佐野元春

私的ラジオスーパースター烈伝⑫佐野元春

今回は1978年11月23日から1987年3月20日までNHK-FMで放送された音楽番組「サウンドストリート」(サンスト)の月曜担当だった佐野元春さんのご紹介です。サウンドストリートの放送時間は、毎週月曜日 - 金曜日の22時で、元春さんの前任者は松任谷正隆さんでした。

私は月曜・佐野さん、火曜・坂本龍一さん、水曜・甲斐よしひろさん、木曜・山下達郎さん、金曜・渋谷陽一さんの頃にもっとも熱心なリスナーでした。まだ深夜放送には手を出していませんでしたが、両親が21時には寝てしまう生活をしていたので、それ以降の娯楽はもっぱらラジオでした。

なんでサンストを聞き出したのかは記憶が定かではないのですが、おそらく中学生のころにはまった「スネークマンショー」がきっかけだったかなと思います。この特集を組んだのは元春さんではなく、渋谷さんだったのですが、いつの間にか全曜日を聞くようになっていきました。

元春さんの回で印象深いのは、放送途中で渡米された元春さんが現地で録音した放送を流していた時期ですね。元春さんは1980年4月に渡米していますが、ニューヨークでアパート生活をしながらクラブシーンのミュージシャンや前衛の映像作家などと交遊関係を築き、現地のミュージシャンとともにラップを取り入れながらもそれをとりいれた「新しいサウンド」で新曲をレコーディングし、アルバム「VISITORS」を製作しました。

「VISITERS」は、数曲でラップを取り入れたことや、前作までのナイアガラ系に通じるサウンドから一変したことで、賛否両論が巻き起こったもののオリコンで1位を記録しました。メジャーレーベル系ミュージシャンとしては初の日本語によるラップとして扱われることもあります。

同世代にはラップを嫌う層も結構いるんですが、私個人は「VISITERS」はとても好きなアルバムだったので、ラップも非常にすんなり受け入れられました。それは今でもそんなに変わっていないんですね。多感な時期に影響を受けたという意味では、佐野元春というミュージシャンとの出会いは、私にとってとても大きかったと思っています。

佐野元春


両親2人の介護を一人でやってます。プロレスブログ「せかぷろ」&YouTube「チャンネルせかぷろ」主宰。現在ステージ2の悪性リンパ腫と格闘中。