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私が留学中、韓国人のお兄さんを好きになりそうで辛かった話 中編

前編はこちら
https://note.com/cocoaissweet/n/nceee894d7f53

あの男性と初めて2人で食事をし、仁寺洞に行った日、たくさん韓国語の単語を教えてもらった。この次の日が日韓交流会だったため、男性に会う前に教えて貰ったことをしっかり復習して行かないとと思い、朝から勉強した。

日韓交流会の時間が近づき、家を出ると例の男性からインスタにDMが来ていた。『今日は何時頃にいらっしゃいますか?』と。昨日初めて2人で遊んだだけなのに急に距離が縮まった気がしてDMを見て舞い上がってしまった。『もうすぐ着きますよ。会場の前でお待ちしてますね。』と返信し、私は男性が来るのを待ち、一緒に会場に入った。すると他の韓国人男性から「2人で来たの?」と聞かれ、例の男性は「そこで会ったんです。昨日は一緒に勉強したんですよ。」と答えてて、(私と遊んだこと秘密にするわけでもなく、オープンに話してくれるんだ)と嬉しかった。

日韓交流会では、例の男性と日本人の男子大学生と3人で話していた。
この男子大学生は私より韓国語が出来なかったが、例の男性とも遊んだことがあるようで仲が良かった。
男子大学生が「この前、この人との写真をインスタに載せたら、俺のクラスの友達がこの人のYoutubeのファンだったらしくて『会わせて!』って言って来たんですよ。それでこの人の凄さを知りました。」と話していて(やっぱり凄いお方なんだな…)と驚いた。

この男子大学生もとても面白くて、例の男性の流暢に英語を話す姿に対して「惚れそう〜」と覚えたての韓国語で話してて、例の男性が「韓国では同性に褒め言葉の意味で『惚れそう〜』は使わない!」という会話をしていた。

男子大学生が私に「留学3ヶ月間だったら、帰国まであと1ヶ月半ですか?もうすぐですね。」と言ってきたので私は「そうなんです。帰りたくない。」と返した。その話を聞いていた例の男性は私に「ファイティン!(がんばれ)」と言って来た。
個人的には例の男性に『もう帰っちゃうの?寂しいですね』とか言って欲しい気分になったが、たった1日一緒に遊んだだけの私には「帰国まであとちょっと韓国語の勉強ファイティン」という気持ちにしかならないよなぁ…とも思い、自分の欲深さに呆れた。

日韓交流会が終わったあとにいつも二次会があり、希望者だけ夕食に行くのだが、私はいつも宿題が終わっていなかったのですぐに帰っていた。
例の男性は二次会に行くらしく、別れ際に私に「また一緒に勉強しよう〜」と言ってきた。(一緒に勉強って、昨日みたいに食事して?それとも今日のように日韓交流会でってこと?)と疑問だったがとにかく次会う機会がきっとあると思えて嬉しかった。
家で宿題しながら例の男性の面白い発言たちを思い出し笑いするくらい楽しい2日間だった。

その日以来、しばらく例の男性とDMをやりとりする日がなかった。
私には趣味で書いているブログがあり、勉強も兼ねて日本語だけでなく、韓国語でも書いてみようとした。すると(この状況を書くのに、この単語は正しいのだろうか?)というものに直面した。例の男性はきっと忙しいだろうと思ったが以前『韓国語の質問あったらいつでもDMください。』と言ってくださったので、頼ってみようと思い質問した。するとすぐDMが返って来てとても詳しく教えてくれた。

例の男性が教えてくれたものをもとにブログを公開すると、わざわざから『ブログ拝読しました。よく書けています』とDMを送ってくれた。『本当ですか!?変な部分ありませんでしたか?』と聞くと、私のブログ記事でスペルミスをしている部分をスクショして、赤ペンで添削した画像を送って来てくれた。先生みたいな添削だなぁと思っていると『これがSAMSUNGスマートフォンの使い方です。』と言われて笑った。


ちょうどこの時、男性のインスタのストーリーにはハヌル公園のススキのライトアップ祭りの様子をあげていた。
私が添削のお礼と共に『ハヌル公園綺麗ですね。私もいつか一人で散歩してみます。』と言うと『ライトアップは明日までですよ。一年に一度!』と返って来た。一年に一度なら、この機会を逃してはいけないと思い『じゃあ明日、行ってみます。教えてくださりありがとうございます。』と私が返信した。するとなんと男性から『明日行きますか?僕も明日早く退勤できたらまた行くつもりでした。一緒に行きますか?』と返事が返って来た。

2人でどこかに行けるのはあれっきりだと思っていたのでそのDMをみた瞬間、嬉しくて顔の筋肉が緩むのを感じた。私は『ぜひ一緒に行きたいです!お兄さんの仕事が早く終わることを祈っています。』と返事をした。

