精神科で初診を受けるためのガイド(特に発達障害疑い向け)
書いてる人はADHDとLD(さんすう)で精神福祉保険手帳2級です。
●どのタイミングで行けばいいのか
「なるべく早く」
特に未成年は年金などの福祉金に関わるので、できる限り成人前が良い。
成人してしまった人は残念、筆者も仲間なので気にするな。
だが、手帳を申請するにも早いほうが有利、成人も早く行け。
また、詳しくは後述するが、精神科は基本医者ガチャである。
精神を本格的に病むと通院する体力はなくなり、万が一ヤブ医者にあたった場合次の医者を探す体力がなくなって詰む。
発達障害もどうせ絶対に治らんからこそ、精神が健康なうちに行くこと。
●手順
①病院を探す
②医者に行く
③診断もらう
●必要な金額
20000~
薬代別、3割負担計算
病院によっては初診料5000円とか取られる
なおMRIが一番高い
●診断までに必要な時間
医者の予約状況による
一か月は覚悟したほうが良い
①病院を探す
☆大前提
心療内科 ←あくまで内科(心に起因する体調不良に対処)
精神科 ←精神科(心の問題に直接対処)
体が治っても心が治らない人は精神科へ。
●近所の精神科を全く知らない場合
まず「発達障害支援センター (お住まいの県名)」で検索。すると各県の発達障害支援センターのサイトがでてくる。
そこのどこかに「発達障害を見てくれる病院一覧」がある…かも。
無いor見つからない場合はおとなしく支援センターに電話。
☆公的サイトに病院一覧あった場合
→身近な病院に「成人のADHDの診断」が可能かどうかを電話で聞きまくる(子供しか見てないところが意外とある)
●近所に精神科がある場合
必ず電話で成人の発達障害の診断をやっているか聞く。
場合によってはこの時点で違う病院に回される。
◎①のトラブルシューティング
・電話口でなんて言えばいいですか?
→「自分自身の発達障害か精神疾患を疑っているので受診したいのですが」
・見つかったはいいけど予約で数か月待ちなんですが…
→仕様です
・近場に見つからない!
→田舎は……詰みですね……
申し上げるのも心苦しいですが、遠くまで……通ってください……
・とにかくみつからない!
→最終奥義、役所の福祉課に聞く。
この手の事業を役所が担っていることはとても多い。市の広報やホームページにとかに生活お悩み相談の電話番号が乗ってることもある。
だが、精神科に行くような人にこれは重労働だ。体力が要る。
・精神科の電話口の人が高圧的でもう無理…
→インフォメーションの態度が合わない医者はほぼ外れなのでチェンジしてください
②医者に行く
●医者に行く前にやること
自分に起きている問題、生活に困っていることをリストアップする。
起きれない、仕事の失敗が多すぎる、奇行をしてしまう、幻聴や幻視がある、など。
気分が沈むとか、しにたい、とか感情の問題でもいい。
ヤバイ汚部屋に住んでいる人は写真撮っていってください。
発達障害疑いの場合は自分の過去の問題も書き出しておく。
●リストの作り方
特に発達障害かどうかの判断は
「7歳以前から症状があったかどうか」
「別の疾患ではないかどうか(主に高次脳機能障害、統合失調症、鬱、双極性障害、その他いろいろ)」
などをしっかり見る。可能なら親や親戚、兄弟など、自分の幼少期を知る人物に協力してもらって、昔を思い出して怪しいところをリストアップしてもらう。
なおこの作業は当事者とは別々でやった方がいい。
話し合ってしまうと、お互いにわけわからなくなることが多い
実際医者に提出するまでお互いの内容は見ない。
昨今精神科は満員御礼のため、一人あたりにとれる時間にはどうしても制限がある。
診察室で細かいことを思い出す時間がないことが多い、なのでてっとり早くレポートにして医者に提出する。
気になるところは医者が勝手に突っ込んで聞いてくれる。
●受診当日の持ち物
・↑のリスト
・親(可能なら。あるいはそれに類する人物)
・自分の過去がわかるもの(可能なら。無いなら仕方ない)
ex)通知表、日記、模試の成績…
・折れない心
●受診の大体の流れ
1、受付。だいたい問診票を欠かされる。
2、問診。医師と個室でお話する。書類はここで渡そう。
3、次の受診日の予約。だいたいこれをやって問診が終わる。病院によっては宿題に質問リストを渡されたりするかもしれない。
4、会計。お疲れさまでした。
◎②のトラブルシューティング
・諸事情で親を連れていけない
→上記のように昔を思い出して思い当たることをできる限り箇条書きにして持って行く
・親が非協力的です…
→それを医者に言ってください
しかしやはり過去情報は親が最強なので可能なら説得して親を連行したいところ、初回では親対策も医者に相談したい
・親が毒親で接触はとても無理
→それも医者に言ってください
幼少期に重大なトラウマがある場合、それが原因で実は発達障害ではなかった、ということも多々ある。毒親持ちは、苦しいでしょうが毒親の毒エピソードも全部書き出してください。
・医者が…微妙…
→クソ医者はいます
外れを引くことは覚悟してください、元気なうちに受信しておいたほうがいい理由です。「マジでダメだこいつ!」と思ったら①に戻ります。
・緊張して医者と話せません……
→最初に言えば筆談対応してくれるところ多いです
最初からメモに「筆談お願いします」って書いてスッと出す。
③診断をもらう
やったぜ。
カウンセリングや別個の療法や投薬、ケースワーカーを紹介してもらったりして自分の問題に対処しよう。
☆☆精神科通院の心構え☆☆
◎医者との信頼関係~なんでも話してみよう&嘘を言わない
