エクセルで作るハニカムマップが戦略マップに変わる瞬間


エクセルを使ってハニカムマップを作成していると、自然と戦略的な思考が働き、戦略マップと非常に類似したプロセスを辿っていることに気づきます。このことから、ハニカムマップが単なる視覚的なツールに留まらず、戦略マップとして機能する可能性を持っていることが分かります。

戦略マップとは何か

戦略マップは、組織やビジネスの戦略を視覚的に示すためのツールです。バランススコアカード(BSC)という業績管理手法で用いられ、以下の4つの視点に分かれて構築されます:

  1. 財務の視点: 収益性やコスト管理、投資のリターンなど、組織の財務目標を中心に据えます。この視点は、企業の成長や利益をどう確保するかに焦点を当てています。

  2. 顧客の視点: 顧客満足度、ブランド認知、顧客獲得率など、顧客に対してどのような価値を提供するかを考えます。顧客が求める製品やサービスをどのように提供するかを明確にします。

  3. 業務プロセスの視点: 効率性、生産性、品質管理など、内部業務プロセスの最適化に焦点を当てます。この視点は、組織の業務がどれだけ効率的か、また戦略目標を達成するためにどのプロセスを強化すべきかを示します。

  4. 学習と成長の視点: 従業員の能力開発、企業文化、技術革新など、将来的な成長を支える要素に焦点を当てます。この視点では、組織がどのようにして持続的な成長と革新を支えるかが中心となります。

これらの視点を通じて、戦略マップは組織の全体的なビジョンや戦略を達成するための道筋を示します。

ハニカムマップの特徴と戦略マップとの違い

ハニカムマップを作成する際、項目ごとに区分を設け、関連性を明確にしながら進めることで、自然と戦略的な視点が浮かび上がります。しかし、ハニカムマップが戦略マップと異なるのは、その視点がビジネスや業務の枠を超え、より広範囲にわたることです。

ハニカムマップでは、組織内の視点にとどまらず、プライベートな領域も含まれます。例えば、家族の視点地域社会の視点所属団体の視点など、あらゆる生活や活動の側面をカバーします。これにより、個人や組織が追求する目標が、ビジネスだけでなく、生活全体にどう影響を与えるかが見えるようになります。

項目の区分と明確化

ハニカムマップを作成する際、各項目を分類し、それぞれの境界に罫線を引いて区分することで、情報が整理され、縦と横のつながりがより明確になります。例えば、A列のセルを結合して名称を付けることで、全体の構造が一層理解しやすくなります。こうした視覚的な区分は、戦略マップの各要素を明確にするための基礎となります。

時間軸と未来志向

ハニカムマップの横軸を時間軸として設定し、右に進むにつれて未来を表現することで、現状と未来の両方を一つのフレームワーク内に可視化することができます。これにより、現在から未来に向かって進むプロセスや、各ステップにおける取り組みが六角形のセルに反映され、戦略の道筋が明確に描かれます。

戦略マップとの共通点

この過程で、ハニカムマップが戦略マップと同様の視点を提供することに気付きました。戦略マップでは、組織の目標を達成するために、各視点がどのように相互に関連し合うかを示します。同様に、ハニカムマップでは各セルが特定の目標や活動を表し、それらが縦横に関連付けられています。さらに、遠く離れたセル同士の関連を矢印で示すことで、全体的な戦略のつながりが視覚化され、より具体的な戦略計画が浮かび上がります。

広がりの重要性

ハニカムマップは、戦略マップが特定のビジネスや業務に限定された視点を持つのに対し、広範囲な視点を取り入れることで、生活全体を視覚化します。この広がりは、各視点を細分化し、具体的なアクションプランを詳細に描くための重要な要素となります。

ハニカムマップは戦略マップだ

ハニカムマップをエクセルで作成する過程は、実質的に戦略マップを作成することと同じです。各項目を区分し、時間軸を設定し、関連性を視覚化することで、戦略的な全体像がより明確に把握できます。しかし、ハニカムマップの最大の特徴は、その広範な視点を持つ点にあります。組織やビジネスに留まらず、プライベートな領域や地域社会、家族といった多岐にわたる視点を取り入れることで、生活全体の戦略を描くことができるのです。

このように、ハニカムマップは単なる視覚的な整理ツールを超えて、戦略的な洞察を深めるための有効な手段であることを、ぜひ実感していただきたいと思います。

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