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『愛の美学』ーまじめにエロメンタルー

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古くて新しい愛の形とは、愛の真相について定理「真・善・美」と素質「体・性・気」を交えて解説。本当の愛とは何かに迫る。「エロ」と「メンタル」の関係から、性と精神の間にある「愛」につ… もっと読む
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『愛の美学』 Season3 エピソード 9-② 「愛の真理」(3108文字)

『愛の美学』は、『愛』の全領域、全段階に関与し、その気付きを促すための読本としてしたためてきた。 さまざまな方向から『愛』を眺めてきたが、ここで『愛』とは何か、と問われたら、品格や価値、その是非を検証するための「ツール」と考えられる、と答えるかもしれない。 今まで解説してきたように、『愛』は、決して感情などの心の様相を表わすだけでなく、ものごとの真理を追究し、検証し、その価値を問うためにある心の基本的な「象」なのである。 それは、『愛』の象形からも、うなずけるだろう。

『愛の美学』 Season3 エピソード 9-① 「愛の真理」(5922文字)

結局のところ、「愛」とは、何か。 All you need is LOVE(愛こそはすべて)ビートルズの有名なナンバー。本当に「愛」こそが全てなのだろう。「愛の美学」の終盤でそんなことを想う。 「愛」ってなんだ? そう聞かれたら、答えは恐らく十人十色である。そんな問いに答えられる素養を身につけたかどうか。 思索を続けてきた現段階で自分なりの「愛」について、今回から「まとめ」に入りたいと思う。 一方、「真理」とは、このマガジン内の語彙表現を使えば以外と簡単に説明できる。

『愛の美学』 Season3 エピソード 8  「愛の体力」(2316文字)

「愛の体力」とは、実際に性交をするには「体力」が必要だ、というような表面的なお話でない。確かに、少なくとも具体的な目合いには、体力を必要とするだろう。それだけではなく、子育てにしても、単なる観察を続けるにしても 「体力」は必要になる。 だが、このセクションでは、そのような単なる「体力」の力に焦点を当てるだけでなく、その周辺の関りを通して『愛』が欲する「体力」とは何かを検証していく。 日本語は「体」を表現する場合、「身体」や「肉体」という語彙がある。この二つは基本的に異なる

『愛の美学』 Season3 エピソード 7  「愛の知力」(2917文字)

「性知学」と「哲学」 先の標題に示した通り、このシリーズで提唱している『性知学』という新たな学問領域は、『愛』とは『知』であることを謳っている。 まさに、『愛』と『知』で「哲学」 、英語で「哲学」フィロソフィーとは『知を愛する』ことである。 つまるところ、『性知学』は哲学領域であり、『愛』も『美学』も『性知学』の一領域である。 しかし、どうも「哲学」というと、堅苦しくなってしまう。その元の意味は「知を愛する」こと、そして、「賢くなることを希求する」ことなのだから、向上

『愛の美学』 Season3 エピソード 6  「愛の気力」(2506文字)

『愛の気力』は、活力とどう違うのか。そもそも、『気力』と『活力』にどのような違いがあるのか、今回はそれを考察する。 気力と活力は「活気」と一括りにされ、そう違いはないように思えるが、「こころの立体モデル」を使い確認するとその違いが明確になる。 上図で『感の面』(赤の面)は、欲求、価値、状態を含む『場』である。まず、「気力」と「活力」の『場』の違いを確認しよう。「愛」は「気」があってから「活」が顕れる。 誰か好きな人がいた時に、「ねえ、ねえ、あの人、気があるかも?」などと

『愛の美学』 Season3 エピソード 5  「愛の活力」(2667文字)

「愛」とは、「活力」である。 そんな答えが返ってくるかもしれない。 そもそも、「愛」を「エネルギー」そのものとしたら、それは単なる物理的な「フォース」や、体力などの「パワー」や学力の「パフォーマンス」とも違うだろう。では、愛の「チカラ」とはいったい何か。 今回は、そんな「愛の活力」が何かを解説しよう。 愛のチカラこのマガジンでは「性知学」を標榜している。 「愛」と「性」は深く関連し、もとは男女の情動に端を発することが多い。男女関係における「愛」を「性愛」と呼ぶが、この

『愛の美学』 Season3 エピソード 4  「愛の蓄積」(3696文字)

『愛の美学』Season3 エピソード 4 「愛の蓄積」 「蓄積」は、言語ツールで言えば「書く」そして「聞く」ところにあたる。今回は、言葉のツールについてはあまり触れないが、たとえば「書物」としてカタチに残るもの、あるいは話を「聞いて」記憶に残るもの、すべてを「蓄積」と考えてよいだろう。 1)自然界の求愛と「告白」自然界は、秩序の世界にあり、その姿は完璧に表現されている。 この言葉を、文字通り受け止めるなら、どの求愛行動も完璧であり、たとえ最終的に番にならなくても、そ

