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TRPGを運よく再開できた話+備忘録

 ええと……おはこんばんにちわんこそばとでも書いておけばいいのだろうか? とりあえず初noteなわけだが、書き方がよくわからないので、タイトルの諸々に触れつつ適当に書き散らしていこうと考えている。

 初自分語りはタイトルの通りだ。行き場のないTRPG欲をありのままに叫んだら、「もしよければ回ってみますか?」とありがたいことに誘って貰えたのが事の発端であり、結果PLやらKPやらを盛んにやるようになって半年が経ったため、自分の今の気持ちを整理しておきたくなり、こうして筆を執った。筆って、いやこれPC(パーソナルコンピュータ)だけどね。
 そも初投稿でこんなの書くのもどうなのかって話なのだが、これはもうある種仕方のない行為なのだ。なのでここに書くのは下らない自分語りだが、目を通してくれるとほんのちょっぴり私の心が慰められる気がする。
 というわけで……確か9月ぐらい?から遡りつつ、適当に書いていく。なおダラダラ書いていたらバカみたいに長くなったので、どうか許してほしい。


1・とりあえずTRPGとの初邂逅の話から

 まずはこの表題から処理していく。マジで。あ、マジっておじさんしか使わないんだっけ。でも私もう森高千里インストールできるからいいもんな!
 言いたいことはわかる。でもね、うん、最速で過去の自分語りをしないと前段階に繋がらないのだ。なので本当に許して欲しい。

 もう12、3年くらい前だと思うが、当時ニコニコでブームとなっていたものがあった。生放送は観たことないから知らん。確か動画群だとボカロ、各種MAD、架空戦記シリーズ、実況プレイ、あとは少々口に出しづらいモノモノなど。そこにクトゥルフ神話TRPGをはじめとした、TRPGのリプレイ(風も含む)動画が混ざっていた。
 どこが火付け役なのかは知らん。今は亡き有名卓とかなのかな? それともゆっくり系の何か? まあ特に明言はしないけど。今でいうところの白い部屋系や理不尽即死シナリオ、あとは王道の謎解き系が跳梁跋扈していた時期になると思う。うちよそなんてなかったし時代は移り変わるもんだねえ。
 私のTRPGの初出会いはそこになる。当時高校生~大学生だった私は、特にクトゥルフ神話TRPGモノをこぞって漁っていた。
 冒涜的な神話の大系や自分でキャラクターを作り一緒に遊ぶメンツで物語を構築する、というこの一連の流れにまあ興奮し、やってみたくてたまらなくなるまで時間はそう掛からなかった。
 が、この辺りではやる機会にてんで恵まれなかった。LoV2と各種RPGとアリスソフトで忙しかったと言い訳をしておく。
 とはいえ、このTRPGというゲームは何分ローカルでマイナーかつ人を選ぶ。私の中では友達の中の友達を選出せねば履行できないタイプのゲームだ。ぶっちゃけて言えば布教するようなコミュニケーション能力もなかったので、動画を見るだけに留まっていたし、割とそれで満足だった節がある。
 んで、契機は突然訪れる。


2・大学の友人と……遥か7年前?から半年ぐらいの話

 表題の通りだ。見出しを付けるだけでなんか記事っぽくなるね?
 私が通っていた大学は保育系であり、まあ大層同性の人間が少なかった。なのでまあ基本的には寄り集まることになる。仲良くない相手に対してのコミュニケーション能力が明らかに死滅していた私にとって、大学デビューは生死をかけた戦いだった。
 その中で勝ち得た――というと、今でも仲良くしてくれている友達に悪いからアレだが――現在進行形で付き合いのある、趣味嗜好の近い友達がなんと誘ってくれたのだ。大学卒業後の17年の夏ごろだった気がする。

