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【ココロハチマキ】旅は人生のお師匠さん#6

人生そんなに長くない

ラオス・カンボジア編6
ラオス シーパンドン


すべての人の人生はオンリーワンの物語。

早朝のメコン川。静かな川の上でも1日が始まっていく。
日本の川とは違って、生活と川が密接に繋がっている。
学校にも行くのも、買い物に行くのもボート。
川で漁をして、水を汲み、洗濯し、体を洗う。
川とともに生きている人を朝から眺めていると
目の前のことが、遠い世界のことのように思えてくる。

ボートに乗って仕事には行かない。
カヌーツーリングをしていたことはあるけれど、
キャンプ以外では川で水もくまないし、
洗濯をすることもない。

目の前に見える光景は川辺に降りていけば
同じことはできるけれど
同じような感覚でそれを行うことはできない。
そのことは、距離よりもとても遠いことのように思う。

同じ人間でありながらも
肌や髪の色、骨格が違う人たちがたくさんいて
全く違う背景をもって生きている。

70億人いれば、70億人のもつ背景はそれぞれ違う。
当然のことかもしれないが、
とてもすごいことに感じてしまう。
それぞれの人生のなかでは、
それぞれが主役でありつづける。
だから、人生は物語なのだ。

自分にとってくだらないと思っている出来事も
示唆に富んでいることも少なくない。
自分が経験していないことを聞くのは面白いものだ。

言葉も国の歴史も環境も全然違う海外の人たちなら
なおさらだ。興味はつきない。

残念ながら、言葉などの問題で、旅先で出会う人と
込み入った話しができないことのほうが多いけれど
その人の背景がどこかに見えた瞬間に、やった!と
喜んでいる自分いる。

人はさまざまだ。だからこそ、面白い。

目の前に広がるメコン川は、どれほどの人々の暮らしを
内包しながら、ここまで流れてきたのだろう。
そして、ラオスから、カンボジア、ベトナムを通り
南シナ海へと流れ出すまで、どんな人と出会っていくのだろう。

川のファスナーを開くようにボートが走る。

あのボートに乗ってメコンと一緒に
流域の人々の暮らしのなかに入っていきたい。
そんなことを思いながらファスナーボートを眺めていた。

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