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ALS (筋萎縮性側索硬化症)の方を育てている母親がビジネス視点を持つようになったある出来事について

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【2021年10月30日の投稿】
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「あなたが実現してあげるのです。あなたがご自身のお子さんの才能を形にしてあげるのです。やり方は簡単です。いますぐappleストアへ行って、ガレージバンドを習ってください。macを買えば音楽ソフトのガレージバンドが入っています。そのソフトをあなたがマスターして、お子さんが奏でる音楽を形にするのです。それを全世界へ配信するのです。CDを作れば必ず売れます。あなたがそれを望むなら私は全面的にサポートします。」

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▼ あなたの話は発達障害者以外は社会で貢献てきないということですか?私の子供は全身の筋肉が動かない難病です。この子はどうなるのですか?
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視点を変えることでパラダイムシフトが起こったある難病のお子さんを育てている母親とのエピソードをご紹介します。

高等専門学校での講演依頼があり、私は九州へ飛びました。会場では「障がい者支援の最先端取り組み」というタイトルのイベントが開催されており、高等専門学校の教諭の取り組みや、企業の取り組みを紹介していました。そのイベントで当グループの「障がい者の才能をビジネスで活かし社会へ貢献する」という内容をお話しました。

講演が終わった後、質疑応答がありました。とても斬新な取り組みでしたので、さまざまな質問がありました。質疑応答が終わり休憩時間になりましたので、私は壇上から降りたところ、最前列にいた車椅子に座っているお子さんの母親数名が私を囲いました。

そして、

「あなたの話は、発達障害者以外は社会で貢献てきないということですか?私の子供は筋肉が収縮する病気ですが、この子は社会で貢献できない、私はそう認識しました」

と、とても怒った表情で私を睨みつけてきました。5分くらいそのような苦情を聞いていた私は、車椅子に座っていた高校生の男の子のところへ行きました。そして、その横で私に文句を言っていた母親へ、

「どのようなご病気ですか」
「ALSで、体の筋肉が動かないので話すこともできず、ずっと車椅子生活です」

私は、その男の子へ質問しました。

「好きなことは何ですか?」

ALSのため話をすることができませんが、母親はその子の目を見れば何を言っているかがわかるというので通訳してもらいました。

「音楽が好きだと言っています。」

「その音楽はどんなジャンルですか?ジャズとかクラシックとか、好きなジャンルは何ですか?」

すると、母親から

「ジャンルは無いと言っています」

「?ジャンルは無いとはどういう意味でしょうか」

すると

「音楽は無いと言っています」

と続きます。私は少し考えました。音楽が無いとはどういう意味なのか、必死でその男の子の考えていることをイメージしてみました。

「でも音楽は好きなのですよね」

「はい、と言っています。

私は、なんとなくイメージができました。

「その音楽はどこから聞こえてきますか」

「車に乗っている時、と言っています」

「車の中で流している音楽のことですか」

「違うと、と言っています」

これで私は確信が持てました。次の質問からはその確認の答え合わせです。

「その音楽はいつも違いますか」

「はい、と言っています」

「晴れている時、雨の時、気分があまり良く無い時、それぞれ音楽が違いますか」

「はい、と言っています」

私はこれで彼の才能を理解できました。
彼はコンポーザーなのです。つまり、作曲家、音楽を作る人のことです。体が動かない分、感覚が一部に集中しその感覚が研ぎ澄まされ、それが才能となっているのだと理解しました。

その会話の後、何が起こっているのか状況を理解できていない母親へ説明します。

あなたのお子さんは天才です。その才能を活かせる場は音楽のジャンルです。職種はコンポーザーです。このスキルは十分社会に貢献できますし、ビジネスとして成り立ちます。と伝えました。すると、

「本人は体が全く動かないのにどうやって曲を作るということですか?」と、また少し怒って私に言ってきました。
私は、母親の目を見て

「あなたが実現してあげるのです。あなたがご自身のお子さんの才能を形にしてあげるのです。やり方は簡単です。いますぐappleストアへ言って、ガレージバンドを習ってください。macを買えば音楽ソフトのガレージバンドが入っています。そのソフトをあなたがマスターして、お子さんが奏でる音楽を形にするのです。それを全世界へ配信するのです。CDを作れば必ず売れます。あなたがそれを望むなら私は全面的にサポートします。」

この会話の後、母親集団は私に文句を言うことはありませんでした。

環境を変えると視点が変わり、結果が変わります。
これは当グループが進めている才能開花の一部です。

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