リアルを超えた美しさ
5日ほど沖縄に行っていました。日中27度の世界から一転マイナスの銀世界に戻ってくるのは、辛いものがあります。冬の旅行では常に、この帰ってくるときの「がっかり」が付きまといます。冬に北海道より寒いところに旅行に行くことは、滅多にありませんからね。毎回沖縄とは言わずとも、せめて雪が積もらないところに移住できないものか、と考えてしまいます。
でも生まれてから半世紀北国に住み続け、きちんと毎年冬を経験して来た私でさえ、薄明るい灰白色の雲間から、チラチラ頼りなく雪が落ちてくるのは綺麗だなと思います。
森の木々が、枝の側面にしっとりした雪を張り付けてクリスマスツリーのようになっているのを見ると、現実感のない美しさを覚えます。そのクリスマスツリーが日中の陽光に照らされて、キラキラと輝きながら一斉に雫を落としているのを見ると、リアルを超えた美しさはリアルの中にしかない…という変な逆説にたどり着いてしまいます。
やっぱり雪のない冬は私には物足りないかもしれません。
外は吹雪でも、暖かいスリッパを履き毛布にくるまって、薪ストーブのパチパチいう音を聞きながら紅茶を飲むのはなかなかいいものですよ。
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