平日だったので昼は授業があり、休み時間中に同じクラスの日本人の子に「憧れの韓国人のお兄さんと仲良くなって、今日ハヌル公園に一緒に行くんだ〜」と言うと
「めっちゃデートみたいですね。そんな人がいて羨ましい」と言われた。
確かに、夜のライトアップされている公園に男女2人で行くとは、側からみたらデート以外の何物でもないよな…と思った。以前2人で遊んだ時は昼間だったけれど、夜になると豹変したり…?と考えると少し怖かった。
(私、日本に彼氏がいるのにそんなデートみたいなことして良いのだろうか)と罪悪感も生まれた。何より前職の先輩の「韓国人男性と2人で食事はするな」という忠告もあったからだ。

お兄さんからは『今、会社です。今日何時に集合がいいですか?』とDMが来て(会社にいるのにメッセージ送ってくれるんだ!私がいた会社じゃ無理だったもんな)と思って『いつでも大丈夫です!』と返した。
17時過ぎに『もうすぐ終わるから出発していてください。寒いかもしれないから暖かい服を着て来てください。』とDMがきた。私が会社員だった時は17時半が定時だったが19時まで残業するのが当たり前だったので(ホワイト企業にお勤めなんだなぁ)と思いながら、洋服の心配もしてくれるスマートさに感激していた。

18時前に私の方が先に駅につき待っていると、ほどなくしてお兄さんがやって来た。いつもはグレーのジャケットだが、この日は退勤後ということもありネクタイをしていて紺色のスーツだった。
私が「お仕事お疲れ様でした。」と言うと「あぁ〜しんどかった〜」と言って来た。今日はどんな仕事がしんどかったんですか?と聞きたかったが自分にそれを理解する韓国語能力がないため、質問できなかったのが悔しかった。

お兄さんもハヌル公園に行くのはこの前が初めてだったらしく、「どう行くのがいいかわからないけど…一旦行こう!」と言った。お兄さんはこの前初めて遊んだ時は韓国語で「行きましょう」という敬語調だったが、この日はタメ口になっていた。
「たくさん歩くけど、今日靴どんなの履いてる?…あっスニーカーなら大丈夫だ。」と私の靴事情まで確認してくれた。

ハヌル公園は山の上にあり、階段を300段近く登らなければならない。
お兄さんが前、私が後ろで一列になって階段を登った。時々私がちゃんとついて来てるかチラチラみながら確認してくれた。そして時々一段飛ばしで早々と登って行き、私が「ちょっと待ってください〜〜」というといたずらっぽく笑っていた。

階段の途中で、ソウルの夜景が綺麗に見える場所があり、お互いのカメラやスマホで夜景の写真を撮っていた。すると、お兄さんの肩を知らない女性が叩き、「あの、Youtuberの方ですよね?」と話しかけてきた。
お兄さんは私の方を見て笑いながら、「なんでわかったの?このカメラで?」と驚いていた。
私は、一緒に歩いていた男性がファンから声をかけられる…という状況が人生初だったため、どうしていいかわからず、かといって知らないふりして夜景の写真を撮るのも冷たい印象を与えるだろうか…と迷った。結局、お兄さんとファンの女性が二人で話しているのを少し離れたところから微笑みながら眺めていた。すると、ファンの女性も気まずそうに微笑みながらお兄さんに別れの挨拶を告げ、去っていった。威圧感を与えてしまっただろうか…。
お兄さんは「さっきの子、高校生だって。高校生が一人でここまで来るだなんてよっぽどストレス溜まってたんだろうね」と話して来た。

ハヌル公園に着くと、ライトアップの最終日ということもあり人が多かった。お兄さんは「この前来た時はこんなに人いなかったのに…雰囲気が違います。」と言っていた。人混みが苦手なので人が少ない時に私もお兄さんと来たかったなぁと思った。

ススキがライトアップされていて綺麗だった。日本でススキをたくさん見る機会は無かったので新鮮だった。

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お兄さんはずっと色々話してくれて、「韓国人は日本のカメラが大好きです。韓国人がいなかったら日本のカメラ会社は死にます。」と教えてくれた。お兄さんは「ゴミ」「死ぬ」「(経済が)終わった」などのネガティブな日本語の習得が何故か早くて笑ってしまう。確かに周りを見渡すと、みんな日本製のカメラしか持っていない。お兄さんはSON●やNI●ONのカメラの色が好きではないらしく、FUJIFIL●やCAN●Nのカメラが好きだそうだ。今までカメラに全く興味が無かったが、新しい知識を知れて面白かった。

また、「韓国語で『殺すぞ?』ってなんていうか知ってる?これ彼氏につかってみなよ」と言っていた。やはりネガティブな言葉と悪口が好きなようだ。しかも私に彼氏いるって直接は言ってないのに!私のブログに彼氏のこと書いたから知っているのか…

長い短冊に願い事を書くスペースもあり、私は「日韓関係が良くなりますように」と書いた。私のペンを貸して、お兄さんも何かを書いていたが内容はよくわからなかった。おそらく世界平和的なことだろう。私にペンを返す時に「アリガト」とカタコトの日本語で言ってきたのが可愛かった。

