見出し画像

ゲー選かけ流しvol.11 『Picross -Logiart Grimoire-』

ゲームの選評を気の向くままにチビチビとかけ流す、ぬるま湯スペース。
今回は『Picross -Logiart Grimoire-』。

イラストロジックゲーム界の老舗、ジュピターが手掛けるピクロス新作。ピクロスSシリーズと一味違う本作の特長についてまとめておく。

<筆者のイラストロジックプレイ歴>
・ジュピター製のピクロスシリーズを中心にプレイ
・ピクロスSシリーズ1~9までクリア
・IPコラボ作品も一通りクリア
・本作は全問クリア済み(プレイ時間40時間以上)


「ピクロス」と「合成ゲー」を"合成"した変わり種

本作は魔書グリモワールを復元しようと奮闘するエミールを手助けするのがメインの目的。

グリモワールの復元には、ロジアート(ピクロス)を解く事で得られたキーワードをフュージョンして(組み合わせて)、新たなロジアートを合成するという一風変わったプロセスが必要となる。

キーワードを組み合わせて新しいロジアートを合成。
失敗した場合は再フュージョンまでの
クールタイムが発生する。

3DSのピクロスeシリーズ、SwitchのピクロスSシリーズがピクロス一覧から好きな問題を好きな順番で好きなように遊べる一方、本作は
・開放済みのロジアートを解く
・キーワードを合成してロジアートを生み出す
のサイクルを繰り返す事になる。

フュージョンを楽しめるかどうかが
本作の評価に対する大きな分岐点。

ピクロスだけを黙々と、淡々と遊びたい生粋のピクロスガチ勢にとっては、キーワードをフュージョンするというプロセスが冗長に感じるかもしれない。フュージョンも頭をこねくり回すような推理・パズル要素は少なく、殆どのフュージョンはすぐに解明できるものばかり。そういったところもあって、「フュージョン機能、要る?」と思える瞬間も無くはない。
(もっとも、そういう人はそもそも本作を購入しないと思われるが…)

筆者としてはロジアートをガンガン進めるフェーズとフュージョンに明け暮れるフェーズとを繰り返しながら遊んでいたので、どちらも中だるみせずに遊びきれた。
筆者同様ピクロスSシリーズを遊び慣れたプレイヤーは、普段と違ったテイストを新鮮に感じられるかもしれない。

問題を解いた後、エミールがコメントしてくれる事も。
ピクロスシリーズでは見られなかった
コミュニケーション要素。

ボリューム満点のおまけ

本作はメインモード以外のおまけが豊富。ロジアート倉庫では、フュージョンに失敗した時に生成される事がある「失敗作のロジアート」を解く事ができる。失敗作なので完成したアートのビジュアルに難はあるものの、ピクロスとしての遊び応えは変わらない。

「芸術的な失敗作」って何だ。
あうぅ~!って恥じらうエミール、カワイイ。

メッセージモードでは大小さまざまなサイズのロジアートを遊ぶ事ができるが、これらはSteam版開発の際にクラウドファンディングのバッカー(支援者)の協力によって設けられた問題。支援者からの贈り物と言ったところ。

メッセージモードで遊べるロジアートはバッカーの気前の良さ(?)に応じてサイズが大きくなるため、いつものピクロスシリーズよりも大きなサイズのアートを多めに楽しむことができる。そのため、本作はピクロスシリーズの中でもボリューム感は上位に入るだろう。

クラファンのおかげで遊べる大型ピクロス。
バッカーのみなさん、あざーーーす!

おわりに

いつものピクロスSシリーズとは一味違う形でリリースされた本作。いつものピクロスシリーズにやや食傷気味な人にはフュージョンが良いアクセントになるのではないかと思う。大きなサイズのロジアートもあるので、ピクロスガチ勢にもリーチする内容。

本作を一言で表すならば、
クラファン支援者と共に新しい遊びを模索したピクロス
である。

同じコンセプトの作品が出る日は来るのか。
エミールが再出演する日は来るのか。興味は尽きない。

本作の選評は以上。
次回もよろしくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?