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Back to the world

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1980年代半ば。『ガープの世界』を愛読している高校生・藤尾純、通称ジェリーは劇的な出生ゆえか夢見がちな性格である。 個性派揃いの高校に通い始め、青臭く多感な毎日を過ごしている。…
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#創作大賞2023

Back to the world_021/そこかしこでテントをおっ立てた衝動、逃走、ミステリー

 母が叩く宗教の団扇太鼓の音も、今日は聴き慣れた心地よいリズムとして耳に入って来るーー。…

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Back to the world_010/雅なメガネ拭き、ショーグンになる

「UFO写真あんだって?うひっ」 昼休みには早川にUFO写真を見せた。 入学してすぐ、純のことを…

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Back to the world_009/龍とUFOと竹槍

 2枚目の集合写真の中の鴨沢は顔がブレていて、地面に突いた竹刀を握りしめていた。UFOに対し…

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Back to the world_008/何でもない日に

 5月の教室は落ち着いて来ており、昼休みも普段通り気の合う仲間同士がのんびり過ごしている…

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Back to the world_003/アニメ軍団

                ○ 「え、マジで…」 佐内は驚いて一瞬純の顔を見たが、す…

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Back to the world_002/老人

地上ーー。  妊婦は横向きの優先座席に座っており、できうる限りに身体を縮めて手提げ鞄を抱…

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2年前
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Back to the world_001/ファイヤーバード

地上何メートルか上ーー。  サイドブレーキが甘かったのか、首都高速の停止エリアから金色のファイヤーバードが滑るように動き始めた。登坂車線を行くぬらりとした動きは無人のせいであろう、独特な無意思の揺れがあったーーにもかかわらずスピードに乗ったトラックや軽自動車は、状況に気付かずに脇を走り抜けて行く。高速道路脇の非常電話を使っていたファイヤーバードの運転手ーーパーマヘアの男がやっと異変に気づいた。受話器から手を離して慌てて走り出す。 次々走って来る後続車のスピードにまごついて