途中お兄さんに電話がかかってきた。「夕飯は食べてくるよ」と韓国語で返していた。お母さん?同棲中の彼女?と気になったが(私と一緒に夕飯食べてくれるんだなぁ)と嬉しかった。
ハヌル公園の階段をまた降り、お兄さんはまた早々と階段を降りるといういじわるをしてきた。
ご飯を食べるような場所をお互いよくわかっておらず適当なフードコートに入った。
お兄さんは私に食べたいものを一任してきたが、謎の料理が多いフードコートだったので、日本料理のトンカツしか分かるものがなかった。
「トンカツが食べたいです」と言うと、お兄さんは二人分注文し、さらにまたスマホで二人分あっという間に決済してしまった。私は「どうしてですか〜〜〜」と言うことしかできなかった。

私は代わりに水を全力で取りに行った。注文した商品の完成を知らせるブザーが鳴ると、お兄さんが「待ってて」と一人で取りに行ってしまった。(トンカツ定食だから絶対一人で二人分持ってこれないのに…)と思っているとお兄さんはなんと2往復して私の分と自分の分を取りに行ってくれた。彼氏とこういう状況があった時は二人で取りに行っていたのでびっくりした。

お兄さんはミニそば+トンカツ+エビフライのついた定食だった。私はチーズトンカツ定食だったのだが、お兄さんが自分そばを少し取り分けてくれて私にくれた。さらに「エビ嫌いだから」と言ってエビフライまでくれた。何故このセットにしたのだろう…?
私がお返しにチーズトンカツをあげようとすると断られて(私の方が圧倒的に量が多くなってしまった。こんなに食べられない!)と途方に暮れていた。

私が「お兄さんはご両親と暮らしているんですか?」と聞くと「そうだよ。韓国人はほとんどそうだよ。日本はどうですか?」と聞かれた。
じゃあさっきの電話はお母さんからか…と少し安心した。
私は「私の会社の友達は男性はほとんど一人暮らしでしたが、女子は実家暮らしが多くて私だけ一人暮らしでした。」と答えると「女の子なのにw」と笑われた。
私のいた会社はみんな作業着だったため、お兄さんの紺色のスーツが彼の白い肌にとても合っていてかっこよくて眩しかった。じっと見ていると「なに?」と言われたがフフッと微笑むことしかできず不気味に思われたに違いない。

正直、トンカツがそんなに美味しくなく、お兄さんも同じことを思っていたようで「無理しなくていいよ」と言って来た。私が「日本のトンカツは、もっと美味しいです。」と意地をはると「韓国にももっと美味しい店あるから!」といじってきた。
またお兄さんに電話がかかってきて、今度はお母さんからではないようだった。お兄さんは真剣な顔で電話を終え、時計をチラチラみていた。「時間大丈夫ですか?」と聞くと「仕事がこれから入った。」としんどそうな顔をしていた。
「えっ今からまた会社に戻って仕事するんですか?」と質問すると、違うと言われたのでおそらくYoutuberの仲間からの電話だったのだろう。

私が食べるのに時間がかかっていたため、「先にいってください。私は食べ終えたら一人で帰れます」と言ってもお兄さんは「まだ大丈夫だから」と行こうとしなかった。私が食べ続けているとまたお兄さんに電話がかかってきて(これは私が「ごちそうさま」を早くしないと…)と思い、完食できないままフードコートの返却口に戻した。お兄さんも私に続いて電話で話しながら返却口に戻した。

電話を終えると、お兄さんは「スマートフォンがあると便利だけれど、これのせいで24時間働かなければならない…」と言っていた。やっぱり、かなり忙しい人なんだな…と思った。歩いている途中、大きな会社のビルがあり21時を回ろうとしているのに明かりがついていて「あの会社はみんなまだ仕事している。かわいそう…僕と同じだ…」と切なそうにしていた。
私を駅まで送ってくれてお兄さんは仕事に行ってしまった。また次の日も会社があるというのに、今日はちゃんと眠れるのだろうかと心配になった。

私が会社員の時に置き換えて考えてみた。退勤後に日本語があまり話せない外国人と一緒に、階段を300段近く登って公園を案内できるだろうか?夕食を一緒に食べて、それから別の仕事に行けるだろうか?明日も会社があるというのに?私にはそんな気力も体力もないだろう。
しかも私が当初心配していた(他の男とこんなデートっぽいことしていいのか?)という不安を全く感じないくらい、お兄さんは下心がある素ぶりなどまったく見せず、いたって普通に案内をしてくれただけだった。
なのでこのお兄さんがここまでしてくれて本当に感謝しかなかった。

この日のお礼のDMを送ろうと思ってインスタを開くと、すでにお兄さんからDMが来ていた。また私の後ろ姿をいつのまにか撮ってくださってて、その写真を送ってくれた。またときめいてしまった…

