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ゲー選かけ流しvol.7 『プリンセスピーチ ショータイム!』

ゲームの選評を気の向くままにチビチビとかけ流す、ぬるま湯スペース。
今回は『プリンセスピーチ ショータイム!』。スマブラSPのスピリッツ名鑑に本作のピーチが追加されたキッカケでノリで購入。なかなか興味深い内容だったので、クリア後の熱が冷めないうちに選評をまとめておく。

<筆者のプリンセスピーチプレイ歴>
・『スーパープリンセスピーチ』クリア済み
・本作はクリア後のやり込み要素含めコンプリート
・本作のプレイ時間:15時間前後


ピーチが演じる多種多様なスタイル

まず、本作の舞台となる劇場でピーチが演じる様々な役回りについて簡単にまとめておく。
<剣士>
本作の中でも代表的なスタイルである剣士ピーチ。細身剣から繰り出す連撃など、華麗な戦闘が持ち味。
コンボ攻撃とジャスト回避がポイントとなる現代アクションゲーム向けのプレイフィール。ジャスト回避のタイミングはかなりユルめなので、初心者でも安心。

使用するボタンの少なさ、回避タイミングの緩さからも、
ゲーム初心者でも遊びやすい調整が伺える。

<パティシエ>
戦闘アクションのないパティシエピーチは、クッキー作りとケーキのデコレーションで舞台を盛り上げる。
クッキーは連打力と連打ストップのタイミングが命。デコレーションはケーキにクリームを投下するレバー操作がキモ。ホッコリしたビジュアルに反して難易度はややシビア。

こんなバカでかいケーキがあるか!
ブランコに乗りながらデコるメルヘンチックな
パティシエが居るか!…いいんです。姫だから。

<カンフー>
戦闘向けスタイルの中でも手数の多さとアクロバティックなアクションを駆使するカンフーピーチ。
コンボの連撃とポールを利用した回転アタックに加え、ボスキャラとの対決は目押しがポイントとなる。タイミングよく攻撃を繰り出し、アクションスターになりきったつもりで攻略するのが吉。

カンフーアクションらしく、
多数の敵を蹴散らすシチュエーション多め。

<探偵>
パティシエと同様戦闘のない探偵ピーチ。ポイントクリックアドベンチャーのように、会話から情報を収集しつつ怪しい所をチェックし、「おみとおしアタック」で真相を暴いていく。
推理の難易度は低く、捜査に行き詰まる事はないと思われる。

怪しいと思ったらおみとおしアタック!
間違えるとライフが減るが、ゴリ押しも可能。

<忍者>
隠密戦闘を得意とする忍者ピーチ。ステルスアクションのように、敵の死角をついて意識の外から一閃を浴びせていく。
敵の追跡や脱出などの局面では高速で疾走しながら強制スクロールの中でジャンプアクションを行う局面も。やや難易度高めなスタイル。

強制スクロールアクションパートは難しめ。
やり込みのためにリトライを繰り返す事も。

<カウガール>
ムチをつかって遠距離から敵やアイテムをつかんだり投げたりできるカウガールピーチ。白馬に乗り、強制スクロールの中でZ軸を移動しながらジャンプアクションを行う局面が多いため、ややテクニカルなスタイル。

カウガールの強制スクロールは奥行きがある分
考えるポイントも多め。

<マーメイド>
水中を自由自在に泳ぎながら、歌の力で魚たちの力を借りてステージギミックを解いていくマーメイドピーチ。
操作系が独特で、山場では音ゲーの要領で歌を唄うシーンもあり、慣れないスティック・ボタン操作を要求されるスタイル。難易度は高め。

レーティングに配慮した(?)肌の露出感。
まぁ、姫ですから。

<怪盗>
潜入のキモとなるワイヤーアクション、敵地でのハッキングに加え、グライダーによるフライトアクションも必要となる怪盗ピーチは、本編でも指折りの難易度。
ワイヤーによる高速移動が敵地からの脱出で必要となる局面もあり、緊張感のある中で手際よくアクションをこなす必要がある。

グライダーは制御がやや難しい。
『たけしの挑戦状』のトラウマが蘇る人は…居ないか。

<スーパーヒーロー>
スーツを身に纏い、超常的なパワーを発揮するスーパーヒーローピーチは、車を持ち上げ、隕石を砕き、UFOを投げ飛ばす、といった豪快なアクションがウリ。
異星人のボスと対決する際は目押しや連打アクションが必要となる局面もあるものの、全体的にラフに遊べるアクションスタイル。