「毒入りスープって知らん? やってみない?」と。

 動画を見まくっていた頃(実卓リプレイばっか)からそれなりに経ち、その時はもうオキニにした投稿者の新着を覗くかしていただけで、シナリオ名とかは全然詳しくなかった。超有名なシナリオなのにね、ヌケサクである。
 とはいえ、その提案に二つ返事をし、いざ初プレイ。案の定、私は……どうしたっけ、ヒントっていうかもう答えだろってぐらい教えられてクリアしたはず。それでもまあ楽しかった! かつて求めていた御馳走はやっぱり美味であった。
 となると私だけがPLをやらせてもらうなんて申し訳ない。誘ってくれたとはいえ友人もほぼ初心者だったのだから。次はこちらから何かを渡したいと考えるのはまあ必然だった。

『じゃあ次はこっちがKPするよ。どんなのやりたい?』

 と、カッコつけて安請け合いした結果、友人から提示されたのはシュブニグラスとかわいい女の子が出てくるシナリオ。ただ条件があって、これをやる前にいくつか通ってから、本命に行きたいという話だった。
 なのでいくつか見繕い、KPとして上記含めて3本くらい回した。この辺りから演劇に加え小説などの創作活動をやり始めたのもあって、自作シナリオなんかも作った。
 これまでずっとくすぶり続けていたTRPG熱は一度や二度じゃ全然冷めやらず、その友人の周りに加わらせてもらってクトゥルフだけじゃなく、ウタカゼやシノビガミにキルデスビジネスとおまじな系を結構やったりした。
 あとは当時のフォロワーとマギカロギアを回してもらったり、ソードワールド2.5でキャンペーンシナリオをやったりもしていた。あとボドゲ。リアルで会うとき、それが結構楽しみだったりもしていた。
 いずれも本当に楽しかった。設定廚の面目躍如ってやつだ。自キャラのバックボーンを考えて、作中の世界にそぐうRPをしながら自分を表現し、結果様々な喜怒哀楽が生まれる。この空間が楽しかった。

 けれどまあ、やらなくなるのも一瞬だった。一身上の都合、と書くとなんか仕事のことみたいになるが、自分の生活が色々一変した関係で心にゆとりが持てなくなり、友達やフォロワーとやるのも自然と気軽にできるゲーム群へとシフトしていった。
 嫌いになったわけじゃない。なんなら好きだ。それは変わらない。
 それでも縁の切れ目は訪れる。生活に、仕事に、演劇に、創作に。色んなことにかまけていたら、自然と手のひらから零れ落ちて、あとに残ったのは埃を被ったルールブックたちだけだった。



3・6年かそこらぶりのTRPG~現在へ

 と、まあ。自分に酔った上にしみったれた書き方をしたが、時間の都合で気づけばやらなくなっていた。それからざっと6年近くが経ち、また自分がTRPGと縁を持てるとは、と今思うわけなのだ。
 話は冒頭に戻る。去年、秋めいてきた9月頃。別界隈で活動するなか、何の気なしにTLを追っていたときだった。

「クトゥルフのセッション楽しかった~」
「○○ってシナリオ、回してもらいました!」

 ワ…一人じゃなく何人かつぶやいとる。え、嘘ん。この界隈、めちゃくちゃ年齢層若いのにTRPGやってる(語弊がある)人おるのん?!
 色んな人に唾吐き掛けるような一文だが、割とマジでそう思った。去年の私はVtuberやストリーマーの絡みで界隈がかなり盛り上がっているということを知らなかった。
 それはさておき、消えていた熱は突然いつかの温度に戻った。自分でやらなくなっても動画だけは追い続けていた私、これはワンチャンあるかもとクソみたいなコミュニケーションを図る。

『いやー久々にやりたいなTRPG…まあやる相手がいないのだけど…』

 これ、壁打ちである。直接じゃなく空リプである。しかももっとデュフってたツイー……𝓧 𝓹𝓸𝓼𝓽だった自覚がある。いや、いい歳してコミュニケーション能力ゼロか。奥手なのも大概にしろよ。性別も弁えろ。おたんこにんじん、おバカ。そんな感じでキングに詰られたい。が、現実はまあ普通に当たり前のように現実で、特にお声がかかることもなく……

