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100名の学生さんの「強み」を言語化する中で気がついたこと

プロコーチとして独立し、コーチングセッションを実施する傍ら、学生さんの就活支援を続けています。中でも、「プロコーチが強みの言語化手伝います」というコンテンツは大変人気をいただいていまして、セミナー及び個人セッションの中で100名以上の学生さんの「強み」を言語化してきました。

その中で気がついたことをシェアします。

今、「強み」を言語化しようとしている学生さんはぜひご一読してもらえたらと思います。


「強みはコミュニケーション能力です」


まず僕がやり出して最初にびっくりしたのは、

「私の強みはコミュニケーション能力です」という人がめちゃくちゃ多い。

3人に1人、いや、2人に1人は、
「コミュニケーション能力が武器です。」と言ってきます。

ダメです。

それ5万人、いや10万人の就活生が同じこと言っています。
10万人は適当ですけど、それくらい大量な就活生の中から意中の企業やポジションを落とそうとしている人の出してくる強みではないですね。

そんな強みではあなたを選ぶ理由になりません。

では、強みとは、そもそも何か?

(毎回これを説明するので文章にしてしまいます。)

それは、「周りと比べて相対的に上手か」どうかです。

好きなことと得意なことを比べてみるとわかりやすいです。

例えば、「絵を書く」が得意な人と好きな人がいます。
その違いは何でしょうか。

「絵を書く」ことが“好きな人”は、他人とか評価とか関係なく、絵を書くことそのものがただ好きで、ワクワクするんですね。

けれど、“得意な人”は、『周りと比べて上』なんです。

“得意なこと”は、相対的なもので、求められているレベルとか、その人がいる環境の中で上手かどうか、なんですね。なので、上手い下手に左右されるワケです。好きか(ワクワクするか)どうか、は関係ないワケです。これが、“好きなこと”と“得意なこと”の違いです。

ですので、
あなたが「コミュニケーション」が強みだと考えているとすると、
あなたの「コミュニケーション」が周りと比べて“どう優れているのか?”に答えられる必要があります。

つまり、コミュニケーションが得意って言っている人は、相手の頭に「?」を生み出すだけの最悪のコミュニケーションをしているわけです。

まぁ、自分がコミュニケーション下手って言っているようなもんですね。

では、どうすればいいか。

強みの言語化の仕方

答えるための考え方を以下に示します。
コミュニケーションを例に考えていきましょう。

コミュニケーションを大きく分けると「受け手(聞く)」と「送り手(話す)」に分かれます。

どっちが得意ですか?
両方でもいいです。決めてください。

本番はここから。
ここからはひたすら「HOW」で掘り下げていきます。

聞くことが得意ならば、「HOW、どうやって聞くのか?」を言語化します。

人によって、
・「自分から聞くというよりは、相談されて悩みを聞くことが多いです」
とか
・「相手の長所を聞き出して、相手を笑顔にします」
とか
・「相手の過去を聞きます。それで相手を深く知るのが好きです」
とか
いろいろ出てきます。

そこからさらに掘り下げるのも、「HOW」です。
例えば、一つ目の「自分から聞くというよりは、相談されて悩みを聞くことが多いです」を掘り下げます。

【どのようにその悩みを聞くのか?】

・「相手が話しやすいようにして聞くようにします」
とか
・「公平な立場で感情移入をさせずに聞きます」
とか
・「相手の感情に張り込みまくって共感しまくって聞きます」
とか

出てきますね。
さらに「HOW」で掘り下げます。
例えば、一つ目の「相手が話しやすいようにして聞くようにします」を掘り下げます。

【どのようにして話しやすいようにするのか?】

・「相手が言いやすいようにまずは自分をさらけ出します」
とか
・「普段から人の噂話とか悪口を言わないようにして、相手に安心感を与えます」
とか
・「悩み相談の雰囲気を感じてもあえて明るく接します」
とか

出てきますね。
そして、さらにHOWで掘り下げていくわけです。
そうすると、最初の「コミュニケーションが得意」が、「自己開示の鬼として、人の悩みを引き出すことが得意」とかに変わっていきます。

一気に、その人らしい感じになってきましたよね。
こんなふうに適当に羅列するだけでもこんなに出てくるのだから、あなたのこととなるとより明確に、魅力的に、出すことができるというわけです。

金輪際、ESに「コミュニケーションが得意」と書かないでください。
それでは、あなたの貴重なコミュニケーション能力に泥を塗ってしまいます。

コミュニケーション能力に限らず、このような誰にでもあてはまる具体性のない言葉を「ビッグワード」と言います。

このビッグワードに逃げないでください。
あなたにしか出せない言葉にまで【HOW】を問い続けることで落とし込んでください。
必ずできます。

まとめます。

「コミュニケーションが得意」とかビッグワードは“強み”ではありません。その強みを聞いただけで、あなたをぷんぷんと匂わせる、温度のあるワードにまで落とし込みましょう。その方法はひたすら「HOW」で落とすことです。

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