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退職読書日記#24 無職エアポケット 2024.6.3

6月3日(月)
くもり、夕方から大雨。今日から三日間、人生のエアポケットのような無職期間だ。こんな穏やかな気持ちの朝もないだろう、という予想をバッサリ裏切って乱気流の朝。子供、不機嫌。

支度を放棄する。七歳児は数少ない手持ちのボキャブラリーを駆使して私を罵倒する。私は途中まで「なんとでも言ってくれ」と釈迦のように泰然としていたが、あまりにひどくて最終的にキレた。

私の脳内で欽ちゃんの仮装大賞のパネルメーターのように、トゥントゥントゥン…と我慢の数値が上がっていき、合格の音とともに「いいかげんにしなさい!!!!!」となるシステムである。

いや、ほんといかんなぁ。怒ったところで「はい、わかりました!」と娘がそそくさ支度して機嫌よくなることはなし。よくて変わらず、たいていはさらに反抗的に機嫌悪くなって態度が硬化して事態は悪化するんだから、忍の一文字でなんとかやりすごすべきなんですけどね。

で、あとからああやって不機嫌を人に当たるのはしてはならないものですよと諭すと。わかっちゃいるんですが私も未熟なもんで我慢がぷちんとね。

機嫌よくしよう、にこにこして過ごそう。何億回か目の誓いをして娘を送り出す。待ち合わせには遅刻したが学校には無事に登校。

9時の時点ですでに疲労。家事をする手も緩慢。掃除が中途半端なまま接骨院へ。いつものとおり体の調子をみてもらい、メンテナンス。電気ビリビリしながら「さみしい夜にはペンを持て」を読んでいたはず。

その後聞きたいことがあり銀行へ。新しい勤め先で必要な口座も開設しようと思っていたが予約なしでは大変に待つらしいので聞きたいことだけ聞いて退散。日用品の買い足しをして帰宅。あちこちにアジサイが咲き始めている。まだ色付いていないクリーム色の花(ガクですが)を見て、これはいったい何色になるか、娘と予想し合うのが楽しい時期だ。私はどの色も好きだけど、青が一番アジサイっぽい。

アジサイの思い出といえば、子供のころ陸上自衛隊員であった父親が演習(山にこもって数日間かけて実地訓練する)から帰宅し、私に「お土産だぞ」と超特大のカタツムリをくれたことがあった。

父の出張といえば、それはだいたいにおいて演習を指しており、つまり出張のお土産は山で採れる何かであった。山菜とか。虫とか。

その時のお土産はデカいカタツムリであり、そしてそいつが私の飼った初めてのペットとなった。

私はペットのお世話に精を出した。まず、朝起きるとケースのなかのカタツムリを観察。すぐに団地の階段を下りて外の花壇に生えている朝露に濡れたアジサイの葉を数枚とってくる。ケースの中のふんに汚れた葉を捨て、朝採れの新鮮な葉を入れる。

懐くことはなく、ワンともニャーともキュウとも鳴かぬヌメヌメとしたペットであったが、私はちゃんとサボらずにお世話をしていたものだった。あのカタツムリ、最後どうなったんだっけ。ほんとデカかった。


まだまだ発作のように咳が出てつらい。薬は飲み続けている。家にあるもので適当に昼ご飯にし、家事の残りをやっつけた。

初速初動が大事だよな、とじみじみ実感。家事も、一日休みだと思ってちんたらやっていたら、だらだらと片付かなくて気持ち悪い。ゆっくりやるのが悪いわけじゃなくて、私の性格的に最低限すると決めたことはさっさと済ませたほうがメンタルにいいとわかってるというはなし。

…とかそういうことを日記に書いたり、もやもやすることをジャーナリングしたり、アプリで口座開設手続きをしていたら娘帰宅。小学2年生の帰宅は実に早い。

規則正しく朝から登校して、基礎的な勉強とワークアウト(体育)、アートや芸術を感じ(図工、音楽)、バランスの良い食事をとって過ごしてくる小学生のルーティンってすごいよな。

娘は帰宅後なによりもまず本を読み始めた。ランドセル片付けて~、連絡帳見せてくれ~、明日の準備してくれ~、宿題やるべ~、という私の言葉はリビングの空気に霧散。空気清浄機に吸い込まれていった。

まあしばらくはゆっくりしてもかまわんだろうと思っていたが、これがいつになっても何にもやらん。そのまま夜に。◯時になったら一回本置いて、やること先にやろうね!ウン!という約束を3回ほど反故にされバトルに。猛烈に怒り過ぎて大反省。

最終的には宿題と公文のドリルもやって、ご飯食べてお風呂入って、仙台のお友だちとテレビ電話して就寝。テレビ電話ではお互いフィルターで遊んでいて会話していなかった。

私は布団に入ってから花村萬月の本をちょっと読む。すぐに疲れて寝てしまった。咳が、まだ出る。


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