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テレビドラマで心理学

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テレビドラマは「心のしくみ」を学ぶのにぴったりのコンテンツ。 登場人物がなぜそんな「ドラマ」を作り出すのか、「心のしくみ」という視点から心理セラピストが紐解きます。心理学に全く興… もっと読む
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死の受容 - 今週のおかえりモネから -

ああ、りょーちん...心の糸が切れかかっている….。 気がかりがついに現実に(いや、ドラマの中での話ですが!) ■ 全部やめていいかな金曜日(8/27)の「おかえりモネ」。 主人公モネの親友、亮が築地に用があるから、と船にのって東京へ遊びに来る。 ところが深夜の母親から気仙沼に戻る船に乗っていないと電話が。 その後、モネからの電話に出たりょーちん。ひとこと 俺、ぜんぶやめていいかな。 俺、モネにしか言える相手いない といってまた電話をきる。 その数日前。 震災で行方

気がかりな「りょーちん」 ー 心のしくみから先週の「おかえりモネ」(それでも海は)を解く

先週の「おかえりモネ」で浅野忠信演じる新次の飲酒のエピソードを通じてトラウマと依存症について触れましたが、もう一人メンタルヘルス的に気がかりなのは新次の息子「りょーちん」こと亮(永瀬廉)。 気がかりなのは、亮がとっても「いいこ」だからです。 というわけでこの話引きずります〜。 前回はこちら 気がかり1:依存症の父のケアという重荷酩酊状態になった父に、母の十八番だった「かもめはかもめ」を歌って自分の大漁を一緒に祝おう、と叫ぶ亮。 ドラマには描かれていない彼の高校時代を想

依存症への理解 - 今朝の「おかえりモネ」から。

今朝(7月8日)の「おかえりモネ」。 震災の喪失感、を描いた素晴らしい回でした。 そんなわけで、久々にnoteを書いています。 特に私が心を動かされたのは 「アルコール依存症」という状態に対して とても深い理解から描かれていたということ。 見たことのない方のために、補足しておくと 「おかえりモネ」の舞台は気仙沼。 今日は震災から5年ほど経ったある日のお話し。 震災で妻と船を失いその苦しさから アルコール依存症になった元漁師の新次(浅野忠信)。 断酒を試みるも、再び酒に