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それから3日後、日韓交流会に行くといつも来ているはずのお兄さんは来ていなかった。思わずDMで「今日交流会来ないんですか?」と送ると、「仕事があって、今向かっています」と返って来た。週末だというのに今日も仕事だったのか…。
遅れてきたお兄さんは別のテーブルに座ることになり、交流会中は全く話せなかった。しかし、お兄さんが途中私のいるテーブルを横切った時に、私の肩をポンっと叩いてきた。そして颯爽と自分のテーブルに戻って行った。今まで全くボディタッチをしない人だったので、それにまたときめいてしまった。

交流会中、お兄さんはスタッフの日本人女性とやたら仲が良さそうに話していた。(あのスタッフの人とも仲良いんだ…美人だもんな」)と少し気がかりだったが、交流会が終わった後はお兄さんは私に話しかけて来たので嬉しかった。「昨日は友達の動画撮影を手伝ったら深夜までかかって…今日も仕事でした」と言っていてかわいそうだった。

お兄さんと別れるとDMで「やっぱり交流会では話しづらいですね。また別のところで会いましょう」とメッセージがきていた。(別のところとは!?)と疑問だったがかなり嬉しかったので、その文を読んだ瞬間舞い上がった。
(この頃にはお兄さんの韓国語メッセージを翻訳機なしで理解できるようになっていた)


私がその2日後、BTSのコンサートに行ったというインスタのストーリーを更新した。すると例のお兄さんから「羨ましいです」というメッセージがきた。それから少しBTSのコンサートの感想を話すと、突然お兄さんから「今週土曜日もしかして時間あります?」ときた。
しかし土曜日は昼は日韓交流イベントの撮影係を頼まれていて、夜は友達と予定があったのだ。それを話すと「BTSのように忙しいですね。では日曜日会いましょう」ときて(よかった…せっかくの誘いが流れなくて)と安心した。
お兄さんが「きゃさりんさんがもうすぐ帰国しますから、日曜日は私がソウルを案内します。兼ねて勉強もしましょう。」と言ってくださり感動した。
絶対大変な案内役を私のためにわざわざしてくれるだなんて…
思わず「いい人すぎませんか?前世は神様でしたか…?」と聞いた。

さらに、「土曜日の日韓交流イベント、僕も見に行きますね」と言ってくれて(2日連続で会える…?最高か…)と嬉しくてたまらなかった。
「日曜日はどこか行きたいところありますか?」
「カンナムは行ったことないので行きたいです!」と言うと、
「この日はたくさん歩くので心の準備をしていてください。この日の持ち物:交通カード・単語帳の本・モバイルバッテリー…そして体力」と返って来た。(そんなに案内してくれなくてもいいのに…!?)と思いびっくりした。

学校に行って日本人の友達に「今週末、私がもうすぐ帰国するからって言って前話したかっこいいお兄さんがカンナムを案内してくれるの!」と話したら「えええ〜〜〜いい人すぎませんか?きゃさりんさん、お兄さんに何かしたんですか?」と聞かれた。
「何もしてないんだよそれが…むしろしてもらってばかりなの。」と言うと「それ絶対きゃさりんさんのこと好きですよ〜〜!!」と言われ目から鱗だった。しかし彼は私に彼氏がいること知っているし、下心を見せるそぶりも一切しない。でも、私だったら好きでもない、しかも言葉も100%通じない異性に自ら貴重な週末を使ってまで「案内しますよ」とは言えない…
お兄さんはどういう気持ちで誘ってくれたのだろうと思った。

そして土曜日、私は日韓交流イベントの撮影に徹していた。しばらくすると、お兄さんがお友達を連れて来てくれた。私は撮影に忙しかったので、微笑む挨拶しかできなかったが、お兄さんはそのイベントが終わるまで友達と話したりカメラで風景を撮影したりしていた。
そのイベントの主催者とお兄さんも知り合いだったらしく、挨拶をしていた。主催者が他の参加者に向かって、「あの人はYoutuberなんだよ」と説明していた途中、お兄さんが私に向かって「また明日ね」と挨拶してくれた。主催者の人が「なんであの人と知り合いなの?」と不思議そうにしていたが「あ〜あの日韓交流会か!」と納得してくれた。なんとなくその場で「明日一緒に出かけるんです!」とは言いづらかった。

そして土曜日の夜、お兄さんと出会うきっかけになった日韓交流会に誘ってくれた、西洋出身の友達とご飯に行く予定があった。
その友達に「明日、あの日韓交流会にいた〇〇さんとカンナムへ出かけるんです。」と話をすると「えっ二人っきりで??」と驚かれた。
その友達は韓国には4年住んでいるので「韓国では、異性と2人きりで出掛けるのは、恋愛関係として認識されますよ。私の母国では普通に異性と2人で遊びますけどね!」と教えてくれた。
【韓国では、異性と2人で遊ぶ=恋愛関係】なのか…
ますます、お兄さんがどういう思惑で誘って来たのかが気になった。