「もしよかったら回しましょうか?」

 救世主-メシア-か?
 DM見たとき叫びつつ目を剝いたよね。ここに来てようやく主題の手前に置いた部分に立ち返るのだ。フリからのタメが長過ぎる。アドリブ利かない芸人の生命は短い。南無、私の生命も短いようだ。
 かまってちゃんですみませんと内心で自分を痛罵しつつ、しかし渡りに船なのでかつてのように二つ返事で飛びつき、当時の名残を捨てきれぬままキャラを作成。擦り合わせの時間なんて昔は設けてなかったけど、これあると気の持ちようが全然違うねと驚くなどしていた。
 回してもらっている最中「私は分かっててもこのキャラはそのこと知らないし、だったらこう動くかな~!」とか限界オタクかましながら、久々のPLを楽しんでいた。
 やはり仮想とはいえ別個の人生を生きる存在を作り、それをダイスの出目によって動かし、笑いあり涙ありのストーリーラインの中で『生かす』ことができるのはたとえようもなく楽しい。
 大満足でセッションを終え、感謝と感想を述べまくり、いやー楽しかった楽しかった、ありがとう。それではまた機会がありましたら……なんて定型文を述べようとした時だった。

「確認はしてみるんですけど、私たちでやってるTRPGのサーバーがあって、そこに入ってみませんか?」

 救世主-メシア-はずっと救世主だった。サーバーにも話を通してくれた結果、選考も通過しなんと私にも多人数でやれる身内卓が出来たのだ。
 とはいえ、いきなり外様のキモオタなおっさんが入って良いものなのか、場の空気を乱してしまわないか。色々考えながら自己紹介をし、まあその日は本当に借りてきた猫状態だった。メンタルが雑魚っぱ。
 ひゅーでいずあごー。
 卓のメンバーがこれやってみませんかと提案してくれ、立卓された当日。
 全ては杞憂に終わったのだ。
 
 いや、この噛み合い方滅茶苦茶楽しいな?
 RPの方向性もいい感じだし、大丈夫だな?
 アフタープレイまで難なく駆け抜け、他者と楽しさを共有する。
 そして、気づく。ああ、自分って『会話』するの好きなんだなあ、と。ここについて深掘りするとあんまりにも女々しくなるので、触れずにおく。
 ただまあ分かることとして、私はこれから終生TRPGとズブズブの関係を続けていくことになると思う。だって、自分の世界と他人の世界を交わらせるのが楽しくて仕方ないのだから。やめたくなるまで、やり続ける。今はそれぐらい楽しいってだけで多分おつりがくるんだろう。

 ……なのでもう五月雨式である。ここに至るまでね。多分クトゥルフ以外も今後やっていけると思うので、そこでは積極的に声を出していきたい。ゆうこや、ステラナイツ、ダブルクロスなどなど、やりたいものは沢山ある。
 PL分でも忘れられない思い出がたくさんあるが、それすらも列挙すると何文字あっても足りなくなるので、あくまで自分がKPとして回したものに限定して書いていこうと思う。もう少しお付き合いいただければ幸い。


4・ここ半年のKP記録(バカ長い)

 一応ここに列挙していく。ここは本当に私のメモ帳。回したPLたちにnote書くよーともなんとも言っていないので、PL・PC共に匿名としておく。あと、エンドの内容やセッションの中身にも出来るだけ触れない。シナリオ名出してるからね、そこは流石にネタバレしないよう努めます。
 ついでに、私がKP・PCとしてセッションをする際、非常に参考にしている卓での表記をもじっている。プラス、適当にboothやtaltoのURLを貼り付けておく。こんな要所を端折りまくった場末の雑文を読んで興味が湧いたなら、それはもうぜひプレイすべきだからだ。
 最初に記載してあるシナリオの傾向については、あくまで核心をつかない程度の個人的主観。作者名はなんかサークル名も混ざっているような気がしますがすみません。ホントに非礼があった場合低身低頭で謝罪します……!

