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2022年5月7日

今日のココ日(ココルーム日記)

みやうーさん、今日は12人分のイタリアンリゾットを古米で作るという。さあ6合の古米を用意しよう。ダンボールの中から袋に入った古米を探る。今日の古米はこれだ。

「やっと外に出られるわい…古米と言われてかれこれ何年…超ビンテージ米って言ってくれる人もいるけどね…」

みやうーさんから教えてもらって、古米を手で精米。一握りの古米をザルに入れて、手で擦り込む。そうすると、古米についた余分なぬかや、穀蔵虫が取れるらしい。だいぶ水分が抜けた古米は、よく見ると小さなひびがたくさん。少し擦り合わせるだけで、粉々になるものもある。茶色くなった米も目で見て取りのぞく。一回の精米では落ちきらず、もう一回。みやうーさんによると、しっかり精米をした古米をオリーブオイルで炒めてオイルでコーティングすることで、古米独特のくさみやパサツキがやわらぐらしい。
精米しながら、思った。私は古米を手で精米するのが好きだな。手に米がざらざらあたる感覚、そうやって食材に向き合う時間のように思った。

イタリアンリゾットにいれるグリンピースを4人が集まってサヤから出した。1人が言う。
「お豆ってかわいいねえ。」
それに続いてもう1人。
「ほんと、かわいいよねえ」
「そら豆なんて、ふわふわの中にはいっていてねえ」
「グリンピースもサヤのなかに4つも並んで…」
「あっ、ころころ転がった〜」

白いおかゆに緑のグリンピースが水玉模様みたいに浮かんで、食べてみるとスープのだしがじわあ…と口に広がる

「ふおおお!!」

お米を通り越して、新しい穀物の食感。白インゲンのスープと合わせてもおいしい。豚肉を5年ものの自家製塩レモンでマリネしたものと白インゲンを低温でじっくり煮込んだスープは、お豆のコクとレモンの酸っぱさが爽やかにマッチ、沁みる味。香ばしいシラス、濃厚なほうれん草のキッシュ、それからラディッシュとレタスのサラダに効いたすりおろしたニンニクの味。

今もほのかに口の中でニンニクの味が残って、わいわい食べたあの時間を思い出す。

(書いた人 ふうゆ)

現在、ココルームはピンチに直面しています。ゲストハウスとカフェのふりをして、であいと表現の場を開いてきましたが、活動の経営基盤の宿泊業はほぼキャンセル。カフェのお客さんもぐんと減って95%の減収です。こえとことばとこころの部屋を開きつづけたい。お気持ち、サポートをお願いしています