次の日が楽しみすぎて、でも可愛い服持っていないなと思い、近所の駅で赤のニットとグレーのロングスカートを買った。
早速明日着て行こう。

お兄さんからはDMで「明日はお昼時に会いますか〜?」と来ていた。
「そうしましょう!12時にしますか?13時にしますか?」と返すと、「明日は行くところが多いから…12時にしましょう。今夜はたくさん寝てください」と言われた。どれだけ行くつもりなのか全く想像ができなかった。
「お兄さんも早く寝てください。おやすみなさい。」と返信して私は寝た。
深夜0時半にお兄さんから「どこで会おうか〜。仕事があって寝れません…お昼ご飯は何が食べたいですか?」ときていた。
朝起きてDMを確認すると(また仕事してる…大変なのに案内してくれるんだなぁ)と感動した。
私はカンナムにピザ屋さんがあったのでそこを希望すると
「BTSのピザ屋さんでしょ!?」と言われ「バレましたか…」と返した。
お兄さんとは私の家の最寄駅で12時に会うことになった。絶対にお兄さんの家から直接カンナムへ行った方が早いだろうに、わざわざ私の最寄駅まで来てくれるそうだ。

12時に最寄駅に到着した。するとお兄さんも途中下車してくれて、駅のホームで会うことができた。早速BTSのロケ地になったピザ屋さんへいった。

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ピザを注文すると、私の分までお兄さんがお会計をしたくれた。「えええ〜本当に大丈夫ですよ。私自分で払えますよ」というと「じゃあ夕飯は奢って」と言ってきた。(夕飯まで一緒にいれるんだ…?)と嬉しかった。
BTSのピザ屋さんには私含めた外国人しかいなかった。
お兄さんが「昨日一緒にいた友達もYoutuberなんだよ。今までコメント上でやりとりはしていたけど、初めて昨日会った。」「彼はアメリカ人と結婚しているんだ。」という話をして、昨日その友達と撮った動画を私に見せてくれた。

「北朝鮮がミサイルを撃つたびに韓国の大企業の株価が下がる」というような話もしてくれた。私は相槌しか打てなかった。

その後、カンナム駅付近に行き、近くにKAKAOフレンズショップとLINEフレンズショップがあった。
お兄さんが「入りますか?」と聞いてくれ、「私は日本人だからKAKAOよりLINEをよく使うので、LINEフレンズショップの方入りたいです」というと「あ〜KAKAOは嫌いなんですね」とイジられた。
LINEフレンズショップには写真スポットがたくさんあり、私は浮かれていた。

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このBTSとLINEのコラボしたキャラクターの席で写真撮りたい!と思っていたら、店員さんが「お二人で撮りましょうか?」と聞いてくれた。私はお兄さんと二人で撮りたかったが「いや、自分の彼女じゃないんで大丈夫です」とお兄さんは断っていた。寂しい…
なので私一人だけで撮った。すると店員ではない女性が私に話しかけてきて「外国人ですか?インタビューに答えてもらえませんか?」と言ってきた。お兄さんは少し離れたところで待ってくれた。「LINEはよく使いますか?BTSが好きなのですか?」と色々聞かれた。途中聞き取れないところはお兄さんに助けを求めた。途中、「インスタグラムはよくしますか?」という質問に対して質問の意図が分からず返答に迷っていると、お兄さんが横から「日本人はインスタグラムの投稿はあまりしない。ストーリーだけの人が多い」とフォローしてくれた。確かに私もストーリーばかり載せるけれど…他にも日本人の友達結構いるのかな?と不思議だった。
インタビューが終わるとお兄さんが「彼女は韓国で有名な新聞社のインターン生みたいだよ」と教えてくれた。

途中私が、「韓国の方って東京・大阪が好きな方多いですよね。でも料理は福岡の方が美味しいんですよ。なのでお兄さんも福岡来てください!」と言うと「東京死ね…大阪死ね…京都死ね…ってことですか?」「きゃさりんさんのYoutubeチャンネルを楽しみにしています。」と冗談を言って来た。

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カンナム駅付近には大きなビルがたくさんあった。「この辺は家賃高いんだよ〜」「一部屋僕にくれないかな〜」と言っていた。
途中、街頭でのど飴を配っている人たちがいて、私は2袋もらったのでお兄さんに一袋あげようとすると「いらない」と言われ、私が2袋もらうことになった。切ない…

その後、サムソン駅へ行き、よくインスタ等で見かけるCOEXの図書館まで連れていってくれた。

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一度行ってみたかったので嬉しかった。お互い写真をたくさん撮っていたら、女子高生くらいの女の子二人がお兄さんに話しかけてきた。
お兄さんのYoutubeのファンか…と思って私は即座に逃げた。
私は遠くから、お兄さんとファンの子達で話している様子を盗撮しながら話が終わるのを待った。

