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英雄マスード

今から17年前の2004年、パキスタンのラホールからトルコ・イスタンブールに向けて陸路旅をした事があります。同時多発テロ後にアメリカの空爆を受けたアフガニスタンには1週間ほどですが滞在しました。

その頃戦場カメラマンに憧れて本や映画、写真集を読み漁り特に長倉洋海さんのアフガニスタンの写真は大好きでした。清水寺にたまたま行った時にご本人が座ってらして、初めてお話した思い出があります。

アフガニスタンの風景を生で観たい!ってんで衝動性タイプのADHDガール(診断はついてない自称!)は、まず東京のアフガニスタン大使館へビザ申請に行きました。そこで出会ったパキスタン人との会話で「何日にラホール着くの?」と言われ、お応えすると「親戚に空港迎えに行かすわ」とその場で電話をし始めるのです。私も夜に空港着は不安がありました。けど見ず知らずの人にそこまでしてもらって良いのか??と思ってるうちにあれよと話は進み約束してしまいました。

後で分かった事ですが、イスラム教の教えに

旅人に親切にしなさい

ってのがあるそうで、その後隣国のイスラム圏でも数々の親切に遭遇していくのです。教えに従ってるとは言えそこまでする?ってくらい見返りを求めない喜捨の心は衝撃でした。

カイバル峠を超えて山岳をバスで進む間にタタタンタタタンと銃声が聞こえました。身を潜めた私をよそにアフガン人達は「アレはタリバンの射撃訓練や」と気にしてない様子。銃の音は慣れっ子になっているようでした。

切手は北部同盟のマスード将軍。空港には当時のカルザイ大統領よりも大きく彼の肖像画が飾ってあり英雄扱いでした。

今のアフガニスタンの情勢をニュースで耳にしますが、先日の新聞にこの切手のマスードの息子さんがタリバン対抗勢力のリーダーだと書いてありました。あれから20年近くたっても内紛続いているんですね。完全に日本で平和ボケしてるなぁと思いました。

因みに写真は空港に迎えに来て下さった方の妹さんです。見知らぬ東洋人を快く泊まらせて下さったのが今でも良い思い出です。

比較的平和だった西部ヘラートのパン屋さん。なんて事ない日常が守られるよう願ってます。

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