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ゲー選かけ流しvol.2 『怒首領蜂大往生 臨廻転生』

ゲームの選評を気の向くままにチビチビとかけ流す、ぬるま湯スペース。
第2回は『怒首領蜂大往生 臨廻転生』。
発売から2週間ほど。熱のこもっているうちに感想をまとめておきたい。

<首領蜂シリーズプレイ歴>
・シリーズ作品は『怒首領蜂II』以外はアーケード版で1コイン1周クリア
・シリーズ最高到達点は『怒首領蜂大復活』の裏2周ALL
・『怒首領蜂大往生』は2周目5面道中まで
・本作プレイ時間は10時間以上、プラチナトロフィー取得済み


根強いファンが多いシリーズ代表作の移植

シューティングの雄である東亜プランの遺伝子を受け継ぐCAVEの代表作、「首領蜂」シリーズ。その中でもとりわけ歯ごたえのある1周目の難易度、シビア過ぎる2周目の仕様、ラストに控える「緋蜂」の強烈なインパクトでアーケード版稼働当時、名だたるシューター達を絶望の淵に叩き込んだ『怒首領蜂大往生』。

シリーズの中でも根強いファンが多く、2002年稼働のゲームながらも、今も稼働しているゲームセンターを見かけるほど。
PS2、XBOX360など、CAVEシューティングの中では移植も多い本作が、満を持して最新ハードでも遊べるようになった。

シューティング史に名を刻む
『怒首領蜂大往生』の移植作。モードも豊富

本作はエムツーのシューティングブランド「M2ショットトリガーズ」(以降、ショットリ)からリリース。文字通り「転生」した怒首領蜂大往生の魅力をモードごとに語っていきたい。

安定感と安心感のあるアーケードモード

<ARCADE MODE>
アーケード版を忠実に移植したオーソドックスなモード。PS2版はアリカが移植度にこだわり抜いて作った丁寧な仕事っぷりが高い評価を得ていた。臨廻転生はPS2版ともタメを張れる移植度で、アーケード版をシリーズで一番やり込んだ筆者の目には全く違和感を感じない完成度。本作のアーケードモードで1周クリアできればゲーセンでも1周できる事は間違いない。

<ARCADE CHALLENGE>
ショットリ恒例のチャレンジモード。アーケードのステージをエリアごとに分割し、エリア単位で小分けに練習を行う事ができる。被弾すると少し前から強制的に復習させられるリワインド機能があり、苦手な個所をしっかりと反復練習できる。アーケードデビューしたい人はこちらもおススメ。コンボが切れるとやり直しとなる本作独自ルールも搭載しており、中~上級者の上達にも役立つ。痒いところに手が届く親切設計。

ミスしたら少し前からやり直し。"できるまで頑張れ!"と背中を押してくれる(強めに)。

<ARCADE OSARAI>
ARCADEモードと連動しており、ARCADEモードで被弾した箇所を記録し、そこからリワインドした地点からのおさらいができるモード。ARCADE CHALLENGEよりも個々のプレイヤー事情に寄り添った設計で、こちらもアーケードデビューを志すプレイヤーには嬉しい。

プレイヤー自身が苦手としているポイントが
リストから分かるかも。

原作を再解釈した3種のアレンジ

<ARRANGE S>
ショット強化のエレメントドール、ショーティにフォーカスしたアレンジモード。ショット強化・常時ハイパー発動・ボムなし、とシンプルに徹したモード。残機が増える程に攻撃が激しくなってくるので、ノーミスは結構厳しい。シンプルながら歯ごたえのあるモード。

撃つだけ、避けるだけのシンプルモード。
スコア稼ぎは地味にアツい。

<ARRANGE L>
レーザー強化のエレメントドール、レイニャンの持ち味を活かしたアレンジモード。中型機にレーザーを当て続けて転生ゲージを溜めて破壊すると敵弾が得点アイテムに還元される。

近年では当たり前になった敵弾 ⇒ 得点アイテム変換システムも、怒首領蜂大往生では発生する局面が少なく、それゆえに難しかった。本アレンジは緊張と緩和のポイントが増えた事によって、原作よりも気楽に遊べるようになった。