1st 『君の皮膚を泳ぐ 製作者:茶鰯様』
 https://booth.pm/ja/items/4936803


 オーソドックスな公開HOのみありのうちよそで、1PLでKPCを出すタイマンシナリオ。全体的に水っぽく艶めいている感じ。シナリオの雰囲気が自分の癖にあったのと、ロスト確率もKP難度も低いところから選ばせて頂いた。
 プレイ時期確認するためにですこ遡ったら12/28だって。コレ確か私から提示してるはず。コミケ前(サークル参加側)。てかド年末。まったく、ひとのめーわくをかえりみなさい。

 回してもらうにつれてどーしてもKPやりたい、やらねば無作法というもの……となり、募集……というか半ば頼み込む形で回させてもらったもの。しかもココフォリアの作り方や使い方までレクチャーしてもらう(これも教えて下さいって頼み込んだ)とかいう、至れり尽くせり状態で始まった。

 私のKP方針として、KPCを出してタイマンする場合はPLの意見を可能な限り取り入れて、詳細な設定を入れたKPCを作成する、というものがある。今回の指定は友人でも恋人でもない、ちょっと親しいぐらいの間柄だった。
 とりあえずKPCを行き付けの画材屋の店員とし、普段は程よい距離感で会話をするが、本心では芸術・絵画を90以上所持している活発系不思議少女なPCをある種神聖視している、という設定にした。なので導入でなんかこう……いやに生々しくなった。上手くアドリブを入れられれば良かったのだが……経験不足を痛感する次第である。

 なもんで問題なく回し切れ……るはずもなく、シーンの作り漏れがあったり、ピンとこないBGMをチョイスしてたり、そもそも部屋サイズデカい。心の中で歯軋りしながらセッションを終え、感想戦を交えつつ猛省・謝罪。楽しかったですよと言ってもらえて感激するなどもする。
 とはいえ、昔にプレイした頃に比べればアドリブが随分効くようになったなと思うところもあった。日々之成長也。

2st『春彼岸 製作者:れぐ卓様』
 https://booth.pm/ja/items/3763011


 だいぶ理不尽なタイマン。「私ね、嘘を吐くと花が咲くんだ」というアオリ文が全てを物語る、春は別れの季節なシナリオ。シナリオの雰囲気が好みだったのだが、流石にファーストタッチで回せるほど簡単じゃないと思い、2回目にした経緯がある。
 PLは1stでPLしてくれた方。この卓には救世主しかいないのだ、私にとっては。事前情報として、今回はキャラとの関係性濃いめですよと伝え、先にキャラを作ってもらった上でどんなキャラにして欲しいかをメモってもらい、とにかく自分の性癖を混ぜ込みながら忠実にかつKPCを愛してもらえるように産んだ、つもりだ。

 かくして音楽の才能に満ちた眠たげな男子高校生(PC)と、彼に恋心を抱く小動物系の聡明な女子高生(KPC)が出来上がり……どうなったかと言えば、このセッションで私たちはとにかく呻いていた。
 なんなら私は生まれたKPCに愛着が湧きすぎて始まる前から死ぬほど憂鬱だった。創作でもそうだが、キャラクターの内面に溶け込み過ぎると、色々支障を来たす。
 事実、とても良かったと言ってもらったあと、これでこうなってたらハートブレイクしてましたねと言われて、私は(ボイセなんだから見えるワケないのに)首をブンブンと縦に振っていた。叫喚性狂気。

 正直な話、このシナリオに対し私はかなりの改変を加えている。イレギュラーな要素をとにかく取り込み、別枠で書いた『このキャラなら有り得そうないくつかの選択肢と結末』を想定したうえでシーンを構築しアドリブを混ぜ込みENDまで辿り着かせている。自分でもよく口ペラ回ったと思う。序盤の2時間近くと中盤の絡みほぼアドリブだったし。それを褒めるべきか良くない回し方だと誹るべきかは分からないけど、最後に回れてよかったと言ってもらえたので多分良かったのだと……思いたい。
 推奨プレイ時間2〜3時間のところ、このセッションは9時間くらいになっていた。しかもほぼぶっ続けである。タイムキープは必要だと切に感じた。

