死者と暮らす〜いつも愛に包まれて〜
今、必要な「死生観」
ご訪問ありがとうございます。
「看取り士メイコさんの介護日誌」の作画を担当している奥敬子です。
いきなりですが、あなたは「死」について考えたことはありますか?
先の見えない不安を多くの人が抱える今。
突き詰めていくと恐れていることは「死」ではないでしょうか。
コロナにかかったら死ぬかもしれない。
お金がなかったら生きていけない。
孤独だと死んでしまいそう。
その不安から目を逸らすのではなく、かといって悲観して不安を感じ続けるのでもなく、私たちがこれからの時代を自分らしく生きていくために必要なことは何か?
その一つが「死生観」であると考えます。
死生観とは「生きること死ぬことについて、判断や行為の基盤となる考え方。生と死に対する見方。」です。
誰にでも必ず訪れる「死」をどう捉え、受け入れて生きるのか。
看取り士メイコさんの提案する「死者は私たちと共に在る」「天国とはあの世ではなくこの世で感じる世界」という世界観では、もう一度会いたい大切なあの人と共に在ることは、当たり前の日常です。
2020年3月に私の実父がこの世を去ったのですが、その時に感じたのは「肉体は死んでも人の精神は死なない」ということでした。
父の精神はいつも私と共にあり、以前よりもっと近くに感じながら共に生きています。
その体験からメイコさんが伝えてくるメッセージに以前よりも深く共鳴し、イラストを描くようになりました。
そして、そんな幸せな死生観をぜひ多くの方に伝えていきたいね、と山口明子さんと話していくうちに、新たな企画が出来上がりました。
看取り士メイコさんの死生観をより臨場感をもって伝えていくために、ストーリー、イラスト、音楽と3つの要素を結集し、「死者と暮らす〜いつも愛に包まれて〜看取り士メイコさんの介護日誌番外編〜」を動画としてみなさんにご覧いただきます。
このページの後半で動画を公開していますので、ぜひ最後までご覧いただけると嬉しいです♪
山口明子が「死者と暮らす」に込めた想い
みなさん、こんにちは。
「看取り士メイコさんの介護日誌」原作者の山口明子です。
私が「死とは何か?」と初めて考えたのは、4歳の時でした。
近所に住む友達のトモちゃんのおばあちゃんが亡くなりました。
当時は、まだ家でお葬式をしていました。
トモちゃんの家から黒い服を着た大人の人たちに混じって、トモちゃんが出てきました。
偶然、祖母と一緒に通りかかった私を見つけて、
「あ。あっこちゃん」
トモちゃんが笑いかけてくれました。
私も、トモちゃんに手をふって応えたとき、祖母に注意されたのです。
「葬式で、そげん笑うてから」
(お葬式では、笑っちゃいけないんだ)
(でも、なんで?)
その時から、祖母に何度か
「人は死んだら、どがんなると?」
と聞いたことを覚えています。
「寝とっときと一緒さ」
と祖母は言いました。
それから周りの大人たちに何度たずねても、納得できるような答えを聞くことはできず、私は夜になると一人で
「死ぬとは何か?」
「死んだらどうなるのか?」
「大好きなおばあちゃんも、トモちゃんのおばあちゃんのように、そのうち死んでしまうんだ」
いろんなことを想像して、一人で怖くなって泣いてしまうこともありました。
幼稚園に行き、小学校に行き、中学、高校、大学と教育を受けてきましたが、4歳のときから考えていた
「死ぬとは何か?」
「死んだらどうなるのか?」
を知っていそうな先生に会うこともありませんでしたし、授業で取り上げられることもありませんでした。
大人になって一度も使うことのない、難しい数式や英語の文法や歴史の年号をたくさん記憶し、試験を受けて大学も卒業しましたが、
「私の知りたいことは、これじゃない」
という気持ちと、
「生まれたからには、いつかかならずやってくる『死』がわからなくて、どうして大人は気持ち悪くないんだろう?!」
と、不思議を通り越して、少々イラつくような気持ちが、いつも私の中にありました。
そんな私も大人になり、介護の仕事をしたり、祖父母を見送り、出産や子育てもしてみて、
「死を考えることは、生を考えることだ」と
生きることは、死ぬことを抜きに考えようがないとますます思うようになりました。
今年、世界にコロナという今まで体験したことのないウィルスがやってきました。
「コロナは孤独な病だ」
と、テレビで医療者の方が話していました。
たしかに、罹患すると、お見舞いもできませんし、亡くなるときのお看取りもお葬式もできません。
罹患していなくても、外出や人との接触が制限され、私たちは目に見える世界での「孤独」を体験しました。
けれども本当は、コロナがあってもなくても、この世に生を受けた時から、私たちは必ず「死」を迎えるいのちを生きています。
私たちのいのちは、無数のご先祖様がこの世に現れては消えていったいっときの「生」の無限の連続の上に誕生し、そしてかならずまた「死」がやってくることは、ずっと変わらないいのちの営みです。
コロナがもたらした孤独な時間が、「生と死」「終わらないいのちのつながり」を感じる機会になるといいと思いました。
そして、4歳の頃から考えてきた
「死を想うことなしには、生に触れることはできない」
という気持ちを、『死者と暮らす』という物語にしてみました。
かけがえのない人たちが死んで姿が見えなくなった後、私の中の消えないいのち=「生きている死者」として、いつも一緒に暮らしています。
静けさや孤独は「生きている死者」との対話の時間であり、この対話が「祈り」なのだと思っています。
どなたかの、「孤独」のお役に立つことができたら、嬉しく思います。
YouTubeチャンネルを開設しました
この度、YouTubeにて「メイドノミヤゲチャンネル」を開設!
看取り士メイコさんの介護日誌番外編「死者と暮らす〜いつも愛に包まれて〜」を順次公開していきますので、ぜひチャンネル登録をよろしくお願いします!
今まで全35話を漫画にして公開してきましたが、「死者と暮らす」シリーズにはオリジナルの楽曲が加わりました。
それによってぐっとストーリーに深みが増し、まるで魂が宿ったかのようです。
作曲を担当するのはじんのひろこです。
みなさん、こんにちは。
作曲を担当するじんのひろこです。
「私たちは、いつでも死者とともに生きている」そのあたたかいストーリーに合わせて音楽を作成できることを、とても幸せに感じています。
ピアノの教師だった私の母も5年前に亡くなりました。
直接、声をかけてはもらえなくなったけれど、きっと活動を見守り、応援してくれているはず。
心を込めて、丁寧に音を紡いでいきたいと思っています。
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それではぜひ動画をご覧ください。
そして、今は亡き大切なあの人はいつもここにいる、ということを感じてみていただけると嬉しいです。
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