前にハヌル公園に行った時もファンから話しかけられていたので「本当に有名人ですね。毎日声かけられているんじゃないですか?」と聞くと「毎日だなんて!!本当にたまにだよ」と言って、お兄さんの良いカメラで図書館を背景にして私の写真を撮ってくれた。
きっと、さっき話しかけてきたファンからしたら私のこの状況は嫉妬で狂いそうになるのかな…と思ってファンたちに申し訳ない気持ちになった。

COEXの外に出ると、カンナムスタイルの像があった。
ここでもお兄さんは私の写真を撮ってくれた。

SMタウンが近くにあって、あるアイドルが映し出された時に私が「この人は私の会社の後輩が好きなアイドルだったんですよ。だから私が韓国に行くことをその後輩がすごく羨ましがっていました。」というと
「でもこの人ほとんど韓国にいないよ!?海外で活動してるから…」と笑ってきた。

その後、チャムシル駅へ行き、ロッテタワー近くのカフェで休憩をした。
この時は私がお兄さんの分もコーヒー代を出すことができて達成感を得られた。
お兄さんはコーヒーを飲んでいる間、持っているGoproの使い方を説明してくれた。私はYoutuberになるとは言っていないぞ。
このカフェの近くは写真スポットがたくさんあるようで、良いカメラを構えた人がたくさんいた。お兄さんが「ほらあの人はNicon!あの人はCanon!みんな日本のカメラ使っている」と話していた。

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カフェの外には湖があり、散歩にちょうどいい場所だった。二人で歩いていると「ここは春になると桜が綺麗なんだよ。ここでYoutuber仲間と撮影したなぁ。2組はカップルで、僕だけ一人で計5人で撮影したんだよ。」と少し寂しそうに言ってきたので(やっぱり彼女はいないのだろうか…?)と思ったが突っ込めなかった。

そしてここでもお兄さんは私の写真を撮ってくれた。
私の前髪が目にかかっていたので「髪!髪!」と言ってきたり、私がどうポーズをとるべきなのか迷っていると「携帯の画面見て!」と言ってきたりして(撮り慣れてらっしゃる…)と思った。

二人で歩いていて、「あそこがロッテワールドだよ。そしてあれがロッテタワーだよ」と説明をしてくれた。お兄さんにロッテワールドでジェットコースター乗るのか聞いたら、好きではないけど乗れはするとのことだった。私もジェットコースター好きではないから嬉しかった。近くでドローンが飛んでいたので「韓国ではドローンを飛ばして大丈夫なんですか?」と聞くと「不法だよ!でも僕が知らない間に法律が変わったのかもしれない。」と言っていた。

駅では、いろんな美味しそうなものが売っていた。ニンニクのパンが売っていて、「ここの有名なんだよ!」と言って一緒に並んだ。「ニンニク好き?他の友達は嫌いって言ってたんだけど」と言われて、この言い方だとその他の友達とは日本人なのだろうかと不思議だった。私は一個だけ買った。お兄さんは4個買っていた。

その後、また地下鉄に乗り「今日たくさん地下鉄に乗ってるね」と話していた。地下鉄車内のの電球が切れかけていてピカピカ点滅していたのを見て、お兄さんが「クラブみたいだね」と笑っていたのでお兄さんに「クラブにはよく行くんですか?」と聞いてみた。すると翻訳機に何かを打ち始め、私に【この格好でよく行くと思いますか】と見せてきて私は笑った。確かにお兄さんのいつもかっちりしたスーツのような格好でクラブに行ったら浮くだろう。なんだか安心した。

そしてオリンピック公園に連れて行ってくれた。この時点で17時過ぎていて、あたりは暗くなり始めていた。
お兄さんが「ここには有名な木があるのだけど、ライトアップされてなかったら何も見えないかも」と言っていた。私にとってはライトアップされてようとされてなかろうと、お兄さんと公園を歩けるのならどちらでも構わなかった。

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お兄さんの目指している木まで結構距離があった。お兄さんも場所をしっかり覚えている訳ではないようで、「こっちで合ってるかな」と不安そうに歩いていた。
そして「今日行ったコースは中国人団体客がやりそうな観光ツアーだよ。中国人の体力はすごいね」と言ってきた。「この公園は、『ダイエットしている人にオススメです』とブログに書きなよ」と私のブログへのアドバイスもしてくれて笑った。

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木に到着した。確かに立派な木だし、ここで写真を撮ったらさぞかし映えるだろう。残念ながらライトアップされてなかったので暗かった。
しかしお兄さんはここでも私の写真を何枚も撮ってくれた。あとで見せてもらうと一眼レフだったから、割と明るく写っていた。
また、この木の近くに丘もあり、そこに私を登らせてお兄さんは下でも写真を撮ってくれた。めちゃくちゃ撮ってくれる…
好きでもない女性の写真をここまで撮れるものだろうか。少し思い上がりそうになった。
私はカメラや写真に無頓着なので気持ちがわからなかった。