 これがもし作者様に届いてしまった場合私は平謝りすることしかできない。ただ、私は納得できるものが欲しかった、無為に散り意味を遺すのはあまりに苦しかった。それを免罪符にしながら既に2回……なので計3回は確実に回すだろう。本当にすみません。


3st『酔夢の終わりに杯-story-を 製作者:私』
URL: そんなものないよ、自作だもの。

 自作の所感って何書きゃいいんだ。オリジナルを書きたい欲が高まり、ならシナリオライティングすっか! となり。酔ったときに見る楽しい夢で楽しくRPしようって目的で作成した。

 私の好きなVtuberが回していた『ラストナイトで逢いましょう』にかなりインスパイアされている。
 が、本質的には私の好きな物静かでメロチックな雰囲気を醸しながら、バーで酒飲みつつ明晰夢の中で自分と誰かの人生を追う感じ。
 気づいたら2~3万字くらい書いてたらしいが、キャラ・シナリオ設定や会話文とかで膨れていただけなので、実際は8000文字くらいの短~中編シナリオだ。3人もPLが来てくれたので、万全の状態でテストプレイに臨めた。特にKPCはいないので、継続を持ってきてもらうカタチとなった。三人中二人は夢でメッチャ暴れていた記憶がある。でもそれもある程度は想定内。

 酔って寝ちゃって訪れた夢の世界を探索しつつ~って話なんだが、夢だし想像次第でどうにでもなるだろと思い、魔法とか使えてもいいよねって根幹を作ったせいでKP難度が高で収まらないぐらいに爆増したので、とりあえず凍結中。需要があれば公開するかも。
 こなみかんな感想だが、自作のシナリオやらキャラの設定を読み取って貰えるのって嬉しいんだなと思った。変な設定がある以外シンプルな構成にしていたのも良かったかもしれない。

 予定は3~4時間程度だったんだけど、まあ見通しが甘く実際にはその倍以上掛かった。二日にわたってプレイしてる辺りで察してもらえるとは思う。
 私のキーパリング、タイムキープが下手すぎる。RP、止め所が分からない。ずっと見てたいし聴いてたいよね、みんなの会話。
 にしても自作について制作側から語るってなんか難しいな。絶妙な気恥ずかしさに襲われる。

4st『君の皮膚を泳ぐ 2回目 URL及び作者略』

 2回目なのでシナリオの内容とかは割愛。
 通過していない卓の別メンバーに向けて行ったもの。
 歴戦の継続探索者を連れてくる、とのことだったので、今回はKPCにもの凄く力を入れた。具体的に言うと2stの時よりも。PCのエッセンスと指定された欲しいものをとにかく盛り込んだ結果、全てのメモがセレブリティなレシートと化した。事前に掌編小説を用意したのはやりすぎだったかもしれないが、PLがメッチャ応えてくれてなんとあちらも掌編小説を用意してくれた。そのお陰か、構築されたものたちが自然とPC・KPCの背中を押してくれたように感じるセッションとなった。
 この辺から私案外KP出来るな……? と自惚れ始める。
 なおコレを書いている今もそこそこ自惚れている模様。いつかきっと痛い目を見る。

5st『春彼岸 2回目 URL及び作者略』

 4st同様。ただPLは別の方。このシナリオは事前にとにかくキャラを推敲して、自分と同一化出来るぐらいの理解度を持っていた方が刺さる。それを理解していたし、既に通って貰ったメンバーにも言って貰えたので、事前に十分な時間を取り、PCとKPCを煮詰めた。ラストへと至るルートも本来想定されているもの+5ルートぐらい作っておいた。通過したメンバーにSKPをやってもらうなどして、KPとしての本懐である愉悦に浸る準備を整えた。