弾消しって便利ですよね、という事を
アーケード版との相対評価で実感させてくれる。

<ARRANGE EX>
EX強化のエレメントドール、エクスイ専用のアレンジモードは、原作2周目ベースの難易度でありながら、ARRANGE Lの転生レーザーに加えてオートボム・オートハイパー、溜まりやすいハイパーゲージにハイパーアイテム自動回収と、自機のアッパー調整のお陰で想像以上に前に進める感覚が楽しい。程よい歯ごたえを堪能できるモード。

3種のアレンジモードはいずれも、原作からかなり違った味付けになっている。シューティングの基礎体力は鍛えられるものの、原作アーケードモードの修行にはならないかな、と感じた。原作や過去の移植作をガッツリ遊んだプレイヤーの方が新鮮な味わいを楽しむことができそう。

ショットリ恒例イージーなモードと、気軽に楽しめるツーリング

<SUPER EASY MODE>
エムツー恒例のスーパーイージーモード。M2生放送で"怒首領蜂大温情"と謳っていたように、原作の難しさをガッツリと緩和したモードになっている。アーケードの敵配置を覚えるにはちょうど良いけれど、「スーパーイージー卒業生」のトロフィーが取れる腕前になったら、速やかにアーケードモードにチャレンジする事をおススメしたい。

スーパーイージーなら、あの「緋蜂」にも会える。
難易度も人肌。

<LUNAR TOUR>
ARCADE CHALLENGEモードのようにエリア単位に分割されたステージを少しずつ自分のペースで攻略できるモード。アーケードシューティングは1プレイがまとまった時間になりがち。上述した各モードが対象なので、スキマ時間に好きなモードを好きなだけ気軽に遊ぶ事ができるのが強み。

スタンプラリーを楽しむような、お気軽モード。難易度を上げていくと中々に地獄。ツアーとは。

全方面をカバーするアナザーバージョンも収録

<怒首領蜂大往生ブラックレーベル>
通称「黒往生」。全体的に難易度が抑えられ、ハイパーゲージも増えやすくなった。1周ENDにすれば緋蜂にも簡単に会えるようになり、全体的に遊びやすい調整。
出回りの関係でアーケード版で遊べなかったプレイヤーも安心。

<怒首領蜂III>
国内で遊んだプレイヤーがどれだけいるか?海外版『怒首領蜂III』。通常版(いわゆる「白往生」)と黒往生の中間位の調整。ひそかに初移植。

筆者もお初にお目にかかる怒首領蜂III。あ、初めまして。

その他、豊富なアレンジ要素

ゲーム内ビジュアルは原作(井上淳也氏:Ver.2002)とアレンジ(佐藤尚平氏:Ver.2023)から選択可能。
サウンドも原作(ARCADE)、ステレオ版(STEREO 2023)、アレンジ(再生録)から選択可能。本作からCAVEシューティングの作曲を手掛けるようになった並木学氏による名曲群に酔いしれる事ができる。
各種データが閲覧できるMATERIAL ROOMもショットリの例に漏れず完備されており、目と耳の保養になる。

並木学氏の名曲群がステレオアレンジで転生。
シューティングメーカーをもじった曲名がニクい。

まとめ

アーケード稼働から20年経った今でも愛され続けている『怒首領蜂大往生』の最新ハード用移植作として、全方位的にしっかり作り込んできた「臨廻転生」。移植度に対する期待値のハードルが非常に高い作品だが、ユーザーの期待にしっかり応えた完成度だったと思う。

今も色あせない優れたゲームデザインを堪能しつつ、次のM2ショットトリガーズへの期待が否応なく高まる完成度だった。アレンジも豊富なので、興味を持ったプレイヤーにはシューティングの経験問わずオススメする。
シューティング移植作の決定版の一つとして、今後とも贔屓に遊んでいきたい。

名作の名移植。シューターも、そうでない人も、
履修しときましょ。

感想は以上。2023年も残り僅かなので、今年の内に2023年のベストゲームについて記事をアップする予定。

次回もよろしくお願いします。


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