その後、一緒に丘を登ると、夜景が綺麗に見える場所があった。前回のハヌル公園といい、お兄さんは夜景が好きなんだなぁと思った。
丘を降りると、うさぎがいた。お兄さんは動物が大好きなので追いかけて行って、触っていた。私も一緒にうさぎに触った。さらに猫もいて、お兄さんは嬉しそうだった。

オリンピック公園の出口まで戻ると、各国の国旗がいっぱい飾ってある場所があった。私が日本国旗をなかなか見つけられず、「今は日韓関係悪いからですかね…」と探していたら普通にあった。お兄さんは「心配するな〜」と笑っていた。

もうすっかり夜だったのでお兄さんが「何食べたい?」と聞いてきた。この辺の地理が本当にわからなかったので「おすすめありますか?」と聞くと「ここは僕のナワバリじゃない」と日本語で言っていたので「ナワバリ!?なんでその日本語知ってるんですか?」と驚いた。「軍隊で使うんだ〜」と言っていて衝撃だった。
今日はかなり歩いたのでお兄さんに「軍隊と今日、どっちがしんどいですか?」と聞いたら「軍隊。今日は疲れはするけど、自分の好きな美味しいもの食べれるから天国です〜」と言っていた。私は本当に韓国人の男性たちを尊敬した。

また地下鉄に乗った。私は座ってうとうとしていたらお兄さんが私のその様子をみて笑っていた。お兄さんは私が寝そうになっている間に、SNSに昨日撮った動画をあげていた。さっき私に見せてくれたものだった。

お兄さんの提案でチキンを食べることになった。「チキン屋さんで食べるのと、漢江で食べるのどっちがいい?」と聞いてきた。漢江は以前、韓国人の女友達と一緒に行ったことがあり、とても良い場所だと思ったのですかさず「漢江!」と答えた。お兄さんがタクシーを拾ってくれ、バンポ大橋というところまで連れて行ってくれた。

大きな川なので、結構風がふいていて寒かった。お兄さんは電話でチキン屋さんに配達を頼んでくれた。電話での口調が私と話す時よりもすごく丁寧で、(この人は店員さんに向かって横柄な態度をとるような人ではないのだな)と感動した。電話が終わると「今日はいつもより店員さんがすごく優しかった!これは何を意味しているかわかりますか?」と聞かれて、「うーん、いっぱいサービスしてくれるってことですか?」と頓珍漢な返事をしてしまった。
「今日はお客が少ないってことですよ!だからめちゃくちゃ『ありがとうございます』と電話越しに言われた。」と笑っていた。
最近まで、このバンポ大橋では滝とライトアップがあっていて人がかなり多く、チキンの配達を頼む人が多かったそうだ。
お兄さんはそのライトアップを見せたかったみたいだけれど、この日はすでに終わっていた。なのでチキンを頼む人も全然いないようだった。

待っている間、先ほど駅で買ったニンニクのパンをお兄さんが取り出し、一個を半分こしてくれて私にくれた。美味しかったけど、喉が渇いていたのでゆっくりしか食べられなかった。「美味しくないなら無理しなくていいよ」と言われたが、「美味しいです」というと「きゃさりんさんは演技が上手!」と言われた。美味しいのに、気を遣わせてしまった。

チキンが来ると、夕飯は私が出したかったのにお兄さんが支払いを済ませてしまった。私が「本当にすみません。せめて半額だけでも」と現金を出すと「端数はいらない〜」と言って少しだけ受け取ってくれた。
「どの辺で食べる?」と聞かれたので、私は川のそばで食べたかったので「あそこで!」と指差した。その場所は両側がカップルだったので若干気まずかった。お兄さんが頼んでくれたチキンの中には、サイドメニューとしてチーズボールが入っていた。私はこれがずっと食べたかったので思いがけず食べることができて嬉しかった。

この川には飛び込む人がいても、監視カメラがたくさんあるのですぐに救助隊に連絡が行くようになっているらしい。さすがIT大国だと思った。
あとから考えると、韓国の自殺率の高さもあり、ここに身投げする人も多いのだろうか…と切なくなった。

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お兄さんはなかなかチキンに手をつけず、私がコーラを飲んでいる姿を後ろから写真をたくさん撮ってくれた。撮りながら「コーラじゃなくてビール飲んでるみたい」と笑っていた。
そしてお兄さんと川べりに座ってチキンを食べながら、ずっと聞いてみたかった質問をしてみた。

「どうしてそんなに親切なんですか?」と。

するとお兄さんが「僕の仕事はambassadorだから。海外から韓国にきた人には楽しんで欲しくて。」「世界中みんな、自分の国のambassadorだからね。」と答えた。この仕事というのはおそらく(会社員として働いている仕事)ではなく、お兄さんの中の使命というか信条なのだろうなと感じた。
それを聞いて、お兄さんがこんなに親切なのは私が好きとかそういう下心ではなく、本当に純粋に(私に韓国で楽しんでもらいたい)という気持ちでしてくれたのだなと思ってすごく感動した。