 今回重視したのが、前回は自分も入り込みすぎてKP活動が上手くできなくなっていたので、ある程度フラットに出来るよう、情動の薄めな変わり者の秀才女子高生をKPCとして産み出した。
 ……のだけど、結局世話焼き系ちみっこ女子高生に心をボコボコに破壊され、ラスト1時間はもう必死に涙声を堪えながらKPとRPを行っていた。前回も大概泣きながらキーパリングしていたが、今回もその例に洩れなかったわけだ。こういう時だけ、感情を失ったロボットになりたくなる。実際問題。

 結果は……受け取る人によるとは思うが、自分が用意したものの中だと、多分グッドの方向だと思っている。対価になり得る死というものは、その人々ごとに様々ある。だからこそ、このセッションでPCが想像のあと、最終的に獲得したものが、どんな判断であっても良いと思っている。
 じゃなきゃ、自陣(でいいんだよね?)のセッション後短編小説を書くとPLに言われて、即座に私も書くだなんて言わないし、あんなに引きずらないよ。だいぶ心に残ったからね、このセッション。

 やっぱりこのシナリオ、好きだ。

6st『Cat MeMe 製作者:八千四葬祭様』
 https://booth.pm/ja/items/5506307

 確か無印……だったはず。とにかく下らないのがやりたくなり、boothを漁って出現した猫を捕獲した。2日にわたって行われた5st終了後の苦しみより逃れようとした結果、終わって1時間後くらいに開始されたもの。始まれば即座、丁寧に管理されたアクアリウムで棲んでいたグッピーは、温度差で瞬く間に死滅した。
 敢えて言おう、なんでこのTRPGで1時間かかったのだろうか。3cat集まったとは言えそんな掛からんよこれ!
 ここで遂に自覚する、私はシンプルにタイムキープが下手だと。
 まあ何にせよ、久々に頭空っぽでKPが出来て楽しかった。久々に感じた、極端に短いギャグシに忖度など要らぬことを。
 集めた素材の使い道は……今のところ他にはない。

7st『カタシロ 製作者:ディズム様』
https://booth.pm/ja/items/2274429

 配信者系の界隈でとにかく有名なやつ。noteでTRPG関連の記事を漁っている人ならまあ大抵知ってるんじゃなかろうか。
 好きなVtuberや実況者が、これまた好きなTRPGプレイヤーにこのシナリオを回して貰っているのをつべ(推定死語)で見て、時間的にも短いし回してみるかとなった。PLは4stの方。奇しくも同じ継続探索者でのセッションとなった。

 このシナリオは個人的にもあまりクトゥルフクトゥルフしてるとは思っておらず、基本的には対話を繰り返して道を進んでいくという筋書きになっている。自キャラの思考の深掘りをして欲しいと思い回したが、楽しんでもらえたようで何よりだった。
 ただ、TRPGというのはGMが何かを言わないと世界が広がらず進めないが、かといって情報を与えすぎると悩む要素が増えすぎてしまう。だいぶ胡散臭い感じでRPしたので、そこがネックになってしまった。一部NPCをお任せしたSKPにかなり助けてもらった自覚がある。PLとPCの反応を見るのがいくら楽しくとも、KPはやっぱり俯瞰的位置に居なくてはダメだ。反省。

8st『宇宙ふわふわするだけのシナリオッ!! 製作者:ジュンコ様』
https://talto.cc/projects/iUyTxYwYr6ekeK53KXnat

 TALTO、上手くリンク貼れなかった。まあいい、もう完全にタイトルオチである。卓メンバーにこれやってみたい! と持ち寄って貰ったので、さっくりと部屋を作り、これ他のタイミングで使う機会あっかな……と思えるような素材を持ってきたギャグシナリオ。
 ああ、やっこさん?
 ブラジルに行ったよ、可哀そうになあ。
 帰国までは……2日ぐらいかかるみたいだ。長いねエ。
 やっぱギャグシを回してるとき、7年前に存在していたまったく忖度しなかった頃の自分が顔を出す。生死が掛かっていないタイプのシナリオはフラットに出来るみたいなので、なんかこう、スイッチを上手く切り替えられるようにしていきたい。キーパリングには押し引きと深みが大事だと思うし。