『愛の美学』 Season3 エピソード 3  「愛の表現」(3418文字)

今回の『愛の美学』 Season3 エピソード3「愛の表現」は、私たちが普段使用している基本的なコミュニケーションに必要なツール、「話す」「聞く」「読む」「書く」の中で、表現に関与する「話す」「書く」について話を進めていく。 「表現」の手法は、集団に対してどのようにアプローチするかを見れば明らかなように、コミュニケーションツールは圧倒的に「話す」「書く」によるものであろう。 動物も、異性に対し、様々な表現を使っていく。 鳥類にとっては、その豊かな色彩を異性へのアピールに

『愛の美学』 Season3 エピソード 2  「愛の伝達」(2776文字)

今回の『愛の美学』 Season3 エピソード2「愛の伝達」は、私たちが普段使用している基本的なコミュニケーションに必要なツール、「話す」「聞く」「読む」「書く」の中で、伝えることに関与する「聞く」「読む」について話を進めていく。 1)愛の告白 「愛してる」この一言は、多くの心情を含む言葉でもあり、またその情緒を伝えるためのセリフでもある。 伝達とは、伝えることを前提とし、基本的に「話す」ことから始まる。しかし「伝達」は、単に話者が伝えるという観点からだけではなく、受者

『愛の美学』 Season3 エピソード 1  「愛の尺度」(3567文字)

今回の『愛の美学』 Season3 エピソード1「愛の尺度」は、私たちが普段使用している基本的なコミュニケーションに必要なツール、「読む」「聞く」「書く」「話す」の中で、「話す」と「聞く」ことについてお話を進めていく。 1)言葉の言語体系Season2 エピソード10『愛の回転』でも示したが、下の図は、「読む」「書く」「話す」「聞く」という、基本的なコミュニケーションツールの言語体系をまとめたものである。 ご覧のように、円のなかを十字に切り分け、左右を分かつ縦のライン

『愛の美学』 Season3 エピソード 0序  「愛の言語」(1002文字)

昨年(令和4年)8月からおよそ半年以上、『愛の美学』の連載を休止していた。シーズン1から2に移るときにも、およそ半年の休止期間を置いている。 これは、別に意図してしている訳ではないが、全体の構成や流れを考ているうちに、時間が経ってしまうようだ。 今シーズン『愛の美学』 Season3 エピソード0 序「愛の言語」の目的は、前のシーズン2、エピソード10「愛の回転」で示した「言葉の回転」にあるように、「愛」は「知」であり、言葉自体が「愛」であるという証明をすることにある。

『愛の美学』 Season2 エピソード 10 「愛の回転」(4016文字)

『愛の美学』とは今回の Season2 エピソード10『愛の回転』は、言葉の成り立ちと回転を主題に『愛』について述べてみたい。 すでに、『愛の美学』 Season2 エピソード7「愛の段階」で触れたが、愛には大まかに段階があると述べた。それは、意識の段階をまとっている。梯子と同じように、その高さから見る景色は次第に異なっていく。 これら垂直的な段階と、そこから見える眺めの状態、そしてその基盤となるのが水平的な水準である。これらは、すべて「言葉」に関わる。 まずは言葉

『愛の美学』 Season2 エピソード 9 「愛の展開」(2558文字)

「愛の方向」には目指すべき道があった。 その「道」は、拓かれていく。「愛」もまた、「智」によって開かれる。「愛の展開」とは、まさに、自分がその「場」に立ち、そこから、様々な方向に展開するプロセスを指す段階なのである。「愛」を実践するため、自身の「身」を活かすため、そこから発展するため、そのためにどのような「場」が用意されているのか。 それでは、早速みていくことにしよう。 1)戒めの言葉 世に「戒め」がある。モーセの「十戒」は有名だ。ここで十戒について述べることはしない

『愛の美学』 Season2 エピソード 8 「愛の方向」(6859文字)

「愛の方向」は、二つの視点から見ていく。それは、理性と感情だ。 これら二つの対比を通し、日常感じる些細なことから「愛」に関するエッセンスを拾い上げることができる。これらを最終的に統合させる力が、どのように成されるかを見ていくことで、はじめて「愛の方向」を見出せるだろう。それでは、早速はじめよう。 1)理性と感情の対比 「愛」自体は、理性でもなく、感情でもないことを最初に確認しておこう。「愛」とは、理性と感情を通して見えてくる一つの概念である。 私たちが、普段生活してい