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[映画鑑賞記] グリッドマンユニバース[久々復活]

どうしても書かずには



介護とがんの二刀流がはじまってから、アニメの感想文は放置していたけど、どうしても書かずにはいられない作品がでてきてしまった!

それがグリッドマンユニバース!

テレビシリーズ「SSSS」シリーズ二作を受けての劇場用映画が本作である。

最低条件


したがって最初にグリッドマン&ダイナゼノンの履修が、この映画を楽しむための最低条件ではある(テレビ版の再編集映画も公開済み:こちらは未見:なお、TVシリーズは全話完走!)

しかし、その履修は決して無駄ではないということはいっておきたい。

外連味の塊!


ひとことでいうと、「グリッドマンユニバース」は「外連味(けれんみ)の塊」!!これにつきる!

「外連(けれん)」は本来演劇、特に歌舞伎でよく使われる用語で、例えば綱渡りや宙乗りなどで観客を沸かせるものを指す。

正統派の芸ではないのだが、「歌舞伎にとっては”見せる”という、大切な要素を受け持つもの」でもあるため、「けれん味がある」は良い評価で使われることが多いと思われる。

これをグリッドマンユニバースにあてはめたら、まさにピッタリというほかない!いや、私はピッタリだと断言したい。

以下、くどくどとその理由を述べてみたい。


普通は破綻する



青春、恋愛、ヒーロー、巨大メカ、ミステリー、実写・・・これだけの要素すべてを二時間にぶちこんだら普通は破綻してしまう。

それぞれ一つずつ語ってもいいし、そっちが王道だろう!

だが、グリッドマンユニバースにはその全てがつまっていた。

共演=外連



その上、ダイナゼノンとグリッドマンが、スクリーン所せましと暴れまわるわけである!テレビシリーズでは共演が果たされなかった夢の共演というやつである。

ヒーローの共演というのは、ある種テレビではやらない映画という小屋でしか許されない外連のようなもので、劇場に言ってお金を出してみるに値するエンターテインメントだと思っている。

シン・仮面ライダーとの比較


比較して申し訳ないのだが、シン・仮面ライダーにはひとつ大事なところが抜けていた。

それはダブルライダーがそろった瞬間が、劇場ならではの「イベント」になっていなかったのである。

いや、原作準拠だとあれでもいいのだ。私はそう思いたい。シン・仮面ライダーが決して嫌いなわけではないからだ。


テレビ版はエモかった



だが、テレビでは桜島という舞台も相まって、ダブルライダーの出現は今風に言い換えると「エモい」シーンだったのだ。

Wライダーの登場は、それこそ時代劇のノウハウを存分に特撮へいかした東映ならではの絵作りだったと思う。

対してグリッドマンの原作である特撮版「電光超人グリッドマン」は、グリッドマン単体しかヒーローがでてこない。

したがってウルトラ兄弟やダブルライダーのような複数ヒーローのそろい踏みは不可能だった。

「SSSS」ならば!



しかし「SSSS」シリーズとしてダイナゼノンまで描き切ったアニメ版だとそれが可能になる。

っていうかそれが見たくて映画館行ったんだし!そしてその期待を大きく上回る内容でこたえてこれたのが「グリッドマンユニバース」なのである!

私は、もしかするとシン・仮面ライダーにもどこかで「東映まんがまつり」のようなノリを期待していたのかもしれない。

でも、現実庵野監督は外連味を捨てて、王道の仮面ライダーを撮った。それは決して間違っていない。

熱量とサービス精神



しかし、グリッドマンユニバースの全編からあふれ出る過剰なまでの熱量とサービス精神は、シン・仮面ライダーが「あえて」外したところをすべて表現しつくしていた!

そしてもう一つ注目したいのが、シン・仮面ライダーを製作した庵野監督の会社「カラー」と、グリッドマンユニバースを作った会社「TRIGGER」の関係性である。

もともと両社はGAINAX(ガイナックス)という会社から独立して、現在に至っている。つまり源流をたどれば同じところに行くつくのである。

お祭り映画



グリッドマンユニバースを作った雨宮監督は、パンフレットのインタビューで同作を「お祭り映画」と呼んでいた。

特撮版「グリッドマン」が作られた1993年には、すでにヒーローものが「お祭り」として劇場で見られるという文化は衰退していた。

だから、ウルトラマンやゴジラ、仮面ライダーらが通ってきた「お祭り」をグリッドマンというコンテンツは体験していない。

しかし、「SSSS」シリーズの人気によって、ダイナゼノンが作られ、グリッドマン生誕30周年にあたる2023年に、グリッドマンのお祭り映画が、仮面ライダーの向こうをはって劇場にかかっている事実は、動かせない。

イラストは


これって相当にエモいと私は思っていたし、そのグリッドマンがシン・仮面ライダーがあえて表現しなかった「お祭り」をこれでもかというほど見せてくれたのである。

これはまさに王道に対する外連だし、その外連がお祭りには必要だったということを「グリッドマンユニバース」は語りかけてくれるように思えるのだ。

なお、イラストは実写化した新城アカネ(登場人物)をイメージして描いてみた。

参考にしたポーズはフィギュアのまんまなんでなんか変だけど、久々にファンアートを描いてみたくてこうしました。














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両親2人の介護を一人でやってます。プロレスブログ「せかぷろ」&YouTube「チャンネルせかぷろ」主宰。現在ステージ2の悪性リンパ腫と格闘中。