9st『拝啓、碧海に溶ける君へ-結- 製作者:幻想ステラ様』
https://booth.pm/ja/items/4855769

 自身KPとしては初のKPCのみ秘匿あり、1PL出して貰ってのタイマンシナリオ。絶対早く終わるやろ……と思った8st終了後休憩を挟んで行ったもの。このシナリオを一目見たとき、深海少女が脳内で流れ出したのは秘密だ。
 特に新規のみとかの指定がなかったので、継続もってきてもいいよ~と伝えた。なので継続に対してKPCとの関係性を生やさせてもらった。
 ここだけの話、継続探索者に新しい関係性の矢印図をそこそこ引かせて貰っているが、私はかなーりKPCに自分の性癖をレシート形式で乗せているので、それが受け入れられているか少々不安だったりする。

 シナリオの雰囲気がとにかく良く、一生KPCのRPをしていたくなった。自分のキーパリングはかなり甘い……というか自分が死に対する何かをあまり売れ入れたくないんだろうな、という自覚がある。それが功を奏したとも、雰囲気を削いだともいえるかも知れない。
 私はこういう、水をベースにした話に命が紐づいていると最高! ってスタンスの人間だ。なので探してくるシナリオも全体的に青色が多くなる。御多聞に洩れずこれも青い。とても好きなシナリオだ。というか好きなシナリオ製作者だ。別の人にも回したいな。

10st『Es:ケープジャスミンの温室 製作者:!oryy(いおりゆゆ)様』
https://talto.cc/projects/26nDm7nUiBlWtu1MiNmot

 1stと同様、オーソドックスな組み立てをされた実質的クローズドのタイマンシナリオ。世界観が澄んでいて、俗な喩えをするなら、ハイジの風景にセーラとラスカルを混ぜ込んだ感じのシナリオ。あ、アンやフランダースも混ざってるかも。まあ、これは分かる人にだけ分かればいい。
 PLは1stやら諸々の方。今回は持ち寄りで、これ回りたい! ってことだったので、PC産んで貰ってから日取りを決めた形。
 慣れるために同じシナリオでも毎回部屋を作っていたのが良かったのか。はたまた流石に10回も作りゃ慣れもするだろって話なのか。ココフォリアでの部屋作成は随分と早くなった。ここ、KPとしての成長ポイントだ。

 KPとして卓を回すたびに言われることだが、私はどうやらかなり優しい寄りのKPらしい。ほんとに?
 自分で分析するに優しいというより、私が考える『カタルシスまで至るための道筋』に、不快かつしこりを残しそうなものを選択できないってだけな気がする。事実、今回も自分が辛くなりそうなところは齟齬が出ないよう努めつつ結構改変した。
 練炭VS怒りのルネ山みたいな、ああいうスクライド染みた殴り合いのケンカなら別にいいんだが、じっとりした空気感で行われるいじめ、みたいなのはどうしても苦しい。なので生やしたNPCをPCに寄り添わせてしまった。この辺が私の度胸のないところだと思う。
 謂れのない一人ぼっちは寂しいのだ、これが架空の世界だとしても。

 シナリオとしてはやりたいことは全部させてあげられたし、中核NPCとの絡みも十二分にこなせた。ラストに至る描写も本筋をなぞりながら、アドリブで上手く味付けできたと思う。掛け値なしにいいセッションだった。
 1stのときから思っていることだが、やはりTRPGはPLとPCが存在してこそ煌めくものだ。KPは用意されたシナリオという舞台を使って、彼らの人生を神の視点から覗いているだけに過ぎない。
 だからこそ、私というKPが作った潮流に乗ってくれるPL・PCの存在が有り難くて仕方無い。深く感謝。

11st『カタシロ URL及び作者略』
 
 2回目ではあるが今回はかなり毛色が違う。いつもの卓じゃないからだ。私にTRPGの味を教えてくれた友人への5年越しくらいのセッションだった。
 PvP系のゲームをやったり、適当に駄弁ったりをこれまでずっとしてきたし、なんならこのセッションが決まったのもその最中だった。久々にやってみる? と私から伝えたら快い返事が来て、いざ当日、というわけだ。