このようなカップルが多くて、暗い川べりに2人でいるというシチュエーションでも、お兄さんは一切ボディータッチもせず、口説いて来ることもなく、ただいつもの愉快で親切で真面目なお兄さんだった。
前職の取締役が言っていた「韓国人男性は性欲が強いから気をつけろよ」という言葉と、このお兄さんの紳士ぶりの差が激しくて、さらに(この人は本当に本当に、人間としていい人なんだな)と感動した。

お兄さんに「いつか福岡きてください!福岡では私がambassadorになりますから」と言っても首を縦にふることはなかった。

チキンの量が思ったより多かったのと、私が感動でほぼ半泣きになっていたので全然食べられなかった。お兄さんが「コンビニで袋を貰おう!」といって貰ってきてくれて、余ったチキンは全部私にくれた。お兄さんも、ニンニクのパンの入っている紙の箱がビリビリになってしまっているので一緒に袋を貰って、その中に入れていた。

帰ろうとしていると、川でアヒルボードに乗っているカップルを見て「あのカップル、今彼女が機嫌悪いよ!大変そう」と本人たちに聞かれたらかなり気まずいであろうことを言っていて面白かった。

駅まで歩いて結構距離があり、お互いクタクタだったので「またタクシー拾うか、バスに乗るか、どちらかしましょう」と提案されたが、話しているうちに駅まで着いてしまった。
お兄さんが「あの距離歩いたんだ??今日は本当に2人とも狂ってますね〜〜」と言ってきた。私は歩きすぎて足どころか腰まで痛かったが、お兄さん的にも今日のこの移動は「狂ってる」だったようで少し安心した。韓国人の男性はみんなこれが通常運転なのかと思ったからだ。

お兄さんがニンニクのパンを4個買っていたのが気になって、駅のエスカレーターで「兄弟いるんですか?」と聞くと「いないけど、なんで?」と返された。この言い方がいつもより冷たくて(プライベートな話だからかな…恋愛対象として好きな女にこの質問されて「なんで?」と言わないよなぁ)と私は納得した。お兄さんはやはり下心ではなく完全な善意として私をあちこち連れていってくれたのだ。だからこういう場面では一線を引きたいのだなと思った。

「今日は本当にたくさんの場所に行ったから、ブログに書きやすいように書いて送ってあげるね」とその場で今日行った場所を書いてくれて私にDMしてくれた。場所の名前全然覚えれてなかったから本当にありがたい…
やっぱり気遣いがすごい方だなぁと思った。

地下鉄で「今日はシャワーめんどくさいな」と言ったら、「絶対あびてください!帰ったらすぐに!」と注意された。
この日はしてもらってばかりだったので、私は日本から持ってきていた名物のお菓子をお兄さんにあげた。

地下鉄を乗り換えた後、お互い反対方面の電車だったのでそこでお別れをした。この時の時間が21時30分をすぎていた。
9時間半も一緒にいてくれた。しかもお兄さんは明日朝から会社がある。
私が会社員だった頃はこんな遊び方絶対にしない。

きっと今度こそこれがお兄さんと会うの最後になるんだろうな…と思いながら家についてお礼のDMを送った。
お兄さんは「今日はぜひシャワーを浴びて寝てください。たくさん連れていってごめんなさい。」と言っていた。シャワーのことを気にしておられる…

そして夜遅いのにお兄さんは今日撮った写真をたくさんたくさん送ってくれた。
「そして次はもっとゆっくり行くようにしましょう」と言ってくれ、これは
・また一緒に出掛けようね という意味なのか
・次にきゃさりんさんがカンナムへ行く時はゆっくりいってね という意味なのか分からなかった。

疲れていて眠りそうになったが、お兄さんの言うことを守ってちゃんと夜のうちにシャワーをした。そして眠った。

朝起きて(昨日は本当に楽しかったな。夢だったのかな。)と思った。

インスタを確認していると、お兄さんがストーリーを昨晩のうちに更新しているようだった。
お兄さんは私と会った時は、一緒に行った風景の写真を載せるだけで、だれと行ったかとはなにも書かない。フォロワー数も多いしファンの方もいるから当たり前である。なので私もお兄さんをタグ付けして更新などは一度もしたことがない。

しかし、この日のお兄さんのストーリーは違った。
一緒にチキンを食べた漢江の写真に、
日本語で
【きゃさりんさんのような日本語の先生がいてたのもしいです】
その後韓国語で
【もう時間はあまりないけれど、よろしくおねがいします】
と書かれていた。

数万人のフォロワーの前で私の名前を出されたことにびっくりした。
そして、もう1ヶ月もしないうちに私は帰国し、日本の現実生活を頑張らなければならないし、お兄さんには簡単には会えなくなる。その事実が悲しかった。

そして何より、朝起きて
楽しすぎて夢だと思っていた昨日のことはちゃんと現実だったんだなということが嬉しかった。

いろんな感情がごちゃまぜになって、朝から私は号泣した。

▶️後編に続く
https://note.com/cocoaissweet/n/n2c9c0fff8425


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