高円寺 ~アール座読書館編~
少し前のことですが、高円寺に行ってきました。
はじめて高円寺を訪れたのは昨年の4月。
2人の知人とカフェから古着屋さんをメインに散策しました。
ひと通り巡ってぷらりぷらりしていたときに偶然みつけたのが、会話禁止の読書喫茶室 ”アール座読書館” 。
読書館というそのお名前にまず、興味が湧かないはずがありません。
そのときは取り敢えず店名をメモし、お店を後にしました。
そして、今回高円寺に着いてまずまっすぐ向かった先が、アール座読書館。
あれから何度も調べて、そのたびに行きたい思いを募らせてきました…。
お店は12時開店で、私が着いたのは12時45分頃。
駅から早歩きで来たせいか、緊張のせいか、乱れているような気がする呼吸を整え、いざ階段を上り、ドアの前へ。
しっかりと閉められた扉を、ゆっくりと開けると、店員さんと目が合いました。緊張。。
来る前に確認したHPにはじめに好きな席を選んで良いと記載されていたことを思い出し、店内を見渡します。
既に3名のお客様がいました。どこにしようか。木目の床は歩くたびにぎしぎしとなります。静かな店内に自分の足音が目立ち、すみませんすみませんと頭の中で何度も謝りつつ、席を探しました。
しかしここで優柔不断が大活躍。ああこの席も良さそうだけどあっちの席も良さそう。。何度か行き来してしまいました。足音と私の葛藤ムーブがとても目立つものに思えて、すみませんすみませんとまた謝ります。
ここにしようと決めた席は窓際にあって、柱の陰に隠れられるようなところ。こもれる感がありつつ、窓もあるから息苦しくはならない。そんな感じのお席。
静かに座って一息つく。少し周りを見渡すと、本当に静かだなと改めて感じました。
メニューを見つけて開いてみる。注文は入店から時間が経ってしまっても大丈夫らしく、これも事前にHPでみて良いなと思ったポイントの1つです。私は優柔不断でメニューの類を決めるのに時間がかかってしまうのに、店員さんを前にすると早く決めなきゃと焦ってしまって、注文に失敗することがよくあるのです。。
メニューはよくある珈琲やジュースだけではなく、聞いたことのないドリンクもあり、メニュー表をみているだけで楽しくなりました。
この日は既に珈琲をそこそこ飲んでしまっていたのと、少し甘みが欲しくて、”オレンジショコラ”に決めました。
美味しかった。
甘みに気持ちが和らいできたところで、静かな店内も無音ではないことに気が付きました。
水槽の音。こぽこぽ。ちろちろ。
食器の音。カチャ。コト。
筆記の音。サッ。スッ。
本の音。カサッ。スッ。ペラッ。
椅子の音。キシッ。ギッ。
…。
日常では聴こえない、聴こえても気にかけることのない、音たちがするりと入り込んできて、どこかホッとするような、そんな気持ちになりました。
多分どの席にも置いてあるものとして、メモ帳があります。それは誰でも自由に好きなことをかいて良いものになっています。もう何年も前のものから、沢山置いてあります。
お店に来た感想、自分の身の回りの変化、嬉しかったこと、悲しかったこと、悩み等、いろんな筆跡でいろんなことがかかれていました。
このお店のこの空間で、このメモ帳にだからこそかける、だせる言葉があると思って、私もあるがままにかかせて頂きました。
心温まったのは、誰かの悩みのことばに対して、別日に訪れた他の誰かが同調したり応援したりしているページがいくつかあったことで、直接は会ったことのない人と人が、このお店のこの席で時間を超えてコミュニケーションをしているということが感慨深かったです。
それからぼーっとしたり、持ってきた本を読み進めたり、本棚から本を選んだり、店内の観察をしたり……
ゆっくり、まったり、しっかり、耽り、
ほっこり、さっぱり、ぽっかり、浸り、
幸せな時間を過ごせました。
皆様も素敵な空間で、自分のための時間を過ごしてみるのはいかがでしょうか。。
最後に。写真を。
隣にいたぬいぐるみ。くま?うさぎ?ひつじ?
「サイvsシロクマvsカバ」。
みんな触ってみると少しだけ、ぷにっとしている。
タイトルに”編”とあるように、高円寺のお話はまたかくつもりです。
最後までお読みいただき有難うございました。
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