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コンプライアンスについて思うこと

コンプライアンスとは、どんな意味だと思いますか?

例えば「うちの会社はコンプライアンスがなってない」と言ったら、それは何がどんなふうになってないのでしょう?

あなたの会社は法律を守っていないということですか?

あなたの自尊心を傷つけるようなハラスメント体質の会社だということですか?

“compliance”を簡潔に日本語にすると「法令遵守」となりますけれども、英語の原義からすると「法令」のみならず「社会規範に反しないよう追従するべきもの」というニュアンスがあり、もっと言えば「規則・要請・命令に従うこと」という意味を含んでいます。

さらに丁寧に文字化すると「社会規範から外れない範囲において、法令のみならず社会制度に忠実に従うこと」かなと思っています。

江戸時代なら藩への「忠孝」というニュアンスが腑に落ちます。

昭和時代なら会社への「帰属意識」に基づく「忠誠心」というニュアンスでしょうか。

令和時代はどうでしょうか?少し違うニュアンスになってきていませんか?

“compliance”がカタカナ外来語の「コンプライアンス」として使われるようになると、なんとなく意味が薄れていってむしろ反転してしまっているように思います。

そして、リベラル運動を経て、誰もが何かに従うことを拒否して、自分中心主義になってきていませんか?

- 自分の手取りが減ったのは、社内制度が間違っているからだ。人件費を削減し経営者の私服を肥やそうとしているだけだ!会社のコンプライアンスがなってない!

- パートタイムの自分に対して、所定外の出勤を要請したり、単純作業以外の時間のかかる仕事を押し付けたり、気の滅入るような単純業務をさせたりするのはいかがなものか。自分は捨て駒にされている。会社のコンプライアンスがなってない!

- 上司の業務命令のしかたやマネジメントが悪い。そのせいで自分は体調を崩しワークライフバランスが保てない。辞めざるを得なくなったのは会社のせいだ!会社のコンプライアンスがなってない!

- 同僚が抜け駆けしている…自分の昇進・昇給が遅れているのは、そのせいだ!会社の査定は一体どうなっているのか!エコひいきは不当だ!あの二人は関係しているに違いない!会社のコンプライアンスがなってない!

こんな声をどこかで目にしたこと、耳にしたこと、ひいては思い余って言ってしまったことはないですか。

言ってみるなら「ひどい愚痴」「誹謗中傷」ですよね。

でも、ちょっと引いて考えてみてください。相手に同情したくなるほど、言っているその言葉こそが暴力だと思いませんか。

それを、会社のコンプライアンスの問題(法令違反)にすり替えてしまっていませんか。

そうやって、自分で自分を生きづらくしてしまっていませんか。「ひとを呪わば穴ふたつ」って、言うじゃないですか。言葉の暴力は、相手だけでなく、自分をも苦しめてしまうのです。

ちょっと意識の持ち方、考え方、捉え方を変えるだけで、言っている本人のほうも楽になれると思うのです。

会社や他人に責任を押し付ける前に、自らが、まずコンプライアンス(社会規範から外れない範囲において、社会制度及び会社の命令に忠実に従う)意識を持ちましょう。

会社のカルチャーに自分から馴染むよう努力をしましょう。会社の業務命令には、できる限り従いましょう。

そして、コミュニケーションの取り方を、見直ししましょう。「ものは言いよう」なんです。なんて言えばいいのか、言葉を発するたびに胸に手を当てて考えましょう。

さらに、自分を雇ってくれたのだから自分を特別待遇してくれるはずと思っていませんか。自分が思うほど会社や他人は自分を見ていませんし、過大評価もしませんし、過小評価もしません。むしろ、特別待遇されたら、下心がないか少し警戒してもいいくらいです。

会社の対応が気に入らないのなら、なぜそこから離れないのですか?なぜ、わざわざ戦うのですか?なぜ、会社に復讐しないと気が済まないのですか?

周囲の人たちが自分にどう関わってくれるのかとか、自分に対する他者の評価はどうなのか、なんてことを気にしすぎて引っかかって立ち止まり悶々としていると、いろんな楽しいできごとに気づかずに時間を過ごしてしまいますよ!

かかずりあっていないで一歩前へ進みましょう!

人生は思っているよりも早く過ぎていきますが、それでも思っている以上に長いです。

今を前向きに生きること、何があっても絶望しないことが、自分の人生を自分なりに充実して生きるコツですから。

(以上、還暦を迎えた管理人のつぶやきでした…)