作中最もスケールが大きくパワフルなヒーローピーチ。

<フィギュアスケーター>
広大な銀盤をスピンとジャンプで華麗に舞うフィギュアスケータ―ピーチ。全スタイルの中でも一、二を争う繊細なレバー・ボタン操作を要する。
スピン・ジャンプポイントを追いつつアクションを決める必要があるなど、複雑な操作が連続するシーンが特徴。ツルツル滑る氷上の操作感にいかに慣れるかがキモ。

スケートは慣性制御しにくく、動くマークに合わせて
スピンとジャンプを決めるのはかなり難しい。

オーソドックスなやり込み要素

本編をクリアするには、各ステージに隠されている「キラメキストーン」を規定数集め、フロアボスへの扉を開く必要がある。従って、クリアだけならキラメキストーンのみ集めれば良いのだが、やり込みとしては以下の要素が存在する。

キラメキストーン集め:ステージ毎のキラメキストーンを全て集めると、アルバム(いわゆるギャラリーモード)にピーチの雄姿が写真として収められるようになる。また、ボスステージ開放後に余ったキラメキストーンは、劇場のデコレーションアイテムと引き換える事もできる。

リボン集め:各ステージに一つずつ隠されているリボンを集めることで、ピーチの相棒ステラの着せ替えができるようになる。

アクションリハーサル:条件を満たすと開放。アクション要素のあるスタイルで劇の一幕をリハーサルするという趣向。条件を満たすとリボンが手に入る。いわゆるハイスコアチャレンジで、1ミスで終了というシビアなルール。

劇のリハーサルという設定だが、リハーサルと同じ
脚本を本編で演じる機会は無い。何故に?

かくれんぼチャレンジ:条件を満たすと開放。忍者キラリスタの弟子がステージ内に隠れており、見つける事で特別な報酬を得る事ができる。

やり込みの方向性としては2Dマリオに近いが、やり込み要素コミコミでも、本作のボリュームは値段と比較するとやや控えめ。やり込みに相応のプレイ時間を求める人は要注意。

また、やり込む場合は各ステージを何度かやり直す事になるのだが、ムービーは飛ばせても、ステージ中の寸劇を飛ばす事はできない。(セリフ送りも不可)
総じてテンポが緩慢なので、リトライ性という意味ではストレスが溜まりやすい作品である点についても注意されたい。

TAKE2でもTAKE3でも、劇なのだから
演技はスキップできない。
舞台設定に忠実だが、その分ゲームとしての
テンポが犠牲になっている点は賛否が分かれそう。

ピーチの活躍を最大限に引き立てるための「舞台」

本作は、舞台公演を見に「キラメキ劇場」に訪れたピーチ姫が、グレープ劇団に乗っ取られたキラメキ劇場を取り戻すため、妖精ステラとともにグレープたちに戦いを挑む、というストーリー。

キラメキの力を引き出せるリボンをピーチに託す
ステラ。純真な心を持った妖精である。

ピーチの役割はあくまでも劇場を救うためにグレープ劇団と戦う事なのだが、本作はピーチが舞台上で様々な役割を演じつつ、全編を通して八面六臂の大活躍をするという構図。
つまり、本作はピーチが最高に輝いている姿をプレイヤーが堪能するための舞台が「舞台」となっている。

助けを求めている劇団員キャストン達はピーチ(とステラ)の「キラメキ」の力に対し全幅の信頼を置いており、ピーチの進む道を何の疑いもなくついて来てくれる。背景もサポートしてくれる乗り物も全てが舞台装置。グレープ劇団員との闘いも全てがピーチの引き立て役として存在しているかのよう。

カウガールが乗る白馬。ワイヤーで釣られている点から
劇中の舞台装置である事が伺える。
全てがピーチの活躍するためのお膳立て。

ここまでピーチを、プレイヤーを、アゲにアゲてくれるゲームはそうそうないのではないだろうか。

まとめ

単独で主役を務めるのは『スーパープリンセスピーチ』以来となる『プリンセスピーチ ショータイム!』。本作は、ピーチを華麗にクールにキュートにスマートにビューティフルに活躍させる、という一点に特化したアクションゲームだった。

ピーチ推しのプレイヤーなら心地よくピーチの活躍を見届ける事ができるし、そうでない人も新たなピーチの魅力を見出す事ができるかもしれない。少なくとも筆者はリボン姿のピーチにコロっとやられたクチ。正直もう王冠つけなくて良いです、くらいには気に入ってしまった。

任天堂は責任もって、今後ピーチが出演する作品は
必ずリボン姿を選べるようにして下さい!

難易度もボリュームも控えめな印象なので、昨今の骨太なゲームに手が出せない人に気軽に遊んでもらいたい作品。本作を一言で言いあらわすならば
「ピーチの魅力を100%絞り尽くした、後味スッキリなゲーム」
である。


本作の選評は以上。
次回もよろしくお願いします。


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