精神科医との信頼関係が無い通院は虚無と同義。
話したくないことを聞かれたら、素直に「うまく言えません」とか「話す勇気がありません」とか「わかりません」とか「話したり思い出したりするのが怖いです」と言おう。答えられないことに適当なことを言って流してしまうのが一番良くない。
それから、客観的には小さなことかもしれないと思っても、自分の気持ちが大きいことについては医師に話してみよう。そして話をきちんと聞いてくれない医者はヤブです。
◎精神科の薬は、ガチャ
精神科の薬は基本的にガチャだ。効く効かないと、副作用の有無は、個人差が激しい。どれがSSRなのかは人による。
大事なことは、「勝手に辞めない&勝手に増やさない」。薬を飲んでおかしいと思ったら病院にすぐ連絡すること。病院がだめなら薬を処方してくれた場所の薬剤師。薬の変更や中止の指示、あるいは次の通院の調整などをしてくれる。
「飲み忘れが大量に溜まっている」等の場合も医師に報告して、処方を調整してもらおう。自分で数えられない場合は、薬一式持っていけば看護婦さんなどが数えてくれる。医療関係者も薬の扱いが雑な患者に困っていることが多々あるので、きちんと報告すると中の人にありがたがられることが多い。
◎医師は福祉情報には明るくないことが多い
特に行政には「頼まないと出てこない情報」がめちゃ多い。
診断をもらったら、手帳や年金などの行政支援について聞きたい場合、ソーシャルワーカーに依頼するか、病院がソーシャルワーカーを手配できない場合は直接役所の福祉課に行ってみたほうがいいかもしれない。
☆よくある質問☆
(2020/9/28現在)
Q.「このnoteを医者に見せてもいいですか?」
A. いいよ!
このnoteが信用できない場合は医者に真偽を問うてもかまいません。
というか、私はあくまで当事者でしかないので、身もふたもないことを言うと、「障害者当事者より医者が言うことのほうが信憑性は高い」です。
私より医師の指示に従ってください。
Q.「診断を受けるメリットってなに?」
A. いっぱいある
・健康な人or健常者のふりをする必要がなくなる
・医師やカウンセラー、作業療法士、ソーシャルワーカーなど、各種のプロに人生の救援を受けられる
・薬ガチャでSSRが出ると人生が改善する
引くまで回す精神。
・手帳が出ると金銭面が助かる
実は映画とか娯楽施設も安くなる、障害者割引ありがたい
・じつは就労支援もある
これは自治体によって違うので、詳細は君自身の目で役所で確かめてくれ。
A. 逆に、未診断のデメリットはめちゃくちゃでかい
・精神疾患の未診断者を狙った詐欺師が多すぎる
未診断はネギ背負った鴨がコンロと鍋を抱えている状態です。そうでなくても、悪意のある人間というのは、自分より弱い相手を狙います。
しかし診断済みなら、例えば偽医療に迫られたときに、「主治医に相談します」と言えれば、相手は逃げていくのです。
精神疾患及び発達障害の診断は、私達が正当に身を守る手段です。
・コミュニケーションにエラーのある人が死にかけた例を実体験した
私の父は発達障害の診断拒否者なのですが、癌になったときに、主治医が「あなたのお父様と会話が成立しない」と言って家族を召喚しました。
運が悪ければ、コミュ障は直接致命傷になります。そのときかかる医療費も増えます。
Q.「発達障害や精神疾患の診断が出たら、健常者として生きるのは無理ですか?」
A. 職場や学校、家族にすらに告知する義務はありません。
おすすめはしませんが、診断だけとって隠しながら生きることも可能。
ですが税金の控除などを受けるのが難しくなるので、おすすめはしません。まれにですが、会社に告知して自身の雇用形態を障害者雇用に切り替えさせる猛者もいるそうです。
Q.「もう中年or老人なのですが……」
「セクシャルマイノリティですが……」
A. 年令や性、人種などに関係なく、医療は頼れます。
ちなみに筆者はシス女性のアセクシャルです。
Q.「私って発達障害の可能性ありますか?」
A. その質問を医者に聞きに精神科に行ってください
Q.「お金がないのですが」
A. それ、どうすればいいのか私も本当に知りたいです……
本当にお金がないけれど医療が必要な場合、役所が最低の利子で課してくれます。消費者金融などに頼まずとにかく役所に行ってください。
~おまけ、実際に受けてみた・2013年11月のログ~
→病院探し
愛知県の発達障害支援センターと格闘して逝ける距離に病院発見
幸運にもそこが家族が別の病気でかかってるところだったのでそこへ
これはほんとにラッキー
→病院に行ってから
・初診(2013/8/11)
母と一緒に受診
心理検査の紙をもらう、宿題
MRIの予約を入れる
ADHDについての基本的な説明を受ける
帰宅後母が思い当たる症例(?)をA4用紙2枚に渡って箇条書きに
・二回目(2013/8/31)
MRI。ここで一番お金がかかる
金属類の持ち込み厳禁
・三回目(2013年9月の…忘れた)
知能検査
私の時はWAIS-Rというやつだった
所用時間1時間半~2時間
・4回目(10/18)
いよいよ診断…のはずだったんだが
宿題にもらった心理検査の紙を忘れてくる。(ドクターもこれには苦笑)
一回休み
・5回目(11/1)
診断。
なお実は知能の総合値は3桁合った模様。
だがしかし数字は…ついでに運動もヤバイ
実際数学はLD(学習障害)か?ってぐらい怪しいのでのちに再検査もありうる
(3+5とか間違える、よく大学に入れたな)
ストラテラって薬をもらう
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