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設計料の変更について

2023年の年末に、設計料を変更させていただきました。

大きく変化したのは、私が地元のハウスメーカー勤務から設計事務所へ転職したことにあります。以前の私はプランニングをしプレゼンをするという機会がほぼ無かったため、自分のトレーニングと腕試しを目的としていました。
ご協力いただいたご家族と実際にやり取りを重ねるうちに、自分の実力不足を痛感し、もう一度設計事務所へ戻る決断をしました。

この1年間の日々は毎日が目まぐるしく、一瞬で過ぎ去ってしまうほど濃密な時間を過ごしています。
と同時に、改めて設計事務所に勤めている私の「架空の設計事務所」とは一体どんな役割・目的があるのだろうか?と考えました。

行っている作業は、大筋は実際の設計事務所と全く同じです。違うのは、「会社」としての判断・答えを提示しているということ。「私」だけの意見・判断ではない、ということの安心・保障・信頼、そして責任が違います。「架空」ですので、上記のものがとても弱いのが正直なところです。

ただ、ご依頼いただいた方のご要望を具現化することについて、手を抜いたことはありません。自分ひとりではありますが、考え得る可能性・もっと良いものを目指して、その時のその瞬間の私にとってのベストをご提案してきました。「架空」だろうが、「実在」していようが変わりはありません。

その「覚悟」を見えるようにするため、設計料を変更させていただきました。これは、自分自身へのプレッシャーでもあります。

今までは1つだったものを3段階に分け、それぞれに設計料を設けました。世間には「無料でプランニングします」とうたっているメーカーさんや工務店さんもいらっしゃいます。しかし、「あなたのためだけのプラン」であるとは限りません。年間100件近く、あるいはそれ以上建てている会社であれば山ほど事例があります。分譲地であれば尚更、綺麗な四角形の土地がほとんどで間口もさほど変わりません。それであれば、今までの事例の中に「ほぼ同じ要望の物件」は存在します。それを提示している可能性もあります。
もちろん、それは悪いことでは決してありません。働き方改革、コスパ、タイパなどが要求されている昨今では、そうやって大枠を捉えることは会社として重要なことだと思います。

そこが、大きな違いです。私は「あなたのためだけのプラン」を提示しています。あなた達家族だからこそ・その土地だからこそのプランです。


また、私は設計料をいただくことで、遠慮することなく話せるようになると考えています。
「無料なのはどこまでなんだろう?」「こんなことまで聞いていいのだろうか?」
と不安になることなく、「設計料を払っている」という事実があれば堂々と聞けるし、意見も言いやすくなると考えています。
それは、お客さまだけでなく私も同じです。家づくりはその家族を「丸裸」にしてしまいます。だいたいの収入や細かな生活スタイル、家族の特性など、かなりプライベートなことまで突っ込んでいきます。
だからこそ、こちらも躊躇してしまうのです。「相談」と言っても、どこまで言っていいのか?余計なことかもしれない、と。変な探り合いや忖度していて不完全燃料になるのも勿体ないです。

家づくりのためのヒアリングや家族での話し合いは、時間がかかってしまいす。限られた貴重な時間をいただきます。遠慮や忖度することなく、フェアに家づくりについて話しましょう、楽しみましょう。

架空ではありますが、皆さんの家づくりを少しでも後押しできるよう尽力してまいります。もちろん、実際に建てたい!場合は、私が勤めている設計事務所で日本ならどこでも責任を持って建てられます!(これが一番の変化ですね)

どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。

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