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船のしごとワークショップ 実施レポート

みなさんこんにちはココポルタです。
6月11日に練習船日本丸にのりこみ、海技教育機構の企画・全面協力のもと
「シップスクール」を実施しました!
台風が来ている中で、実施できるのか数日間天気予報とにらめっこしていましたが、シップスクールが実施された時間帯だけ雨が上がるという奇跡🎵
当初予定していたワークショップのほとんどを行うことができてひと安心です。

船のしごとワークショップって何?という方は、前回3月21日のトライアルレポートも参考にご覧ください。↓


美しいフォルムの帆船 日本丸

まずは練習船「日本丸」で乗船式!

参加者は里親子や縁組家庭を中心とした
小学校1年生から高校3年生までの子どもたちとその保護者など総勢37名。
遠くは千葉の山武郡からも参加してくれました。
船の第一教室で参加者を前に、
菊池船長、野田機関長をはじめとした乗組員も参列し、乗船式を行いました。

「みんなが居るこの教室で、実際船の練習をしている生徒が100人ぐらい勉強したりするんだよ!」
「この船って、前から後ろまでどのぐらいの大きさだと思う?」


写真をみんなに見せながら、時々クイズのように参加者へ問いかけたり、イメージが湧くような説明を加えながら、楽しくアイスブレイク。
その後小学生を中心としたグループと中学生以上を中心とした2グループに分かれて、見学と体験にLet's GO!

船内 第一教室にて

デッキや船内を見学して船の仕組みを知る

船外ではイカリや救命ボートの説明を受けながら、
デッキの先頭から船尾まで移動。
見たことのない船の装備に、子どもたちも興味津々。
大人も普段目にする船とまるで違う帆船の設備に、
子どもたち以上にキョロキョロしながら見学する姿は印象的です。

デッキの上をみんなでゾロゾロ
実習生の居住室も見学
迷路のような階段
機関制御室

「もう今何階にいるのか分からなくなるぅ〜」
迷路のような船内を上下に移動しながら、
実習生の居住室やトイレ、お風呂なども見学。
機関制御室にはたくさんのボタンやレバーがずらり。

「船はここで動かしています。」
「出航したら、何ヶ月も日本に戻ってこられないから、機関士が船に関わるすべての修理をやってるんだよ!」
「え?すごーい!」


思わず参加者から歓声がもれる。
大人からは「一家に1人いてくれたら助かるのに!」という意見に、
思わず笑いが巻き起こる。

手とからだを動かそう! 船のお仕事体験

船の中を案内してもらったら、今度は実際に船の仕事を体験。
デッキの上ではみんなで舵をまわしてみたり、
ヤード(帆の方向を変える棒)を協力して動かしてみたり。
みんなで「ワッショイ!ワッショイ!」と言いながら
ヤシの実でデッキを一斉に掃除する様は、みんなとっても楽しそう!
半分に割られたヤシの実は、丈夫な「たわし」そのものでした。

力を合わせて舵をきれ!
ヤードを動かすためにロープをひっぱる子どもたち
かけ声と共に、デッキをヤシの実でお掃除
船のエンジンを動かす体験も!

船の仕事につくために・・・船の学校のお話し

船の見学や体験を終えて、もう一度船内の教室へ。
「なんで船はこんなに長くて大きいんですか?」
「食事の時のデザートは何が出るんですか?」
「船のデッキはなんで平じゃないの?」

次々に子どもたちから質問が飛び出し、それに一つずつ丁寧に答える船員たち。

質問タイム終了後は、海技教育機構の学校説明へと続く。
詳しくは同機構のホームページをご覧いただきたいのですが
船の技術を学べる場所は中学を卒業してから入学できる学校が全国で3校あり
その内のひとつは千葉県の館山にあることを
私はこの日初めて知った。

「学校に入って卒業すれば、就職率は100%。
機関士や航海士になって、船に乗り込めば、部屋付き・食事付きです!
わりと、初任給も良い方。でも、航海士の成り手は不足しているんです。」


今回のワークショップを企画してくれた、サービスグラント・ソーシャルアクションアカデミーを卒業した藤田さんは、そう語ってた。
藤田さんとCOCOPORTAがご縁で繋がり、プロボノで藤田さんが経験した航海士の仕事体験を、海技教育機構の協力のもと実施されるまでは
航海士になる方法など、全く考えたこともなかった。
私にとって船は「乗る物」で有ったけれど、今回のことをきっかけに「職業」としての視点を得ることができたのは大きい。

実は、3月の座学トライアルから実船でのワークショップ体験を得て
船の大学に進学することを人生の選択肢に含めた子どもも現れた。
もともと子ども自身が、乗り物に関連する職業を目指していたけれど
船のワークショップを体験する前までは、
就職先に航海士という選択肢は無かったという。
藤田さんとのワークショップで「船の仕事」に触れ、そこで初めて認識をし
船の仕事に興味が湧き始めたそう。
海技教育機構から受け渡された学校のパンフレットを
真剣に見ていた子どもの姿が印象的でした。

船の大学をめざす里子が撮った写真の一枚。航海士への強い眼差しを感じる素敵なショットです。

大人の私たちにできること とは何か

将来を選択するのは子ども自身では有るけれど
「こういう世界もある、こんな考え方もある」
というメニューを見せてあげられるのは、
その子どもの近くにいる大人の存在が大きい。

もちろん、子どもの興味が無いものを
無理やり大人のエゴや、大人が叶えられなかった夢を
子どもに託して押し付けるのはもってのほかですが
子どもにとって「興味がない」ということが
既に体験した上での事なのか?
或いはそれ自体をよく知らないからゆえに興味を持てないのか?

その違いを感じ取ってあげる必要があるのではないかと思う。
前者であれば、その子にとっては違う体験が必要とされていて
後者であれば、体験ができるような工夫が必要なのだと思う。

簡単な例をあげると、
子どもなら誰でも好きそうなオムライスを作ったが
子どもが食べなかったとする。
この時点では、子どもがオムライスを食べない理由は
味が嫌いなのか?見た目なのか?大きさなのか?匂いなのか?
いろんな理由が考えられるけれど、食べない理由をよく考えずに
「この子はオムライス嫌いなんだね」っと大人が判断した時点で
次にオムライスを体験する機会は少なくなるし失われる。

じゃあ、どうしたらいいのか?といえば
「オムライスが嫌いな原因ってなんだろう?」
を長い時間がかかっても探っていくことなんじゃないかと思う。
それは、何も無理やり「克服させよう」という事ではなくて
理由がわかれば工夫次第でオムライスを食べることが出来るかもしれないし
或いは、他に類似する「嫌い」を避けることができるようになるかもしれない

結局何が言いたいかというと
こども自身が分からない、まだ出会ったことがない体験を差し出せるのは
側にいる大人であるということ。
そして、子ども自身が真に欲している体験は何なのかを
根気よく一緒に探して行くこと。
それが大人の私たちに出来ることではないでしょうか。

これからも、誰かの未来の体験につながるワークショップを
人や企業と繋がりながら
創造していきたいと思っています。


今回ご協力いただきました海技教育機構のホームページです。
船の学校の事など詳しく紹介されています。








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