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【創作】美しい者にしか存在を認めない世界

主人公と母

【主人公の独白】


母は醜かった、母は私に優しくしてくれたし私は母が大好きだった。

でも、世の中は母に冷たかった。

そして、私は美しく生まれた。
世の男性だけでなく女性までもが私の若さや美しさをチヤホヤした。

でも、世間はその評価を母には与えてくれなかった。

私は、その社会の二面性を見ながら育った。その経験は、「私がこの世界を壊しても良いと思うこと」を正当化させてくれた。

価値観の醸成「世の中は美しい者しか存在を認めない」

テレビで話すのは歌うのは決まって美しい者、女も男も。

お金を稼いで地位を得た男は美しさの奴隷。

彼らのエネルギーの最終的な放出先は、美しく若い女性に貢ぐことにある。

お金と地位を持つ女性もまた同じ、若く美しい男に狂えば、それまでの高い知性や理性を失い、全てを危険にさらしながらも没頭してしまう。

「人は皆、美しさと若さの奴隷」

この世界を壊すために、私は生きる。

私は自身が持つ美しさを、ぞんぶんに悪用してこの世界を引っ掻き回す。

そして、この世界の存在そのものを馬鹿にしてやろうと思う。

母を否定したこの世界を私が否定することで、この復讐は完結するのだ。

【続く】



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