『サブスクの子と呼ばれて』を読んで
ここ数日、山田悠介さんの
『サブスクの子と呼ばれて』を読んでいました😌
かなりの長編だけど、一気に読んでしまった📖
この本は、
人材のサブスクリプションが浸透した時代で、
法的に禁止されていた子供のサブスクを中心に起こる事件をテーマにした話。
孤児院の運営費を賄うために、
孤児たちは闇である子供サブスクに駆り出される中、
高校生孤児の怜と仄花はそれぞれ問題に巻き込まれる。
そこにひそむ闇を大人になった怜が暴いていくというストーリーです。
まず驚いたのは出だし。
亡くなった子供の代わりをするためにサブスクされた怜のエピソードから始まるが、
この序盤数ページのエピソードで、子供サブスクの需要と、そこで駆り出される孤児の感情が一気に理解できる。
山田悠介さんの本は、
一見あり得ない制度や世界をテーマにしているように見えて、絶妙に起こりうるラインを設定してくるからすごいと思う😙
ただ違和感のあるところも多かったな〜
まずは、怜や仄花の幼少期から大人までを扱うことで、かなりすいすい話が進んでいった印象。
最終的にかなり大きなスケールに展開するが、ちょっと飛躍を感じる進み方に感じた。
あと、展開が割と読めちゃうこと🤫
この本の前に、
ミステリーで有名な『十角館の殺人』を
読んでしまったのもあるけど、
えええ!みたいな展開はあまりない笑
『十角館の殺人』や『ルビンの壷が割れた』で
どんでん返しの展開を体感してしまったから、
自分のハードルが上がってしまった気もするが...
怜が3年間神宮寺の館にほぼ監禁されているにも関わらず孤児院園長が何も言わなかったり、
仄花が行方不明の状態で何年も立っていたりと、さすがに不自然すぎる!というポイントが多かったかなあ。
1番難しかったのは、
「サブスク」であるということ。
私がサブスクに疎いのもあるが、
レンタルではなくなぜサブスクにする必要があったのか。
そこがいまいちわからないまま終わってしまった。
怜が定期的にあっていたおばさんの話は、
サブスクである理由がわかったけれど、
仄花をサブスクした永池が期間を延長したり、
神宮寺会長が怜を3年間サブスク状態にしている時点で、
サブスクという状態に子供を置いている理由が曖昧な気がする
これは『レンタルチルドレン』を読んでみたら、同じようなテーマでかつ「レンタル」を主題にしているからより比較できるのかな?と思ったり🙄
でも総じて、読み応えのある作品でした!
サブスクという現代的なテーマに起こりうる問題、
AI化が進む中で曖昧になる人間との境界線、
家族や人間関係の形の変化とその本質みたいなものを考えさせられる作品でした。
この作品の主題は
サブスクなど現代的な仕組みを扱う中でも、
本当に伝えたいのは
家族とか人道とかそういう感じなのかな。
結局山田悠介さんらしいってことで^_^
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