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「役に立たないからこそ豊かである」会員さまに聞いた本のことvol.7

こんにちは!co-ba hiroshima スタッフです。

本日は、大人気シリーズである「会員さまに聞いた本のこと」をお送りいたします!
会員さまにご利用いただいている本棚の中から「オススメの1冊」をご紹介し、書籍を通して会員さまをご紹介する「会員さまに聞いた本のこと」

第7弾は、フリーランスで活躍されるデザイナー、イトウエリカさんのご登場です!ぜひ、最後までお付き合いください♪

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会員さまをつなぐ本棚

co-ba hiroshimaでは会員さまにご利用いただいている本棚がございます。
こちらでは会員さまのお仕事にまつわるものや、興味がある分野の書籍
会員さまの人柄やスキルを紹介するカードを掲示し、会員さま間の会話やビジネスのきっかけとなる役割を果たしています。

このシリーズでは、そんな会員さまの本棚の中から「オススメの1冊」を
会員さまへのインタビューを通して紹介し、会員さまの中でどんなターニングポイントとなったのか紐解いて参ります。

本日のご登場は

本日、本を紹介していただくのはこちらの方です!

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イトウエリカさん
グラフィック/エディトリアルデザイナー

普段から読書家であられるエリカさんが、悩んだ結果一冊の本を紹介してくださいました!

哲学に興味を持つきっかけをくれた本

ご紹介いただいた本はこちら!

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『ツァラトゥストラはこう言った』
出版年月日:1883年
著者:ニーチェ
翻訳:氷上英廣
出版社:岩波文庫

晩年のニーチェ(1844-1900)がその根本思想を体系的に展開した第一歩というべき著作。有名な「神は死んだ」という言葉で表されたニヒリズムの確認から始めて、さらにニーチェは神による位置づけ・目的付けを剥ぎ取られた在るがままの人間存在はその意味を何によって見出すべきかと問い、それに答えようとする。

ーー本の魅力を伺う前にエリカさんがやられているお仕事とそのお仕事に就くきっかけを教えてください!

仕事は主に紙媒体のデザインをしています。エディトリアルデザインをメインに、グラフィックデザインもしているという感じです。

エディトリアルデザインというのは出版物のデザインのことで、書籍だったらカバーから中面のデザインまで一冊丸ごと、雑誌だったら企画単位で紙面のデザインをしています。グラフィックデザインは名刺やロゴ、チラシなどの平面一枚のデザインですね。

フリーランスでやっているのは朝が苦手だからです(笑)
若いころは修行のつもりで会社で働きましたが、30歳までに絶対独立してやる!と決めていて、ギリギリでしたが達成できました!

衝撃的にかっこよかった

ーーこの本を初めて読まれたのはいつ頃ですか?

中3か高1くらいだったと思います。それまで哲学書というのは読んだことがなかったけど、たぶん「ツァラトゥストラはかく語りき」というタイトルが気に入って、最初は中2病みたいな感じでハマりました(笑)。

当時は哲学書だと思って読んだけど、今読むとこれは散文詩。他の哲学書と比べると文章のかっこよさが段違いですね。

30歳とか超えちゃうと人生ってもうそんなに大きく変わらないと思うんですが、高校生のときこれを読んで私の人生は変わったな、と思っているんです。本当に衝撃的でした。ある意味、高校生の時に読んだ自分えらかったなって(笑)。

ーー高校生のとき、この本にどんな影響を受けたんですか?

この本の影響で大学は哲学科に進学しました!
キルケゴールの「死に至る病」やウィトゲンシュタインの「論理哲学論考」など他の哲学書も読むようになったのは、この本がきっかけでしたね。

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暗さのなかに見える明かり

内容は、ツァラトゥストラという人が山に籠もったり下山して人間に説教したりまた籠もったりっていう(笑)。あらすじで書くとくだらないんですが、ツァラトゥストラは自らの使命と絶望の狭間ですごく苦悩するんです。そういう重苦しい内容のはずなのに、最近読み返したらどこか不思議なさわやかさを感じて。

高校生の頃はわからなかったけど、いま読むと絶望の裏側にかすかな希望や光が見える気がするんです。

ニーチェは精神を病んで亡くなってしまうので、ツァラトゥストラと同じようにきっといろんなことに苦悩し絶望したんだと思うんですが、この時はまだかすかな光が見えていたのかなとも思います。

ーーこの本の中で気に入っている部分はありますか?

「夜の歌」という部分。ここはもう完全に詩なんですが、他の章では真面目に思想を語っているニーチェがロマンチストなところを前面に出していてすごく好きです。

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役になんか立たなくていい

ーーこの本はデザイナーという仕事にも何か影響を与えているんですか?

与えていませんね(笑)。
この本に限ったことではないですが、役になんか立たなくていいと思うんですよ。文学や哲学は役に立たないからこそ豊かなんじゃないかなって思います。

15歳で読んだ時と今では感動するポイントは全然違うし、色あせるどころか新しい発見があったり、感じ方が変わったりして何回読んでも面白いというのはあります。それはすごいことだけど、やっぱり役には立たない。

そんな役に立たないものにこそ、ロマンがあると思いますね。


人生に影響を与えた本を選んでいただいたエリカさん。
本当にありがとうございました!

スタッフも今回のおすすめ書籍を読んでみました!   

読み進めてみると想像していたより勢いのある文章で、どんどん読んでいってしまう感じでした。大学生のうちに最後まで読んでみようと思います!


コワーキングスペースを詳しく知りたい!

今回はco-ba hiroshimaにある本棚の中から、会員さま「オススメの1冊」をご紹介しました。
会員さまはco-ba hiroshima内であれば本棚から、自由に書籍を手にとってお読みいただけます。
お持ち帰りはできません。

今回は哲学的な本。有名な本なので、スタッフも題名も聞いたことがあったのですが、読んだことはなかった本でした。同じような立場の方は、ぜひこれを機に手に取ってみることをお勧めします😊

こちら会員さまへのインタビュー記事は随時更新予定です!
お楽しみに!
会員さま間の会話のきっかけにもなっている、個性が表れる本棚を
足をお運びいただいた際はぜひご覧ください!

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