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読-1 『ルックバック』

・多くは語るまいと思っても語っちゃう、そういうやつ。

・過去のできごとが反映されているのは間違いないと思うけど、明言されていないことで何を重ねるか/重ねないか私に委ねてくれるのがありがたかった。

・どんな大きなできごとでも、そこにあるのはひとつひとつ固有の人生だ。数字が分解され沢山の1になり、その1がそれぞれ物語を纏う感覚。

・願わくば犯人にも物語があることが伝わりますように。

・職業柄どうしても気になることはある。作品上で直してくれというより、その人も京野と同じように固有の物語を背負った人間であると、どうか読む側がイメージしてくれますようにと願う。極悪なバケモノではなく。

・わたしは背景にあるだろう京アニ事件ではなく、ごくごく個人的な体験、取り返しのつかない喪失や許す機会を永遠に失った人のことをまず思った。

・廊下に積み重なるスケッチブックの山、季節を跨ぐ背中、そういうものに強く心を揺さぶられた直後にゲームして昼寝できる、そういう人生を送っている。

・長い時間かけてようやく、そんな自分を(まぁまぁ)肯定できるようになった。



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