発達障害者の話
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よく、自分の価値観とは違う話をするとすぐに怒ってしまう方や、必死に自分がやってきたことをいとも簡単に解決法を教えられると、それを受け入れられず怒ってしまう、そんな方を私は何度も見てきました。

当グループで働く発達障害者で、この真逆の方がいます。つまり、否定されても怒らない、自分が一日かけて調べたものに対し、別の方法で調査指示しても怒らない、このような方です。普通、少し機嫌が悪くなったりしますが、なぜこの方は機嫌悪くならないのでしょうか。

この方をMさんと呼びます。答えから言います。Mさんは仕事をする喜びを求めているのです。仕事ができるだけで嬉しい、自分を求めていることに感謝、自分を必要としていることが嬉しい、そして、自分のやりたい、能力が発揮できる高度IT系の仕事ができている、これにより先ほど書いたようにどのような状況になっても、怒ることはなく、常に前向きに進めることができるのです。

これは、「障がい者の仕事」という切り口で考えると一つのヒントです。実は、これこそが私がずっと言い続けている「障がい者をビジネスの視点で考える」ということです。Mさんは、事実、クライアントの仕事をしており会社に売上をもたらしています。それを本人もわかっています。つまり、自分が能力発揮できる仕事をすることで、会社の利益に繋がっているということをわかっているということになります。

そして、その利益はどんどん増えていく、単純作業ではない、役務サービスなのでクライアントからの依頼がどんどん増える、それにより利益がどんどん増えていく、これがMさんにとっての貢献感です。貢献感が増えると幸福度が上がりワークエンゲージメントも向上するという流れです。これはMさんだけではなく、雇用している全ての障がい者が共通して実感することです。

さて、本日の記事タイトルの話に移ります。

このMさん、能力は非常に高いのですが、国語力が弱いのです。少し詳しく書くと、文字を読んで状況を理解する能力が弱い、クライアントからの指示書に作業目的、内容、手順が書いてあっても、その目的、手順を理解できず誤った方向に仕事を進めてしまいます。雇用当初は、Mさんの対応に苦労しました。文章を噛み砕いて口頭で説明しても「わかりました」と言いますが、実際は間違った理解をしていました。何度が試行錯誤した結果、ある手法を見つけ出し、それからMさんはスムーズに仕事ができるようになり、方向性が間違うこともなく仕事を進められるようになりました。

その手順とはどういうものか、単純です。説明の順番を設計してあげるだけです。

我々は、障がい者の方々へ仕事を依頼する場合、その仕事の目的、重要性、納期、作業手順などを事前に説明します。仕事をする上でとても重要なことです。特に、目的、重要性はしっかり説明するようにしています。Mさんは、早く仕事をしたくてたまりません。そのため仕事が来るとすぐに着手してしまいます。それに仕事のスピードが猛烈に速いのです。私もエンジニアなので作業内容は理解できますが、私が見ても仕事のスピードはとても速いと感じています。つまり、仕事がきて嬉しいので早く仕事をしたい、という気持ちになるのです。

ここを工夫することにしました。

Mさんは受けた仕事をさっとこなす、なのであれば、仕事を細切れに渡せば良い、という仮説をたて実際に検証してみました。これがバッチリハマりました。

まずは、仕事を進めるための環境整備、基本的に障がい者自身が調べて自分でPCの環境構築を行います。ここでは環境構築の前の調査だけを依頼します。調査結果が出たあと、環境構築の打ち合わせをしてそれを実行してもらう、このように仕事のフェーズを細切れにすることで、Mさんは仕事の成果をどんどんあげることができるようになりました。

人の価値観は小さなものです。他人の価値観や情報を受け止め、それを自分の改善に活用する、このMさんから私は教わりました。

このような活動を毎日行っています。

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