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私は私のまま誰にもなれない

病が重篤だった時
痛くて痛くて、布団の端を噛みしめて泣いた。
その時、先生や看護師さんに言われ続けた言葉。

「自分を隠さなくていいから、そのままで大丈夫」
痛い時は痛い!って大声で叫ぶくらいがいい。
みっともない!なんて誰も思うわけないんだから。
弱さを見せるのが嫌でも
弱い時は弱いままで甘えていいのだと。

わたしは今「ありのまま」で生きている。

ありのままというと、
すごく自由なイメージに取られるけど、
ありのままで生きるって、
ありのままになる前の工程が死ぬほどツラい。

みんな、
ありのままというと自分を全てさらけ出せば、
それがありのままと思っているけど、
それは違う。

ありのままっていうのは、
自分のダメなとこも許せる自分であること。
過去の自分もそれでいいじゃん、って許せること。
甘やかしてあげられること。
そのトゲトゲの自分の嫌なとこ、
苦しかった過去。

全て一旦飲み込める?
とことん向き合える?

苦行も苦行。
メンタルがどん底になった時、
社会に属してない自分が許せなかった。
今まで責任のある仕事をこなしてきて、
人をリードして生きてきたのに、
今、これ、なに??
自分は「病」という名前の蓋付きの水槽に入れられて、
いつ出られるかわからない日々。

欲張って、
一般社会へ戻って、
何者かになりたかったわけでもないけど、
生き生きと働く人達を見て、
ただ、ただ、焦って、足掻いた。

でも、

ある時、

そっか。
わたし、今はこれでいいんだ。
って思えて、力を抜く事ができて
病であって同じ場所でしか動けなくても、
そんな場所で泳ぐことを許せるようになった。

もし、
これが試練だとしたら、
今まで味わった試練よりずっと楽。

待ってみよう。
そう思った。

わたしは、
生き生きと働くその人にはなれない。

きっと、
その人も病のわたしにはなれない。

だって、
経験という、
知識という持ってる宝物が違うんだから。

どんなに憧れて、
ダメな自分を引き合いにして比べても、
あなたはわたしにはなれない。
わたしもあなたにはなれない。

人と自分を比べても自分が苦しくなるだけで、
比べるなら昨日の自分と比べた方が、
ずっと意味があると知っているから。

だから、今は のらりくらりと
逆らわずに ただ 浮かんでいます。
動けるその日が来るまで
ありのままの私で
誰にも代われない私で

だから、
あなたも あなたのままで 大丈夫。


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