 このシナリオ、自分の素でNPCのRPをすれば良いから楽なのだが、相手の意図を上手く汲み取れなかった瞬間、NPCのINTがなんか激烈に落ちるっていうKPに対しての致命的欠陥を抱えている……いや、私のリアルINTが足りていないだけなのだが。

 なるべくダイスを振ってもらえるように心を砕いた、つもりだ。感触と声色的に楽しんでもらえた……のだと思いたい。結果としては持ち寄ってもらったキャラの思考通りの結果となった。キャラにすべてを委任するスタンスで、こざっぱりしたカタシロだったように思う。こういうのもアリだ。

12st『交響曲『ANIMA』第一楽章 製作者:カペラとテディベア様』
https://3-bear.booth.pm/items/3403104

 音楽都市で出会い、弾いて惹かれる旋律の2PLないし1PL+KPCのシナリオ。情緒的かつスケルツァンド。秘匿HOあり。よくよく考えたら秘匿あり初めてだ。
 時間的な余裕が絶対生まれるだろうから、もういっこ選定しておこうと卓開始5日前ぐらいから思い続けていたのだが、仕事やら締切やらで忙しくやんややんやしてたら当日になっていた。
 なので11st後に1時間の休憩を取って、その間に探したシナリオだ。PLがリアル芸術:ヴァイオリンを取得していたので、これはピッタリハマるだろう……いや逆に地雷か……? などと考えながら突貫で部屋を作りいざセッション。

 今回のPCは『彼本人』とのことで、これKPCどうすっかな…と頭を抱えたが、どうにでもなれの精神で自分の好きなキャラを作成。
 結果として、シナリオの演出と用意したものが綺麗にハマり、十分に楽しんでもらえた模様。まさかラストで全力疾走するとは思わなんだ。劇的なのっていいよね……いい……ってアフタープレイで二ヤついていた。
 
 この2セッションを終えた翌日、私はPLとして別卓に参加し、興奮冷めやらぬまま卓のメンバーに告げる。


13st『交響曲『ANIMA』第一楽章 URL及び作者略』

 まだ時間余裕あるしKPやるから通ってみない!? と。
 いや、無茶ぶりに付き合って下さって本当に感謝感謝感謝ですよ~(by愛城華恋)、だ。普通にありがたくって涙を流せる。

 今回は2PLで回すことになり、秘匿を配ってそのうえでキャラを構築してもらった。セッション中幾度となく、「秘匿ってPCたちの呻きが手に取るようにわかって……愉しいな……」とかいう仄暗い感慨に私は耽っていた。
 仲良い相手同士でやると、PCは初対面なのに割と好感度高いムーブする傾向があるというか……
 まあ言わんとしてることは分かると思うんだが……いい感じに関係性が醸成されていく過程を見ることができた。てぇてぇ(半ば死語)。そして結末はやはり美しいもので終わった。生の煌めき、すき。

 昨日のセッションでは上手く合わせられなかったところが、時間通りにピタリと噛み合ったのは良かった。そこを褒めて貰えたのも普通に嬉しい。
 何か指摘された訳ではないが単純な反省点として、描写がとにかく続くなかで早口になってしまうと、聞き取れなかった瞬間PLが置いて行かれてしまうという点についてはもう少し考慮すべきだった。
 疾走感を持たせながら身振り手振りを使わず、明瞭かつ明確な演技を伝達するというのはやはり難しい。ドラマCDとか朗読劇って本当に凄いものだと実感する。

 

 これで以上だ。
 結びの文として何か残すべきだとしたら、誘ってくれてありがとうって感謝だろう。
 やはりTRPGは楽しい。テレビゲームとはまた違った楽しさがある。
 気心知れた友達を用意()するのが一番難しい点ではあるが、興味がある人はレッツプレイ。何も難しいことはない。この深淵は存外温かいものだ。
 雑文失礼、読んでくれて切に感謝。

#TRPG   #クトゥルフ神話TRPG #日記



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